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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

「コミュニケーション活性化」を目指す健康経営の施策とは株式会社ティー・アイ・シーにインタビュー

健康経営の基盤は「メンタルヘルス」

ーー本日はよろしくお願いします。まずは御社について教えてください。

栗原さん:当社は、1972年創業ということで今年の1月でちょうど50周年になります。

創業当初は、アウトソーシング事業が中心でしたが、情報化技術の変化と共に、現在のソフトウェア開発へと業態転換し、官公庁や市町村の案件のシステム開発を中心に行なっておりました。

今はヘルスケアや医療関連、流通業において、企業間で受発注や契約書の取り交わしをデータで行なうためのシステム開発、いわゆるEDI事業を展開しております。

また、今後は金融事業領域のシステム開発、電子マネーや自動車の自動運転技術など、今後新たな事業領域に参画していくことを考えております。

ーー健康経営優良法人の認定取得を目指したきっかけを教えてください。

栗原さん:3〜4年ほど前から、社員のメンタルヘルスの不調に心配が出てくるような状況でした。おかげさまで、事業が好調に伸びる反面、社員の負担も大きくなっているように感じていました。

当社は労働集約型の事業ですので、そういった状況のなかでも、生産性を上げていかなければならず、社員の健康状態の改善に取り組み始めたという背景があります。

健康経営に取り組む前の段階で、働き方改革として休暇取得の促進や残業の抑制、福利厚生の充実をすすめていましたので、健康経営優良法人の認定制度がちょうど良いタイミングで「すぐに取得しよう」となりました。

ーー実際に社員の健康状態について改善が必要だと感じたことはありますか?

飯田さん:先ほどの栗原さんからのとおり、メンタル不調者が多いということがまず一つ挙げられます。5年ほど前は退職者も多く出ていました。

メンタルヘルスに結びつくところがあると思うのですが、社員の運動不足も気になっていましたね。
健康保険組合のアンケート調査でも、当社の社員は平均より運動回数が少ないという結果が出てしまいました。

運動不足が影響していると思うのですが、血中の脂質とかコレステロール値、肝機能についても、あまり良くない結果でしたね。
当社の社員の年齢は平均年齢が33歳と比較的若い世代が多いのですが、それでも運動不足からくる不調が顕著でしたので……。
健康経営の施策を通して改善できたらと思って取り組みを始めました。

「ウォーキング大会」でコミュニケーションの活性化と運動不足の解消に

ーーそれでは、健康経営の具体的な施策について詳しくお伺いできますでしょうか?

飯田さん:5年ほど前から徐々にワークライフバランス観点から「みんなが働きやすい職場をつくろう」という取り組みをしており、健康経営はその延長上だと思っています。

まずは、みんなが働きやすい職場にするために何が必要なのかを考えるため、メンタルヘルスのストレスチェックや従業員満足度調査から始めました。

社員の心の健康状態を踏まえて、どのような施策が必要なのかを考え、会社の場づくり、雰囲気づくりを中心に行なってきました。
徐々に社内のコミュニケーションの活性化が見られ、次のステップとして健康経営の施策である「ウォーキング大会」をスタートしました。年に2回実施しています。

1カ月間の大会期間中に1グループ5人〜6人のグループを作って歩数を競うような大会ですが、運動不足の解消とグループでのコミュニケーションの両面で役立っています。

その他、健康経営の施策としては年に5回の健康セミナーを実施しています。
対面とオンラインで実施していて、社員が参加したいものを選べるような形ですね。

メタボ対策の食生活についての栄養士さんを講師に迎えたセミナーや、デスクでできる簡単なストレッチ、軽い運動を教えてくれるようなセミナーです。

去年好評だったのが女性対象の女性ホルモンのセミナーですね。全女性社員を対象として、それに加えて男性管理職にも参加してもらいました。

女性社員自身にとっても自分にかかわる変化について詳しく知らなかった知識を得ることができたこと、なかなか男性に理解できない体の不調について男性にも講義してもらえたことがよかったという感想を耳にしました。

ーー健康経営に取り組まれるなかで難しく感じた点はありますか?

飯田さん:上長が栗原さんだったので、連携は取りやすかったですね。健康経営に理解もありましたので、施策を実行に移すことがとてもスムーズでした。

一方で、難しく感じたことは、施策に対してわかりやすい効果や成果がなかなかみえてこない点です。
ウォーキング大会も1回目は、社内での参加意識も低かったのですが、直近の5〜6回目の開催時にはとても定着しています。社内で参加してない人はいないくらいでした。

継続することは大変ですが、重要性を感じましたね。

栗原さん:当社の場合、社員がほとんど会話のないまま仕事をしているので、いつも静まりかえったフロアなんです。さらに、業務中はずっと座りっぱなしなので……。

私自身も、過去の経験から業務上のストレスも理解できますし。若い社員の方は、そういった面でコミュニケーションが少し苦手なのかなと感じるケースが多くあります。

職種上、仕方のないことではありますが、コミュニケーションの少なさは、やはり心身ともに良い環境ではないと感じていたので、会社側で何か改善する取り組みをしなくてはと思っていました。
会話をする機会をどう提供して、社員のモチベーションを上げていくのかと。
飯田さんの方でも、いろいろと施策のアイデアを出して改善しながらも実行していくなかで、社員一人ひとりの変化も感じますね。

ーー健康経営に取り組むなかで、社内からの反響はいかがですか?

飯田さん:そうですね。コミュニケーション活性化の施策の一つとして、サークル活動も行っているのですが、若い社員からは「他部署の社員との交流ができる」「サークル活動では、上下関係を気にせずフラットに、気軽に話ができる」などの声があります。

私は、お散歩スイーツ部というお散歩しながら甘いものを食べるサークル活動に参加しています。他にも、ダーツやレーシング、フットサルをするサークルもあります。

健康経営で目指していた、コミュニケーション活性化と運動不足の解消が少しずつ社内に根付いてきたように感じます。
定量的な効果という点では、従業員満足度調査のコミュニケーションの項目が上がっていたり、高ストレス者の割合が減っていたりと調査の結果にあらわれています。

今後も働きやすい職場環境づくりを中心に

ーー徐々に施策の効果があらわれていますね。では、今後の展望をお聞かせください。

栗原さん:仕事だけではなく、家庭も含めて安心安全に勤務を継続できる環境づくりを続けていきたいと思います。
健康経営優良法人の認定も取得できましたし、今後はホワイト500にもチャレンジしていきたいですね。

飯田さん:コミュニケーション活性化に関する取り組みは継続していきたいですね。
今年も従業員満足度調査を実施して、その結果をもとに施策会を行なっています。そのなかで管理職からは1on1ミーティングを実施したいという意見もあったりしますので、これまでとは違った形での場をつくりながら、コミュニケーションを中心にした施策を実施していきたいと考えています。

また、新しい取り組みとして栗原さんとも話し合っているものの一例ですが、女性の不妊治療等について会社でできることも考えていきたいと思います。

ーーありがとうございます。最後に、読者へのメッセージをお願いします。

栗原さん:健康経営は、企業に求められる最低限のことだと思っています。認定制度を取得するかどうかは別として、事業を継続していくうえで社員の健康管理は重要だとあらためて感じています。

人材採用にも関わるところですし、いかに人を大事にするか、人の成長と事業の成長を重ねて、未来のことを考えれば、健康経営を目指すことは当たり前の判断なのかなと考えています。

今後も、長く健康に働ける職場づくりに取り組んでいきたいですね。

ーー本日はお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:株式会社ティー・アイ・シー

インタビュアー:朝本麻衣子

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