1.しらすに含まれるカルシウム量
しらすは「生」「半乾燥品」「微乾燥品」「釜揚げしらす」など、さまざまな加工方法で販売されています。加工方法別に、それぞれのカルシウム量を見ていきましょう。
しらすの加工方法 |
100gあたりのカルシウムの量 |
生 |
210mg |
半乾燥品 |
520mg |
微乾燥品 |
280g |
釜揚げしらす |
190mg |
参照:文部科学省「食品成分データベース」
上表のとおり、最もカルシウム量が多いのは、100gあたり520mgのカルシウムが含まれる半乾燥品のしらすで、最も少ないのは釜揚げしらすです。
このように、しらすに含まれるカルシウムの量は加工方法で大きく異なります。
2.しらすの豊富な栄養素とその働き
しらすには、カルシウム以外の栄養素も含まれています。どのような栄養素が含まれ、それぞれどういった働きをしているのか見ていきましょう。
2-1.ビタミンD
ビタミンDは、カルシウムとリンの小腸での吸収を促進する働きがある栄養素です。血液中に含まれるカルシウム濃度を一定にし、筋肉収縮や神経伝達をスムーズにします。
しらすに含まれるビタミンDの量は、以下のとおりです。
しらすの加工方法 |
100gあたりのビタミンDの量 |
生 |
6.7μg |
半乾燥品 |
61.0μg |
微乾燥品 |
12.0μg |
釜揚げしらす |
4.2μg |
参照:文部科学省「食品成分データベース」
2-2.ビタミンB12
ビタミンB12は、タンパク質やDNAに必要な核酸の合成、赤血球の成長、アミノ酸の代謝に関与している成分です。
しらすに含まれるビタミンB12の量は、それぞれ以下のとおりです。
しらすの加工方法 |
100gあたりのビタミンB12の量 |
生 |
4.2μg |
半乾燥品 |
6.3μg |
微乾燥品 |
3.2μg |
釜揚げしらす |
1.5μg |
参照:文部科学省「食品成分データベース」
日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、一日に必要なビタミンB12の量は18歳以上の男女で2.0μgとされています。このことから、しらすには十分な量のビタミンB12が含まれていることがわかるでしょう。
2-3.タンパク質
タンパク質は、筋肉や臓器をつくるうえで必要な栄養素です。摂取したタンパク質は一度アミノ酸に分解され、再び必要なタンパク質へと形を変えます。
しらすには、以下の量のタンパク質が含まれています。
しらすの加工方法 |
100gあたりのタンパク質の量 |
生 |
15.0g |
半乾燥品 |
40.5g |
微乾燥品 |
24.5g |
釜揚げしらす |
17.6g |
参照:文部科学省「食品成分データベース」
2-4.EPA・DHA
しらすは、EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)を、豊富に含む食品です。EPAとDHAには、血液をサラサラにしたり、体を若々しく保ったりする効果が期待できます。
しらすに含まれるEPA・DHAの量は、以下のとおりです。
しらすの加工方法 |
100gあたりのEPAの量 |
100gあたりのDHAの量 |
生 |
90.0mg |
250mg |
半乾燥品 |
200mg |
570mg |
微乾燥品 |
150mg |
340mg |
釜揚げしらす |
120mg |
320mg |
参照:文部科学省「食品成分データベース」
3.カルシウムが豊富なしらすを使ったおすすめレシピ
それでは、カルシウムが豊富なしらすがたくさん摂れる、おすすめのレシピを紹介します。
3-1.しらすとねぎのピザ
まず紹介するのは、包丁を使わずに簡単につくれるピザのレシピです。ビールやハイボールとともに、楽しんではいかがでしょうか。
【材料】1枚分
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・ピザクラフト 1枚
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・しらす 20g
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・刻みねぎ 20g
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・シュレッドチーズ 40g
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・オリーブ油 小さじ1
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・しょうゆ 小さじ1/4
【作り方】
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1. 小さじ1/4のオリーブ油としょうゆを混ぜ合わせます。
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2. 1をピザクラフトに塗り、その上から全体にシュレッドチーズを広げます。
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3. さらにその上にしらすと刻みねぎを広げ、残りのオリーブ油を全体に回しかけます。
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4. オーブントースターに3を入れ、焼き色が付くまで焼いたら完成です。
3-2.菜の花としらすのガーリック炒め
次に紹介するのは、もう一品欲しいときにも便利な菜の花としらすの炒めものです。菜の花を色鮮やかに仕上げるには、下ゆでしてから炒めることが大切です。
【材料】2人分
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・菜の花 1束
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・にんにく 1/2片
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・しらす 30g
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・バター 10g
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・サラダ油 小さじ1
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・塩 適量
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・こしょう 適量
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・しょうゆ 適量
【作り方】
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1. 菜の花は根元部分を切り落とし、塩を入れたお湯でゆでたら、ザルにあげます。にんにくはみじん切りにします。
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2. バターとサラダ油をフライパンに熱し、弱火で1のにんにくを炒めます。
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3. 香りが立ってきたら、菜の花を入れて全体に油がなじむまで炒め、しらすを入れてさらに炒めます。
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4. 仕上げに、塩・こしょう・しょうゆで味を調えたら完成です。
しらすでカルシウム補給をしましょう
しらすはカルシウムのほか、ビタミンDやビタミンB12、EPA・DHAなどを多く含む食品です。カルシウムとビタミンDは骨の形成に必要なため、骨の健康が気になる方にしらすはぴったりだといえます。
基本的にしらすは、生のものより半乾燥品のほうが栄養素を多く含んでいます。栄養をたくさん摂ることを重視したい方は、半乾燥品を選んでみてください。塩分量にも注意しつつ、しらすを積極的に摂取して、すこやかな体を目指していきましょう。
監修者情報
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。