貧血が起きた際の
対処法・予防法について解説

「不規則な食生活を続けていたら、めまいやふらつきを感じるようになった」「ダイエットを始めてから疲れやすくなった」といった悩みをお持ちではありませんか。

これらの症状は、貧血によるものかもしれません。

今回は、貧血のおもな症状と原因、貧血が起きた際の対処法・予防法を解説します。ぜひ参考にしてください。

1.貧血のおもな症状・原因

貧血とは、血液中の赤血球に含まれる「ヘモグロビン」の濃度が低くなった状態のことです。ここでは、貧血にともなうおもな症状や、一般的な貧血の原因を見てみましょう。

1-1.おもな症状

貧血になると、息切れの症状が多く見られるとされています。また、以下のような症状も、貧血にともなうものです。

  • ・めまい

  • ・ふらつき

  • ・動悸

  • ・頭痛

  • ・倦怠感

  • ・耳鳴り

  • ・吐き気

  • ・顔色が悪い

  • ・疲れやすい・疲れがとれにくい

人によっては、胸の痛みや食欲不振などの症状が見られることもあるでしょう。ただし、これらの症状が見られるかどうかは、年齢や性別、貧血の原因や健康状態などによって異なります。

1-2.おもな原因

貧血はいくつかの種類があり、なかでも最も多いのが、鉄分が不足することによる貧血です。この貧血は、偏った食事・無理なダイエットによる鉄不足や消化器からの持続的出血、その他の栄養不足によって引き起こされます。

また、感染症や自己免疫が関与する病気などの慢性炎症性疾患による貧血もあります。慢性炎症性疾患により体の状態が悪いと、十分に鉄があっても血液を作りにくくなってしまいます。

一方、健康な人でも、急に激しい運動をしたり、高強度のトレーニングを続けたりすると「運動性貧血」になる可能性があります。運動性貧血は、筋肉の鉄需要が増加することや、体にかかる衝撃で赤血球が破壊されることなどが要因となって起こります。

その他、加齢による赤血球産生能の低下も、貧血の原因の一つです。

2.貧血が起きた際の対処法

貧血でふらつく場合や、めまいや頭痛などがする場合などは、その場にしゃがむことが大切です。体調が良くなるまで体を休めてください。

また、「食生活が乱れている」などの原因に心当たりがない場合は、医療機関を受診しましょう。

3.貧血を予防するためにできること

先述のとおり、貧血は、鉄をはじめとする栄養が不足することで起こります。したがって、貧血を予防するには、一日3回(朝・昼・晩)しっかりと食事を摂ることが大切です。

食事内容を考える際には、鉄やタンパク質を多く含む食品を意識しましょう。鉄を多く含む食品にはほうれん草や小松菜、ひじき、タンパク質を多く含む食品には、肉類や魚介類、卵、大豆製品などが挙げられます。

また、鉄は体に吸収されにくい栄養素のため、食事の量が少ないと十分な量の鉄を吸収できません。運動不足によりお腹が空きにくい方は、運動習慣を身に付けましょう。適度な運動は、鉄の吸収を高めて赤血球の生産を活発にする効果があります。

これらの食事・運動の工夫とともに、睡眠時間もしっかりと確保しましょう。

貧血の原因や症状によって適切に対処・予防しましょう

貧血で最も多いのが、偏った食事などが原因で起こる、鉄分が不足することによる貧血です。

鉄分が不足することによる貧血を予防するために、規則正しく栄養バランスの取れた食生活を心がけましょう。運動習慣や睡眠時間も併せて見直すと、より効果的です。

ふらつきやめまいなどの症状が出た場合は、その場でしゃがんで体を休めてください。必要に応じて医師に相談しましょう。

監修者情報

氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医