株式会社三友ファスニングは、神奈川県横浜市にある創業34年の建設会社です。「お客様と関わる方に喜びを与えられる組織であり続ける」という経営理念を掲げ、会社の継続と発展を目指しています。
心と体の健康づくりを推進し、働きやすい企業体質を目指している同社は「健康経営優良法人2022 ブライト500」も取得しています。今回は株式会社三友ファスニングの代表取締役社長 赤坂忠義さんにお話を伺いました。
災害に強い構造物を造る株式会社三友ファスニング
ーー本日はよろしくお願いします。まずは御社の事業内容について教えてください。
赤坂社長(以下、赤坂):当社は土木工事業や建設工事を中心として建設業を営む会社です。さまざまな工法に幅広く対応していますが、耐震工事と「あと施工アンカー工事」をメインとしています。
あと施工アンカー工事とは、構造物の耐震補強工事を行なう際に基礎となる工事です。幼稚園や学校等の建物、橋・トンネルといったインフラの整備まで、さまざまな構造物の工事を行なっています。
現在社員は10名で、ほとんどが男性です。平均年齢は40代後半くらいとなっています。協力会社の方もいらっしゃいますので、関わる方は社員数よりずっと多いですね。
ーーありがとうございます。健康経営に着目されたきっかけについても教えてください。
赤坂:健康経営という言葉自体は以前から認識していましたが、それがどのようなものなのか、そして「健康経営優良法人」認定の詳細に関しては把握していませんでした。
きっかけの一つは、保険会社の方から健康経営の進め方を伝授していただいたことです。社員も年齢を重ね、体力が落ちていると感じる部分もあったため、会社が少しでも健康増進を推進できればと考えました。
初めて健康経営優良法人の申請をしたのは2021年4月で、2度目の2022年に認定され、中小規模法人部門で上位500社の「ブライト500」も取得しています。
ーー健康経営の開始当初、特に改善したかったことはありましたか?
赤坂:私自身も含め、生活習慣病につながるリスクが高まってきたことを健康診断の結果から感じていました。そのため、課題だと思ったのは生活習慣の改善ですね。
喫煙率も高かったですが、現在は何名か禁煙し、健康診断等の数値も改善されてきました。
アプリを活用して働き方改革と健康を推進
ーー実際の取り組みについて教えてください。
赤坂:健康経営は働き方改革と並行して進めています。時期によって忙しさは変わるものの、月末と月初は工事後の請求書対応等が増えて業務量が集中してしまいます。
社員がお互いに声をかけ合いながら、不急の業務は無理に進めず20時で退社したり、ミーティングを縮小したりして残業時間の削減を進めてきました。有給休暇の取得も促進しており、取得率が上がってきています。
また、会社独自のSNSアプリを使っていまして、会社宛の連絡や書類の申請をそのSNS上で済ませられるような機能を現在制作中です。今までは紙の書類で手続きをしていましたが、ペーパーレスと効率化を目指しています。
このアプリでは、食事や血圧の話題など、健康に関するワンポイントアドバイスも配信しているんですよ。保険会社さんが毎月送ってくださっている情報を社内共有しています。
社内手続きの効率化を助ける機能に加え、今後は歩数記録など健康増進に関する機能の導入も検討する予定です。
健康意識は人それぞれ。長い目で取り組むことが重要
ーー健康経営を始められて、難しいと感じたことはありますか?
赤坂:社員は一人ひとり性格が違いますので、健康増進を勧めても積極的な反応ばかりではありません。ただ会社を継続していくうえで、健康な状態で働けることの大切さを最終的にはわかっていただくことが大切だと考えています。
取り組んだことの効果がすぐに表れるわけではないのですが、「継続」を念頭に、社員へ働きかけ続けることが必要ですね。
ーー赤坂様お一人で推進されているのですか?
赤坂:基本的には私が中心となって情報発信していますが、社員からの要望を受けて実現したことも多々あります。例えば、通常の健康診断以外にMRI検査やCT、胃カメラなども会社負担で受けられるようにしました。
働き方を柔軟にするという意味では、半日有給休暇の規定化、テレワーク導入もそうですね。より働きやすい会社にするために、必要なことを全員参加で考えています。
心の健康を支える施策や社員表彰も検討中
ーー健康経営によって生まれた変化があれば教えてください。
赤坂:やはり残業が減って早く帰れるようになりましたし、有給の消化率が増えたことは大きな変化です。あと食事療法や禁煙に対する意識が高まり、社員の顔色も目に見えて健康的になってきたと感じています。
ーー新しい取り組みなど、今後のご予定はありますか?
赤坂:費用対効果を考えながらではありますが、運動習慣をつけるためにジム利用を補助する、健康食品を支給するといった施策も今後は検討したいですね。
また、肉体的な健康だけでなく心の健康についても配慮が必要だと思います。以前は社員旅行を開催していたのですが、コロナ禍でこの3年間は中止していますので、またコミュニケーションを活性化するような機会を設けていきたいです。
安全衛生の観点で社員が親会社などから表彰を受けることがあるのですが、今後は健康に関する社内表彰も実施しようかと考えています。健康経営の推進に貢献した社員や一年間健康に働いた社員などを表彰するか、あるいはインセンティブのような形にするかなど、社内規定を検討する予定です。
ーー最後に、読者の方へメッセージをお願いします。
赤坂:当社は特にそうですが、企業にとって「人」は財産です。より持続性のある経営を見据え、働く人の健康を会社が考え、サポートしていくことが重要なのではないかと思います。
また、こうした取り組みのシンボルとして「健康経営優良法人」のような資格を取得することもまた、継続的な取り組みをしていくために役立つのではないでしょうか。
ーー本日はお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
今回お話を伺った企業はこちら:株式会社三友ファスニング
インタビュアー:青柳和香子
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