塩分を摂り過ぎたときはどうすればいい?
塩分の排出を助ける食べ物を紹介

塩分は、体内で一定の割合で保たれており、生きていくためには欠かせない成分です。しかし、塩分の過剰摂取は、健康に悪影響を与える可能性があります。

現代人の食生活は、塩分を摂り過ぎる傾向にあるため、塩分の過剰摂取への対処が課題です。

そこで今回は、一日に摂っていい塩分の量と、塩分を摂り過ぎたときのおすすめの食べ物、レシピを紹介します。

1.塩分は一日あたりどれくらいまで摂っていい?

厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2020年版)』によると、日本人の成人一日あたりの平均的な食塩摂取量は、男性が約11g、女性が約9gです。

前回の調査(2015年度)と比較すると減少傾向にありますが、本来食塩相当量として定められている一日あたりの目標摂取量は、成人の場合、男性で7.5g未満、女性で6.5g未満とされています。

ただし、高血圧や腎臓病などの持病がある方は、さらに減塩しなければなりません。持病の症状を悪化させないために、男女とも一日の塩分摂取量は6g未満に設定されています。

塩分の摂り過ぎが気になる方は、減塩を意識した調理や食べ物を選ぶとよいでしょう。

2.塩分を摂り過ぎたときにはカリウムを含む食べ物がおすすめ

塩分の摂り過ぎに注意していても、食習慣や味の好みなどでつい塩分を摂り過ぎてしまう方も多いでしょう。

塩分を摂り過ぎた場合は、カリウムを含む野菜や果物の摂取がおすすめです。カリウムには、ナトリウムを体の外に排出しやすくする働きがあり、摂り過ぎた塩分を調節するのに役立ちます。

カリウムはおもに次の食べ物に多く含まれています。

  • ・野菜

  • ・果物

  • ・昆布やひじきなどの海藻類

  • ・じゃがいもなどのいも類

  • ・大豆やいんげん豆などの豆類

これらのカリウムを効率良く摂取するためには、調理方法が重要です。水溶性のカリウムは、煮たりゆでたりすると水に溶け出すため、生野菜のサラダや生の果物で摂るようにすれば、効率良く摂取できます。

ただし、腎臓に疾患を抱えている場合は、カリウムの摂取量に制限を設けられている可能性があるため、主治医の指示に従いましょう。

3.塩分を摂り過ぎたときにおすすめのレシピ

塩分を摂り過ぎた場合のおすすめのレシピは、キウイフルーツと野菜がたっぷり入った「キウイドレッシングの豚しゃぶサラダ」です。

【材料】2人分

  • キウイフルーツ 1個

  • 豚薄切り肉(しゃぶしゃぶ用) 150g

  • サニーレタス 3枚

  • ミニトマト 2個

【A】

  • 酢 大さじ1.5

  • 塩 小さじ1/3

  • こしょう 適量

  • オリーブ油 大さじ2

  • はちみつ 適量

【作り方】

  • 1. キウイフルーツの皮をむいたら、粗みじん切りにします。

  • 2. 豚の薄切り肉は1枚ずつ色が変わるまで熱湯に浸けましょう。

  • 3. 食べやすい大きさにレタスをちぎり、ミニトマトは4等分にカットします。

  • 4. 【A】の調味料を混ぜたら、カットしたキウイフルーツを入れてドレッシングを作りましょう。

  • 5. 器に豚肉とレタスとトマトを載せ、ドレッシングをかけたら完成です。

ドレッシングに使う調味料の分量は、好みでバランスを変えてもよいでしょう。

塩分を摂り過ぎたときはカリウムを摂取しよう

現代人の食生活は、塩分が多い傾向にあるため、塩分の摂り過ぎが問題となっています。そのため減塩を意識した食生活が大切です。

例えば、ナトリウムを排出する作用のあるカリウムを摂取するのも良い方法です。カリウムは、緑黄色野菜・果物・海藻・豆類・いも類などに多く含まれています。

水溶性で水に溶けやすいカリウムは、生のまま食べるのがポイントです。食生活を工夫して減塩しましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。