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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

健康増進施策「ひしこチャレンジ25」とは?伊藤組土建株式会社にインタビュー

業界平均以上の有所見率を改善するために

ーー本日はよろしくお願いいたします。まず御社の事業内容と、健康経営に取り組み始めたきっかけを教えてください。

当社は明治26年に創業した総合建設業の会社で、今年で129年目を迎えました。協力会社と連携しながら、発注者からの元請け工事を施工しています。

社員の健康改善には以前から力を入れていましたが、2016年に「健康経営優良法人」認定制度が始まり、取り組みが数値で評価され、対外的に認知されることで会社としての価値も上がるのではないかと考えました。

2017年から本格的に取り組みを始めたので、「健康経営度調査」に初めて回答したのは2018年でした。2020年から3年連続で、大規模法人部門の健康経営優良法人に認定されています。

ーー社員の皆様の健康状態について、気になっていたことはありますでしょうか?

健康診断の有所見率が全国平均よりも高いことです。建設業は全国的に高いようですが、業界の平均よりも高い状態が続いていたので、どうにか改善したいと考えていました。生活習慣病の原因となる項目が高かったので、「このままだと病気につながってしまう」という危機感がありましたね。

肥満率の改善を目指す「ひしこチャレンジ25」

ーーお取り組みの概要を教えていただけますでしょうか?

当社では「ひしこチャレンジ25」という健康増進施策を行なっています。「ひしこ」は当社のコーポレートマークの呼び名です。

当社は有所見率に加え、全社員に占める肥満者の割合が高い状態にありました。BMI数値が25以上で肥満といわれるのですが、取り組みを始めた当初は社員の40%近くが肥満状態だったんです。

そこで施策名を「ひしこチャレンジ25」と名付けました。目標は社員1人ひとりがBMIを25未満にすること、そして25未満の人はその状態を維持することで、社員の肥満率を25%という数字まで下げることを目指しています。

肥満率が下がれば、血圧や肝機能、コレステロールなどの項目も改善されるのではないかと期待して取り組んでいます。

ーー明確な数値目標を定めているんですね。肥満率が高かったことについて、何か理由は考えられるのでしょうか。

最近は改善されてきていますが、もともと建設業は時間外労働が発生しやすいという点が関係しているかもしれません。日中の工事の後に事務所に戻って事務仕事をする場合、帰宅後の食事が遅くなってしまいます。車移動が多いのも原因かもしれません。

期間限定のダイエットイベントやオンライントレーニングを実施

ーーお取り組みの具体的な内容をご紹介いただけますでしょうか?

主な取り組みはダイエットイベント、毎週1回のオンライントレーニング、健康情報の発信です。業務委託をしている外部のフィットネス企業と打ち合わせをしながら進めています。

ダイエットイベントは半年ごとに年2回行なっていて、2ヶ月間でダイエットに挑戦するイベントです。期間中は各自毎週1回体重を測り、月に1回はその体重を報告してもらっています。

やせる方法は参加者それぞれの自由です。ジョギングでも筋トレでも食事制限でもOKで、「運動が嫌いだからひたすら食事でやせる」という人もいます。

体重計にほとんど乗らないという社員も多いようなので、体重測定を習慣にしてもらうことで食生活や運動を見直してもらえるのではないかと考えました。

健康情報の発信は月に2回で、ダイエットイベント開催中は太りにくい間食、やせやすい運動法など、ダイエットに関係する情報を届けています。

ーーダイエットイベントの参加率はいかがですか?

これまでに2回開催していて、初回の参加者は40名でした。弊社は社員数400名くらいなので、現在は約1割ですね。参加率はこれから上げていきたいですが、初めはこれくらいなのではないかと思います。

ちなみにこのイベントで最もやせた人にはアマゾンギフト券2万円分が贈られます。

ーーそれは嬉しいですね!オンライントレーニングについても教えてください。

毎週水曜日のお昼前に約30分間、筋トレやストレッチを行なっています。外部インストラクターからZoomでレクチャーしてもらうトレーニングです。スクワットや肩甲骨のストレッチなどを、現場作業員含めて社員みんなでやっています。

社員の関心を探りながら施策づくり

ーー「ひしこチャレンジ25」を進める中で難しいと感じたことがありましたら教えてください。

ダイエットイベントやオンライントレーニングの参加者が固定化してしまう傾向があるので、参加者を増加・多様化させることが課題ですね。健康増進への関心が高い人はどんな取り組みにも参加してくれるのですが、途中から見かけなくなってしまう人もいます。

先ほどご紹介したような取り組みを1年ほど続けていますので、外部のフィットネス企業の方と「これはやめて、こんな内容に変えてみよう」と相談を重ねているところです。

ーー定期的に施策内容を見直されているんですね。お2人から見て何か発見はありましたか?

社員が何に関心をもっているのか、やってみないとわからないなということが1つの気づきでした。

たとえば今までのところ、当社では運動への関心があまり高くないようです。希望者は30分のパーソナルオンライントレーニングが受けられるのですが、「無料でできますよ」と呼びかけてもまだ1人しか申し込みがなくて。自宅でもどこでも好きな時間にインストラクターさんと本格的な運動ができる機会なので、呼びかけ続けています。

その一方、機械に指先を挟むだけで血管年齢を測定できるイベントには、予想に反して行列ができるほど社員が集まりました。手のひらから野菜の摂取量を測るイベントのときも同様でしたね。「自分の健康状態が手軽にわかる」という機会は魅力的なのかもしれません。

取り組みの効果と社員からの声

ーー「ひしこチャレンジ25」の効果は出ていますか?社内からのお声もあれば教えてください。

健康診断の結果は少しずつ良くなっています。肥満率も目標数値には達していないものの、前年より下がっていますね。当社は40代から50代の男性社員が多く、その年代の半数程度が肥満に該当していたのですが、ほかの年代よりも高い割合で改善されました。

あと、社員アンケートで中途入社の社員から「こんなに社員の健康改善に取り組んでくれる会社があるんですね」という言葉をもらったことがあります。社員の健康を大事にする思いが伝わっていることがわかって嬉しかったですね。

女性特有の健康課題に向き合うことも重要。改善・発展の健康経営

ーー「健康経営優良法人2022」に認定された際、評価内容に関してはどう思われましたか?

力を入れていると考えていたことがそこまで高評価にならなかったり、一方で私たちが思う以上に評価いただいている部分もあったりしたので、今後のための参考になりました。数値で評価されると全国の企業と比較できますし、何が足りないのかがわかるので、改善策が立てやすいですね。

ーー最後に、今後のご計画がありましたら教えてください。

肥満率の改善はまだ途中段階なので、しばらく続けていく予定です。あとは女性の健康保持に関する取り組みをしていきたいですね。当社は女性社員が極端に少なく、全体の1割にも満たない人数なのですが、今後は女性の採用を増やしていく計画を立てています。

そのため、女性社員に向けた働きかけだけでなく、女性社員を管理・監督していく男性の上司に向けた取り組みも進めていく予定です。

とくに、ハードな環境の現場作業所では女性特有の健康課題に配慮する必要があります。どういった配慮が求められるのかがわかると、性別にかかわらず仕事をしやすくなると思うので、まずはセミナーなどを企画していきたいですね。

ーー本日はお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:伊藤組土建株式会社

インタビュアー:青柳和香子

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