
飽食の時代と呼ばれる現代の日本では、食の欧米化による肉食やカロリーの高い食事の影響で、偏った食生活になりがちです。 食糧難だった時代とは違い、こうした「現代型栄養失調」はいまや社会問題にもなっています。 いつでも好きなものが食べられるようになった反面、土壌や品質の改良にともなって野菜などの食材の栄養価自体が減ってしまい、 ただ食べるだけではなく、いかに効率よく栄養を摂取するかも課題のひとつになっています。 ここでは、私たちの健康に欠かせない栄養素のなかでもビタミンに的を絞って、乳酸菌との関係を探ります。


なぜビタミンが必要なの?

まずは、ビタミンとは何なのか、私たちがなぜ必要とするのかについてお伝えします。ビタミンが不足すると、どんよりしたり、なんとなく食欲がわかなかったりと、さまざまな不調が起こりやすくなります。 健康で美しくありつづけるために、大切な存在です。 食欲不振やだるさなど、体の不調を感じやすい方は、ビタミンB1、ビタミンB12、葉酸、ビタミンKなどが不足している可能性があります。 一方、美容のトラブルが気になる方は、ビタミンB2、B6、ビオチン(ビタミンH)などが足りないのかもしれません。 このように、ビタミンが体に与える影響はとても大きいことがわかります。
乳酸菌とビタミンの関係とは?

さて、そんなビタミンは乳酸菌と一体どのような関係にあるのでしょうか。 乳酸菌はビタミンCをエサとして、ビタミンB群や葉酸、ビオチンなどを合成します。なかでもビフィズス菌は、とくにビタミンB2・B6、ビタミンKを合成することで知られています。 食事だけで十分に補えない場合でも、乳酸菌のビタミン合成のおかげで、 健やかに過ごすことができるでしょう。 とはいえ、乳酸菌のビタミン合成だけで体が必要とするビタミンをすべて満たせるわけではありません。 野菜や果物をバランス良くとりながら、乳酸菌を摂取しましょう。 レバー類、うなぎ、豚肉、かつお、さんま、ほうれん草、ブロッコリー、ピーマン、菜の花、バナナなどの食品には、体が必要とするビタミンが多く含まれています。 現代型栄養失調やビタミンの壊れやすい生活習慣などによって、私たちの体はビタミンが不足しがちです。 乳酸菌のビタミン合成を活用し、効率よくビタミンをとる習慣を心がけましょう。
効率よくビタミンをとろう

ビタミンの特徴といえば、その壊れやすさです。種類によって特徴が異なり、それぞれの弱点も異なります。 調理方法によっては食品中に含まれるビタミンの多くが壊れてしまうこともあります。 調理のポイントとしては、ビタミンCやビタミンB群、葉酸、ビオチンは水に溶けやすいため、水にさらしたり、ゆでたりする時間を極力おさえましょう。 また、熱にも弱いため、できるだけ生で食べたり、炒めものはさっと仕上げたりするなどの注意が必要です。 一方、ビタミンKは油に溶けやすい性質をもち、油と一緒にとることで吸収されやすくなります。
乳酸菌とビタミンまとめ
現代型栄養失調や野菜の栄養価の減少などによって、不足しがちなビタミンですが、だからこそ乳酸菌のビタミン合成を役立てて体を健やかに保ちたいものですね。 さらに、バランスのよい食事を意識したり、ビタミンの特徴や性質を理解したうえで調理をしたりすることで、より効率よくビタミンをとることができるでしょう。
その他『乳酸菌』の情報
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乳酸菌の概要
私たちの体にすむ乳酸菌は、健康な毎日をサポートする大切な存在です。
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乳酸菌の種類
乳酸菌は、特定の菌種を指すものではなく、腸内で糖を分解して大量の乳酸をつくりだす菌の総称です。
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乳酸菌のサプリメント
現代人の生活は偏りがち。そこでおすすめなのが、私たちの健やかな毎日をサポートする乳酸菌です。
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乳酸菌の歴史
乳酸菌の発見や研究の過程を知ることで、乳酸菌についてさらに理解を深めることができるでしょう。
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