ごまの渡来が育んだ精進料理の伝統

日本でごまが食べられるようになった時期には諸説があります。一説には縄文時代ともいわれますし、別の説では仏教伝来と同時ともいわれます。

いずれにしても、原産地はアフリカといいますから、気が遠くなるほどの長い旅を経て日本へ渡来し、さらに1000年以上の長い歴史の中で、風土に合った育て方や食べ方が工夫され、やがて日本の伝統的な食文化として融合されたのでしょう。

代表的なごまの食文化というと、やはり今回ご紹介している精進料理があげられます。お肉や魚を食べず、日々の修行に励む禅僧のみなさんにとって、ごまはもっとも大切な養生食のひとつです。

永平寺の開祖・道元禅師が、『食事は心身を養う薬であると知りなさい』と説いて以来、760年間にわたって、毎日欠かさず、朝食にごまを使っていることからも、いかに健康によい食材であるか、当時より経験知として認識されていたものと考えられます。

気が遠くなるほどの長い旅を経て日本へと伝わった、ごまの食習慣。その昔、海を渡って伝来した仏教との縁を感じさせる。

ごまがなぜ体によいのか近年までわからなかった

それほど昔から養生食として珍重されたごまも、なぜ体によいのかとなると、じつは約30年前まで、詳しいことはわかっていませんでした。

そのため、サントリーがごまの研究を行なうまで、小さなごま粒の、さらに1%未満しか含まれていない稀少成分に、驚くほど優れた力があるということを、誰も発見できなかったのです。その稀少成分の名を、セサミンといいます。

養生食として長い間、珍重されてきたごまの料理。少しでもその栄養を摂り入れようと、調理にも数々の工夫がなされている。

ごま油はどうして他の油より酸化しにくいのか

サントリーがごまの研究を始めたのは、体によい食用油脂の働きについて調べていたのがきっかけ。「ごま油は他の油に比べてとても酸化しにくい」という事実をヒントに、初めてその働きを解明したのです。ごまの稀少成分であるセサミンは、私たちの若々しさを保つために、極めて重要な力を発揮します。また、麦や大豆に含まれているビタミンEと併せて摂ることで、その働きはより効果的になります。ごま・麦・大豆。精進料理でもとくに大切にされるこの食材の組み合わせは、セサミン、ビタミンE、トコトリエノールを組み合わせたセサミンEXと、多く共通する働きがあります。