精進料理といえば、ごま豆腐を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。ごまは、大豆や麦と並んで、精進料理になくてはならない食材。 薄味の料理にコクと香りを添え、菜食に不足しがちな栄養素を補う、大切な役割を果たします。 三好典座も、朝のお粥にごま塩を添えるほか、さまざまな料理にごまを生かしていらっしゃいます。

朝のごま塩は760年もの間食べ継がれてきました

永平寺の朝食は、お粥とお漬物と、たっぷりのごま塩。道元禅師が永平寺を開いた760年前からずっと変わっていません。
これだけ食べ続けられてきたのは、粗食に耐えるというよりも、おいしくて毎日食べても飽きず、しかも健康によいということのあらわれかもしれません。

〔根菜のごま粕汁〕
たんぱく質やビタミンB群が豊富な酒粕は、美容面でも注目されている食材。
根菜のごま粕汁

菜食の精進料理に不足しがちな 栄養素をごまが補っています

お肉や魚を食べない精進料理は、栄養面からみると、たんぱく質や脂質が不足しがち。それを補っているのが、ごまや大豆です。とくにごまは、炒ってから、よくすりつぶして使うのがよいといわれています。「粒のままでは消化に悪いし、炒ったほうが香りもいいですから」三好典座もそうおっしゃっていました。たしかにごまは、殻が硬いので、粒のままでは、栄養がなかなか吸収されません。

ほかにも切りごまに練りごま、そして黒ごまに白ごまと、三好典座は料理に応じてごまを使いこなしていらっしゃいます。何百年もの間、修行僧たちの健康を支えてきたごま。日々の食生活にぜひ取り入れたいものです。

三好典座に、ごまを使った精進料理をいくつか教えていただきました。 写真でご紹介しているのは、その一部です。

  • かぼちゃのごままぶし
    〔かぼちゃのごままぶし〕
    蒸したかぼちゃに、すりごま・きな粉・
    砂糖をまぶして。
  • さつま芋と干しぶどうの白和え
    〔さつま芋と干しぶどうの白和え〕
    食物繊維がたっぷりとれる一品。
  • ひじきと大豆の煮物
    〔ひじきと大豆の煮物〕
    前貫首の宮崎禅師が好まれていた。大豆
    はお肉に代わるたんぱく源。
  • ふろふき大根のごま味噌かけ
    〔ふろふき大根のごま味噌かけ〕
    旬を重んじる永平寺では、同じ食材でも
    味や調理法で食べ飽きない工夫を。
  • 焼餅の豆乳汁
    〔焼餅の豆乳汁〕
    根菜ときのこがたっぷり入っている。
    体が芯から温まる一品。
  • たけのこの木の芽和え
    〔たけのこの木の芽和え〕
    春の食材ならではの苦みが、冬から目覚
    めた体を律する。
  • しいたけときゅうりのあいまぜ
    〔しいたけときゅうりのあいまぜ〕
    酢・砂糖・淡口醤油に、たっぷりのすり
    ごまを。
  • 大根の皮のきんぴら
    〔大根の皮のきんぴら〕
    ふろふき大根で厚くむいた皮は、ごま油
    で炒めてきんぴらに。
  • ごま豆腐の揚げだし
    〔ごま豆腐の揚げだし〕
    ほかにも湯豆腐や野菜あんかけなど、
    ごま豆腐の食べ方もいろいろ。