1.健康的な体づくりのための食事メニューの組み方
健康的な体をつくるためには、まず栄養素について知ることが大切です。さまざまな研究から、体の健康を保つためには、すべての栄養素をバランス良く摂取することが重要であると明らかになっています。
すべての栄養素をバランス良く摂取するには、栄養バランスが整っている食事を、決まった時間に必要な量だけ摂ることが基本です。各栄養素のはたらきが複雑に関わることで健康を維持しているため、好き嫌いなどで摂る栄養素が偏ると、せっかく取り入れた栄養素がうまく機能しないこともあります。
献立を立てる際に大切なポイントは、以下の3つの要素を毎回の食事に摂り入れることです。
また、調理に工夫を凝らすことも大切です。食材は家族の年齢などに応じた切り方にしたり、旬の食材を取り入れたり、香りの良い食品を薬味として使ったりと、偏らずいろいろな味のバリエーションがある献立にするとよいでしょう。
さらに食べるときは、しっかり咀嚼して食べるようにしましょう。咀嚼を多めにすることで食べ過ぎを防ぐこともできます。さらに、食塩を摂り過ぎないようにし、薄味に慣れるとよいでしょう。
また、加工料理は忙しいときに役立ちますが、加工の過程で栄養分が消失する場合もあります。どのような加工がなされているかを確認し、適度な量にとどめ賢く使うようにしてください。
2.健康な体づくりのためにおすすめしたいレシピ
ここでは、健康な体づくりのためにおすすめしたいレシピを紹介します。ぜひ試してみてください。
2-1.たっぷり野菜のビビンバ
【材料】2人分
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・牛こま切れ肉 200g
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・豆もやし 200g
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・青ねぎ 2本
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・にんじん 50g
【A】
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・しょうゆ 小さじ1/2
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・ごま油 小さじ1
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・鶏ガラスープの素 小さじ1/2
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・白すりごま 適量
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・塩 適量
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・ご飯 丼2杯分
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・サラダ油 大さじ1
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・焼き肉のタレ 適量
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・温泉卵 2個
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・コチュジャン 適量
【作り方】
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1. 牛こま切れ肉が大きい場合、食べやすい大きさに切ります。
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2. 豆もやしは水でよく洗います。青ねぎは長さ4cmに切り、にんじんは細切りにします。
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3. 耐熱容器に2を広げ、ラップをかけて600Wの電子レンジで4~5分加熱します。粗熱が取れたら水分を軽く絞り、【A】の調味料を加えて混ぜます。
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4. フライパンにサラダ油をしき、1の牛こま切れ肉を炒めます。火が通ったら焼き肉のタレで味をつけます。
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5. 器にご飯をよそい、3、4、温泉卵、コチュジャンを載せて完成です。
レシピで紹介した野菜のほかに、ピーマンやほうれん草、小松菜を使うのもおすすめです。
2-2.ひじきと大豆の簡単煮
【材料】2人分
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・ひじき 15g
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・水煮大豆 70g
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・にんじん 4cm
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・油揚げ 1/2枚
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・サラダ油 大さじ1
【A】
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・水 300mL
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・麺つゆ(3倍濃縮) 50cc
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・しょうゆ 大さじ1
【作り方】
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1. ひじきは10分ほど水で戻し、さっと洗い水気を切ります。
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2. にんじんは長さ2cmの細切りにし、油揚げは食べやすい大きさに切ります。
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3. 鍋にサラダ油を熱し、1、2を炒めます。全体に油がなじんだら【A】を加えます。煮立ったら中火~弱火にして15分間煮て完成です。
残ったひじきの煮物は、冷凍保存することが可能です。
2-3.生ハムとフルーツのサラダ ~ビーフィーター風味~
【材料】2人分
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・生ハム 50g
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・好みのフルーツ2~3種※ 200g
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・ビーフィーター(ジン) 大さじ2
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・果汁100%オレンジジュース 大さじ2
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・はちみつ 小さじ1/2
※本レシピにて使用したフルーツ
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・いちご 大2粒
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・キウイ 1/2個
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・いよかん 5房
【作り方】
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1. いちごは縦に4等分し、キウイは皮をむいて食べやすい大きさに乱切りにします。いよかんは薄皮までむいて、1房を半分に割ります。
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2. ボウルにビーフィーター、オレンジジュース、はちみつを入れて混ぜ、はちみつを溶かしていきます。
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3. 2のボウルに1のフルーツを加えてさっと混ぜ、1時間~一晩ほど冷蔵庫で寝かせて漬けこみます。
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4. 3を器に盛り、食べやすい大きさに切った生ハムを載せて完成です。
フルーツに甘味がある場合は、はちみつの量を調整しましょう。
3.食事だけでなく身体活動&運動習慣も一緒に
最近ではだんだんと歩く機会が減りつつあります。国内における歩数の統計では、この10年間で1,000歩ほど減少しており、この結果は健康の維持のためには懸念材料です。
身体活動や運動分野の目標を達成するために、厚生労働省が「健康づくりのための身体活動基準2013」を発表しています。ここでは、運動習慣のある方を増やすことや、地域や自治体として運動しやすい環境やまちづくりに積極的に取り組むことなどの目標が設けられています。
個人にとって達成すべき身体活動、運動の基準は以下のとおりです。
また、さまざまな筋肉を伸ばす運動であるストレッチも怪我や腰痛、肩こりなどを予防できるため有用です。場所や時間を選ばずにできる運動なので、空いた時間に行なうようにしましょう。
基本的なストレッチのやり方は、引き伸ばす筋肉の部位に意識を向け、痛みを自覚しない程度に筋肉を伸ばします。一つの動作は10~20秒間かけて行ないましょう。筋肉を伸ばす際は、反動をつけずにゆっくりと伸ばし、息は止めずに自然な呼吸で行なうことがポイントです。
さらに、健康を保つには適正体重をキープすることも大切です。適正体重は「身長(m)×身長(m)× 22」で求めることができます。例えば身長170cmの方であれば、1.7×1.7×22=63.58kgが適正体重となります。
健康的な体づくりには「食事」と「運動」が必要
健康的な体づくりには、すべての栄養素をバランス良く摂取し、定期的に運動するなどして適正体重を維持することが欠かせません。
献立を立てる際は、主食・主菜・副菜の組み合わせを基本に、エネルギーになるもの、体をつくるもの、体の調子を整えるものの3つの要素を取り入れることがポイントです。
食事を楽しみながら食生活を見直し、適度な運動により適正体重を維持するようにしましょう。
監修者情報
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。