疲れやすい女性がとるべき対策や原因について解説

「近頃疲れやすい」「寝ているつもりなのに、なぜだか体がずっと重い」といったお悩みをおもちではありませんか?女性が疲れやすくなる原因としては、さまざまなものが挙げられます。

ここでは、疲れのおもな原因や日常でできる対策方法を見ていきましょう。

1.疲れのおもな原因とは?

疲れがたまる原因は一つではありません。体や心の病気が隠れていたり、自律神経の働きが悪くなっていたりする可能性があります。

また、抗アレルギー薬や向精神薬、抗凝固薬などは、副作用で疲労感が出る可能性のある薬です。該当の薬を飲まれている方で疲れが取れない方は、医師や薬剤師に相談してみるのもよいでしょう。

1-1.体の病気によるもの

何かしらの病気が原因で疲れやすくなっていることがあります。疲れが出ることのある病気としては、次のものが代表的です。

  • • 貧血

  • • 糖尿病

  • • 甲状腺疾患

貧血は体内の鉄が減少することを発端に、全身に行きわたるはずの酸素を運ぶ能力が下がることから易疲労感を招くものです。特に女性は生理や妊娠といったイベントがあるため、男性よりも多くの鉄が必要になります。授乳中も栄養バランスに気をつけなければなりません。

糖尿病は、インスリンが十分に働かないために血糖値が高くなる病気です。のどが乾きやすくなったり疲れやすくなったりなどの症状が現れます。

1-2.心の病気によるもの

疲れやすさは、体だけでなく心の病気も原因となっている場合があります。

心の病気になると、疲れやすくなることに加えて、何をしても楽しめなかったり眠れなかったりといった症状が現れます。

100人に約6人が心の病気を抱えているとのデータがあり、なかでも女性は男性に比べてやや罹患率が高い傾向にあるようです。これには、妊娠・出産・更年期などのライフステージが関与していると考えられています。

1-3.自律神経の不調によるもの

自律神経とは、交感神経と副交感神経のことです。交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、疲れがすっきり取れず眠れなくなるなど、さまざまな症状が現れます。これらの症状を自律神経失調症と呼びます。

1-4.更年期症状によるもの

更年期障害も疲れやすくなる原因の一つです。閉経する前後の約5年ずつ合計10年ほどの期間に、女性ホルモンの減少などが原因で起こる不調を更年期症状といい、そのうち生活に支障が出るほどの症状を呈する不調が更年期障害と呼ばれます。

45~55歳頃の方で日頃から疲れやすさを感じる方は、更年期症状を疑ってみても良いかもしれません。日常生活に支障をきたすこともあるため、症状がつらい方は早めに婦人科で相談してみてください。

2.疲れやすい女性がとるべき対策方法

「疲れやすいのはしっかり休めてないからだ」と諦めている方も多いのではないでしょうか。疲れを感じている方は、対策をしましょう。特別なことをする必要はなく、栄養バランスに気をつけたり規則正しい生活を心がけたりすることが大切です。

2-1.栄養バランスの良い食事をとる

貧血による疲れを予防するためにも、バランスの良い食事を心がけましょう。鉄不足による貧血の予防には、ほうれん草などの緑黄色野菜、赤身の肉や魚がおすすめです。鉄の吸収を高めるビタミンCを含む果物も一緒に摂ってみてください。

また、赤血球を作るためには葉酸やビタミンB12も必要です。葉酸はアスパラガスや納豆、ブロッコリー、ビタミンB12は魚介類やチーズに多く含まれているので、こちらも意識して摂るようにしましょう。

2-2.ストレスをためない

ストレスは、精神的な疲労を引き起こす原因です。物事を楽しめなくなったり疲れが取れなくなったりしている方は、精神的な疲労が蓄積しているのかもしれません。

まずは、しっかりと体を休めてストレスを溜め込まないようにすることが大切です。しばらくストレスから離れた環境で過ごしてみて、それでも改善しないようであれば、医療機関を受診し治療を受けることも検討するとよいでしょう。

2-3.規則正しい生活をする

自律神経のバランスを保つために、睡眠サイクルを整えるなど規則正しい生活をするようにしましょう。十分に体を休めることも大切です。

2-4.疲れが続く場合は医療機関を受診する

たかが疲れと思ってはいけません。疲れやすい体の裏には、重大な病気が潜んでいる可能性もあるのです。貧血や糖尿病、ホルモン異常などの影響で疲れやすくなっている可能性があります。一時的な疲れではなく、持続した疲れがある場合は、念のため早めに医療機関を受診して診てもらいましょう。

疲れやすい女性は疲れを溜め込まない生活を心がけよう

疲れやすい原因はさまざまあります。

身体的な病気から疲れやすいケースで代表的なものは貧血です。特に女性は生理があるため、鉄が欠乏して疲れを感じやすいものです。貧血のほかに、糖尿病や甲状腺疾患などでも疲れを感じることがあります。

その他に、自律神経バランスの乱れも疲れを感じやすくなる原因です。栄養バランスの良い食事を心がけたり、ストレスをためないようにしたりすることで疲れにくい体を手に入れましょう。

疲れが長く続く場合は、無理して体を動かそうとせずに医療機関を受診して原因を探ってもらうことも大切です。

監修者情報

氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医