目次
1.アデノイド(扁桃肥大)とは?
アデノイド(扁桃肥大)とは、扁桃腺(口蓋扁桃)が大きい状態のことです。扁桃腺は、鼻と耳をつなぐ耳管の開口部にあります。
扁桃腺の成長には個人差がありますが、5~9歳頃に最も大きくなり、そのあとは小さくなっていくのが一般的です。
扁桃腺は、外から侵入した異物やウイルス・細菌などに対し、抗体を作って免疫反応を行なう働きを担っています。
「いびきがうるさい」「いつも口が開いている」「よく中耳炎になる」といった症状に、心あたりはないでしょうか?
これらは、アデノイド(扁桃肥大)が引き金になっている可能性のある症状です。アデノイドは、体に害をおよぼす場合もあれば、そのまま放っておいても良い場合もあります。そのため、受診すべきかどうかの判断材料として、正しい知識を持っておきましょう。
今回は、アデノイドとは何か、体におよぼす悪影響、治療の有無について解説します。
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アデノイド(扁桃肥大)とは、扁桃腺(口蓋扁桃)が大きい状態のことです。扁桃腺は、鼻と耳をつなぐ耳管の開口部にあります。
扁桃腺の成長には個人差がありますが、5~9歳頃に最も大きくなり、そのあとは小さくなっていくのが一般的です。
扁桃腺は、外から侵入した異物やウイルス・細菌などに対し、抗体を作って免疫反応を行なう働きを担っています。
鼻腔の奥にある扁桃腺が大きくなる(アデノイド)と、鼻が詰まって口呼吸やいびきの原因になります。子どもであっても、大人のようないびきをかくこともあるのです。
日常的にいびきをかいていて、突然鼻が詰まったかのように呼吸が数秒間止まる症状が見られる場合は注意しましょう。このような症状が見られる場合は、アデノイドの切除手術が必要になる可能性があります。
また、大人になって扁桃腺が大きいままの場合も、いびきや睡眠時における無呼吸の原因となる場合があります。睡眠時に無呼吸になると眠りが浅くなり、日中の強い眠気や高血圧の原因にもなります。
アデノイドに炎症が起こると扁桃腺はさらに大きくなり、周囲が赤くなって患部に膿がたまることがありますが、このような炎症を繰り返す場合は治療を検討したほうがよいでしょう。
さらに、アデノイドが影響をおよぼすのは、鼻やのどだけではありません。アデノイドが耳管の開口部を塞げば、耳の炎症を引き起こすこともあります。
このように、アデノイドは顔周辺のさまざまな器官に悪影響をおよぼしてしまうのです。
上記のような症状が見られる場合、治療が必要か悩むこともあるでしょう。そこで次章では、アデノイドの治療の必要性を説明していきます。
扁桃腺の大きさが気になっていたとしても、いびきや睡眠時無呼吸症候群などの呼吸障害、または炎症などが見られなければ、治療の必要性はありません。
ただし、次のような状態が見られる場合は、アデノイドの治療が必要です。
・アデノイドが睡眠時無呼吸の原因になっているとき
・アデノイドの周辺が赤く炎症を起こしているとき
・アデノイドを押すと膿が出るとき
・アデノイドの炎症とともに発熱・頭痛があるとき
このような症状が繰り返し見られる、他の体の部位も障害を起こしている、呼吸に障害が出ているというような場合には、手術でアデノイドを切除する必要が出てきます。
アデノイドの炎症を慢性化させないためには、ポピドンヨードなどを使ったうがいが効果的です。症状が気になるときには、耳鼻咽喉科のある医療機関を受診することをおすすめします。
アデノイド(扁桃肥大)は、扁桃腺が大きくなった状態です。アデノイドが鼻と耳とをつなぐ耳管を圧迫すると、呼吸障害を起こしたり、炎症を起こして体に悪影響を与えたりする場合があります。
いびきや睡眠時無呼吸の原因になったり、睡眠不足や高血圧をもたらしたりする場合もあります。
呼吸障害や炎症などが現れない場合は、年齢に関係なく治療の必要はありませんが、体への影響が大きければ、アデノイドの切除手術や摘出手術が必要なケースもあります。
症状に悩まされている場合は、一度耳鼻咽喉科を受診して、適切な治療を受けるとよいでしょう。
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。
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