脂肪肝に良い食べ物・栄養素とは?
おすすめレシピや脂肪肝の原因となる食べ物についても解説

健康診断で肝機能の異常を指摘され、脂肪肝といわれてしまい「どのような食生活が脂肪肝に良いのだろう?」と、気になっている方もいるのではないでしょうか。

脂肪肝とは、肝臓に脂肪が溜まる病気のことです。脂質・糖質の摂りすぎや肥満など、生活習慣の乱れが脂肪肝をもたらすことが知られています。脂肪肝を放置すると肝炎などを発症する危険性があるため、注意しなければなりません。

今回は、脂肪肝に良い食べ物や栄養素、おすすめのレシピなどを解説します。

1.脂肪肝に良いとされている食べ物と栄養素

T脂肪肝に良いといわれる栄養素と食品例を紹介します。

1-1.タンパク質

良質なタンパク質を過不足なく補うと、脂肪肝の悪化を防ぐことが期待できます。具体的には、卵1個、豆腐3分の1丁、魚80g、肉60g程度が一日のタンパク質量の目安です。良質なタンパク質を効率良く摂れる食品例を以下に示します。

食品名 可食部100gあたりのタンパク質量(g)
かつお節 77.1
するめ 69.2
パルメザンチーズ 44.0
豚ヒレ肉(焼き) 39.3
鶏むね肉(皮なし) 38.8

参照:文部科学省「食品成分データベース

1-2.食物繊維

食物繊維を多く摂ると満腹を感じやすくなり、エネルギーの過剰摂取を防ぐことが期待できます。食物繊維を豊富に含む食品例は、以下のとおりです。

食品名 可食部100gあたりの食物繊維量(g)
こんにゃく 79.9
きくらげ 57.4
乾燥しいたけ 46.7
乾燥わかめ 39.2
刻み昆布 39.1

参照:文部科学省「食品成分データベース

2.脂肪肝を引き起こす原因となる食べ物に注意

糖質と脂質を多く含む食品の過剰摂取は、脂肪肝を引き起こしやすいので要注意です。砂糖(ショ糖)が含まれるお菓子やジュースの飲食は、適量に留めましょう。果物に含まれる果糖も、摂りすぎると中性脂肪を蓄積させる原因となるため、適量摂取を心がけてください。

また、ベーコンやウインナーのような加工食品は、タンパク質だけでなく脂質や塩分も多く含むため、食べ過ぎないように注意する必要があります。

3.脂肪肝に良いとされている食べ物を使ったレシピ

脂肪肝対策におすすめの食材を用いたレシピを紹介します。

3-1.真鯛の海藻焼き

真鯛の良質なタンパク質と、食物繊維の豊富な海藻を一緒に摂れるおすすめレシピです。

【材料】3人分

  • ・真鯛 1尾

  • ・塩 1kg

  • ・卵白 卵1つ分

  • ・海藻(赤トサカ) 適量

  • ・海藻(青トサカ) 適量

  • ・エキストラバージンオリーブ油 少々

  • ・レモン 1~2個

【作り方】

  • 1. 真鯛の鱗を引かず、内臓とエラを取ってしっかり洗います。

  • 2. ボールに塩と卵白を入れてよく混ぜます。

  • 3. 海藻を2に加えて混ぜたら、耐熱皿に真鯛を置いて塩で包みこむようにします。

  • 4. 180度に温めたオーブンで20~25分ほど焼いたら、熱が冷めないうちに塩を割って真鯛の身を取り分け、オリーブ油とレモン汁をかければ完成です。

真鯛は塩焼きにしてもおいしく食べられますが、オリーブ油とレモン汁で洋風スタイルに仕上げると、違った味わいを楽しむことができます。

3-2.牛肉ときのこのクリーム煮

なめらかなクリームを味わいながら、牛肉ときのこを摂れるレシピです。

【材料】2人分

  • ・牛切り落とし肉 180g

  • ・マッシュルーム 5個

  • ・しめじ 1/2株

  • ・エリンギ 1本

  • ・バター 10g

  • ・水 100ml

  • ・顆粒コンソメ 小さじ1/2

  • ・生クリーム 100ml

  • ・塩 適量

  • ・こしょう 適量

  • ・パセリ(みじん切り) 適量

【作り方】

  • 1. 牛切り落とし肉を食べやすいサイズにカットします。

  • 2. マッシュルームを薄切りして、しめじは石突きを取ってからほぐし、エリンギはひと口大にカットします。

  • 3. バターを熱したフライパンに2を入れて中火で炒め、しんなりしたところで1を加えて炒め合わせます。

  • 4. 肉の色が変わったら、水と顆粒コンソメを入れます。

  • 5. 4が煮立ったら、そこに生クリームを入れて弱めの中火で4~5分加熱し、塩・こしょうを適量加えます。

  • 6.皿に盛ってパセリを散らせば完成です。

きのこの焼き色が濃くならない程度の焼き加減にするのが、クリーム煮をきれいに仕上げるポイントです。

脂肪肝に良いタンパク質や食物繊維を含んだ食べ物を意識して食べましょう

脂肪肝は脂肪が肝臓に溜まっている状態を指し、肥満や食生活の乱れなどが原因で発症します。脂肪肝の悪化を防ぐには、良質なタンパク質を過不足なく摂取することや、食物繊維の多く摂れる食事を心がけることが大切です。

また、脂質や糖質の多い食品を摂りすぎてしまうと肝臓に脂肪が蓄積する原因となるため、適量の摂取に留めましょう。

毎日の食生活を意識的に改善して、脂肪肝対策に適した食事内容に改めていくことが重要です。

監修者情報

氏名:高橋健太郎(たかはし・けんたろう)
循環器内科医として臨床に関わりながら、心血管疾患のメカニズムを解明するために基礎研究に従事。現在はアメリカで生活習慣病が心血管疾患の発症に及ぼす影響や心血管疾患の新しい治療法の開発に取り組んでいる。国内・海外での学会発表や論文報告は多数。
日本内科学会認定内科医、日本循環器学会所属。