目次
1.一日に必要なカロリーの計算方法
一日に必要とされるカロリーは、以下の計算式で求められます。
一日に必要な推定エネルギー必要量=基礎代謝量×身体活動レベル
「二重標識水法」と呼ばれる算出方法であり、エネルギー消費量を知るための有効な手段として使われています。
食べたいものも好きなだけ食べたいと思う方も多いでしょう。
しかし、カロリーオーバーは健康を損なう原因にもなるため、一日に必要なカロリー量を知ることが大切です。
そこで今回は、一日に必要な推定エネルギー必要量や算出方法について解説します。
目次
一日に必要とされるカロリーは、以下の計算式で求められます。
一日に必要な推定エネルギー必要量=基礎代謝量×身体活動レベル
「二重標識水法」と呼ばれる算出方法であり、エネルギー消費量を知るための有効な手段として使われています。
ここでは、必要カロリーに影響する要素について解説します。
基礎代謝量とは、朝食をとる前の空腹時に快適な室内などで安静にしている状態の代謝量を指します。基礎代謝量は、次の数式で算出可能です。
基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日)×参照体重(kg)=基礎代謝量
基礎代謝基準値とは、体重1kgにおける基礎代謝量の代表的な値です。参照体重は、年齢に応じた平均的な体重のことを意味しています。
年齢ごとの基礎代謝量は、以下の表を参考にしてください。
<男性の場合>
年齢(歳) | 基礎代謝基準値 (kcal/kg体重/日) |
参照体重 (kg) |
基礎代謝量 (kcal/日) |
---|---|---|---|
18~29 | 23.7 | 64.5 | 1,530 |
30~49 | 22.5 | 68.1 | 1,530 |
50~64 | 21.8 | 68.0 | 1,480 |
65~74 | 21.6 | 65.0 | 1,400 |
75以上 | 21.5 | 59.6 | 1,280 |
<女性の場合>
年齢(歳) | 基礎代謝基準値 (kcal/kg体重/日) |
参照体重 (kg) |
基礎代謝量 (kcal/日) |
---|---|---|---|
18~29 | 22.1 | 50.3 | 1,110 |
30~49 | 21.9 | 53.0 | 1,160 |
50~64 | 20.7 | 53.8 | 1,110 |
65~74 | 20.7 | 52.1 | 1,080 |
75以上 | 20.7 | 48.8 | 1,010 |
参照:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
この表からもわかるとおり、年齢を重ねるたびに男女とも基礎代謝量は低くなる傾向にあります。
加齢の影響により、筋肉といった除脂肪量が低下します。さらに、動いたときのエネルギー代謝量も少なくなるため、一日の総エネルギー消費量も低くなります。
次に身体活動レベルを解説しましょう。
そもそも身体活動とは、安静時よりも多くのエネルギーを消費する活動のことです。
さらに身体活動は、運動と生活活動に分けられます。
運動は、体力維持や向上のために、意図的・計画的に継続して行なう活動のことです。例えば、サッカーやテニスなどのスポーツやジムやフィットネスクラブで行なうトレーニング、散歩などがあります。
生活活動とは、家事や通勤・通学、労働といった日常生活における活動のことです。例えば、通勤や買い物、洗濯を干すことなどがあります。
身体活動レベルは、一日の総エネルギー消費量を一日あたりの基礎代謝量で割ると算出できます。身体活動レベルは以下3つのレベルがあり、それぞれの活動量で異なります。
・レベル1は、生活のほとんどの時間を座って過ごし、活動量が少ない
・レベル2は、座って活動する時間が多いものの、通勤や家事などで生活活動が中心
・レベル3は、移動や立って活動する時間が長く、スポーツなど活発な運動習慣がある
年齢ごとの身体活動レベルは、以下のとおりです。
<男女共通>
年齢 | レベル1 | レベル2 | レベル3 |
---|---|---|---|
18~29 | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
30~49 | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
50~69 | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
70以上 | 1.45 | 1.70 | 1.95 |
参照:厚生労働省 「年齢階級別にみた身体活動レベルの群分け」
身体活動を測定する簡単な方法には、歩数測定があります。どれだけ歩いたか、簡単かつ客観的に身体活動を測れるのが特徴です。
ここでは、年齢と性別ごとに推定されるエネルギー(kcal/日)の必要量について解説します。
<男性の場合>
年齢(歳) | 身体活動レベル1 | 身体活動レベル2 | 身体活動レベル3 |
---|---|---|---|
18~29 | 2,300 | 2,650 | 3,050 |
30~49 | 2,300 | 2,700 | 3,050 |
50~64 | 2,200 | 2,600 | 2,950 |
65~74 | 2,050 | 2,400 | 2,750 |
75以上 | 1,800 | 2,100 | – |
<女性の場合>
年齢(歳) | 身体活動レベル1 | 身体活動レベル2 | 身体活動レベル3 |
---|---|---|---|
18~29 | 1,700 | 2,000 | 2,300 |
30~49 | 1,750 | 2,050 | 2,350 |
50~64 | 1,650 | 1,950 | 2,250 |
65~74 | 1,550 | 1,850 | 2,100 |
75以上 | 1,400 | 1,650 | – |
参照:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
女性の場合、妊娠中や授乳中によって必要なエネルギー量が異なります。
妊娠初期は、通常の推定エネルギー必要量に50をプラスした数値が目安です。妊娠中期は250、妊娠後期は450、授乳婦は350をプラスします。
好きなものを好きなだけ食べる食生活は、カロリーオーバーになりがちです。健康的な体を維持するためには、一日の推定エネルギー必要量を把握してください。
妊娠の有無や日常生活の活動量などによって、推定エネルギー(カロリー)必要量は異なります。
そこで今回紹介した表や計算式を参考に、ご自身に必要なカロリー量を調べましょう。
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。
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