目次
1.痰とは
咳をした際に、喉から口内に粘液状の物質が出てきた経験がある方もいるでしょう。これが「痰」であり、気道粘膜によって作られる気道分泌物です。気道分泌物は免疫物質を含んでいるため、細菌やほこりから体を守る働きを持ちます。
痰にはさまざまなタイプが存在し、色が無色透明なものや黄色いもの、強い粘りがあるものや水のようにサラサラしたものなどがあります。
普段から痰の色や性状を観察しておくと、病気や感染の状態を判断できることもあるでしょう。
「痰が絡んで喉に違和感がある」といった症状は風邪でもよく見られる症状で、みなさんも経験されたことがあるでしょう。
痰は、健康な状態でも常に作られている気道分泌物です。しかし、感染や炎症などが原因で、その量が増えることがあります。
今回は、「痰」の特徴や痰が増える原因を解説するとともに、自分で上手に痰を出す方法を紹介するので、参考にしてください。
目次
咳をした際に、喉から口内に粘液状の物質が出てきた経験がある方もいるでしょう。これが「痰」であり、気道粘膜によって作られる気道分泌物です。気道分泌物は免疫物質を含んでいるため、細菌やほこりから体を守る働きを持ちます。
痰にはさまざまなタイプが存在し、色が無色透明なものや黄色いもの、強い粘りがあるものや水のようにサラサラしたものなどがあります。
普段から痰の色や性状を観察しておくと、病気や感染の状態を判断できることもあるでしょう。
健康な人であっても、一日あたり60~100mlの分泌物が肺や気道から出されていますが、通常は痰を体外へ排出することはほとんどありません。
なぜなら、分泌物のうち咽頭に達するのは10ml程度しかないためです。少量の分泌物は、無意識のうちに飲み込んでしまいます。
痰が増える原因として考えられるのは、おもに次の4つです。
・炎症や感染による分泌物の増加
・気管内の線毛運動の障害
・分泌物の粘り気の変化
・弱い呼吸による気道内の気流の低下
痰が排出されず喉に溜まっていると気道が狭くなり、呼吸がしづらくなったり、息切れが強くなったりします。
うまく痰を出せないと、咳が続いて疲労や不眠の原因となるなど、生活の質に影響するかもしれません。このほかにも、肺に空気が入らなくなる「無気肺」となり、肺の酸素化能が低下する可能性があります。
ここでは、自分で痰を上手に出す方法を紹介するので、以下の流れに沿って実践してみましょう。
1. 横向きに寝て、下側の手を上側の腕で挟むように、脇の下(胸の横)に置きます。
2. 鼻からゆっくりと息を吸い、それ以上吸い込めない状態になったら、口からゆっくりと息を吐き出します。息を吸ったときに胸が横に広がっているか、挟まれている手で確認しましょう。
3. そのままの姿勢で休み、痰が上がってくるのを待ちます。痰が上がってきそうになったら、深呼吸を繰り返しましょう。
4. 横向きに寝たまま、または座って、大きく広げた両手をそれぞれ反対側の脇の下(胸の横)に置きます。大きく息を吸い、両手で体を押さえながら、勢い良く「ハーッ!ハーッ!」と口から息を吐いてください。
5. 大きく息を吸って咳をします。このときも、両手で体を押さえましょう。ただし、力みすぎないよう、咳は3回程度に留めてください。
痰を出す作業は疲れるため、一日に何度も行なったり、連続して行なったりするのではなく、外出前や就寝前など時間を決めて規則的に取り組むのがおすすめです。
気道から分泌される痰は絶えず生産されていますが、私たちは普段無意識のうちに飲み込んでいるため、意識して痰を排出することは少ないです。
しかし、炎症や感染により分泌物が増えたり、分泌物の粘り気が変化したりすると、喉から口内に痰が出てきます。
痰が溜まった状態が続くと、呼吸がしづらくなるなどの不快な症状が起こるため、正しい方法で痰を出すことが大切です。
今回紹介した内容を参考に、定期的な排痰を心がけましょう。
氏名:高橋健太郎(たかはし・けんたろう)
循環器内科医として臨床に関わりながら、心血管疾患のメカニズムを解明するために基礎研究に従事。現在はアメリカで生活習慣病が心血管疾患の発症に及ぼす影響や心血管疾患の新しい治療法の開発に取り組んでいる。国内・海外での学会発表や論文報告は多数。
日本内科学会認定内科医、日本循環器学会所属。
身体に関するお悩み
みなさんは、筋力が衰えたと感じることはありますか? 階段を上るときや普段のちょっとした動作がつらいと感じるときは、筋力が低下している可能性があります。
身体に関するお悩み
過ごしやすい季節には、登山などのレジャーを楽しむ方も多いですが、たとえ夏であっても「低体温症」には気を付けなければいけません。
身体に関するお悩み
喘息と診断されると吸入器を使った治療が始まります。
身体に関するお悩み
「しっかり歯を磨いているつもりだったけど、歯の表面がざらざらしている」「歯医者さんに行ったら、歯石ができていると言われた」という方もいるのではないでしょうか。
身体に関するお悩み
「口内炎ができて痛い」「食べ物や飲み物がしみて食事を楽しめない」といった悩みをお持ちではありませんか。