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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

自分に合うやり方で健康増進。光和精鉱株式会社にインタビュー

「徹底リサイクル化と資源再利用」を行なう光和精鉱株式会社

ーー事業内容について簡単にご紹介いただけますでしょうか

中島部長(以下、中島):当社は産業廃棄物・特別管理産業廃棄物処分業、製鉄原料製造業などを営む設立62年目の企業です。

日本製鉄(株)九州製鉄所構内で事業を展開しており、製鉄所から出たダストをもう一度製鉄の原料としてリサイクルする事業と産業廃棄物処理事業、この両方を展開している点が特徴といえます。

他の産業廃棄物処理をされている事業所さまは、焼却後の残渣(ざんさ)を最終埋め立て処分場に持っていくことが多いのですが、当社は埋め立てを極力せず、製鉄原料へと循環させています。

また、塩素系廃棄物は、廃棄物処理設備の傷みを早めるためなかなか受け入れ先がありません。

しかし、当社では塩化揮発法という独自手法を用いて廃棄物処理をしています。そのため国内各地から廃棄物処理の依頼をお受けしており、処理工程で使用する薬剤や燃料も廃棄物を利用して環境保全活動に力を入れています。

ーーありがとうございます。健康経営の取り組みを始めたきっかけについても教えていただけますか?

中島:当社が継続して社会に貢献していくためには、まず従業員の健康保持・増進が必要であると考えました。会社として健康経営を推進することが、結果として将来的に収益性などを高め、事業活動も持続可能になるとの認識で取り組んでいます。

「健康経営優良法人」認定の申請をしたのは、当社の健康・衛生面の活動に対して外部認証を受け、さらなる改善につなげたかったからです。

2019年から健康経営について調査し、優良法人認定を申請するための体制づくりを進めてきました。2022年に初めての申請で認定を受けることはできましたが、活動を深めていくのはこれからだと感じています。

生活習慣病の予防に向けて健康増進を本格化

ーー従業員の皆さんの健康について、具体的な課題はありましたか?

中島:もともと「心と体の健康づくり計画」という年間計画に基づいて10年以上、健康増進の取り組みを行なっていました。

ただあらためて当社の課題を考えたところ、健康診断結果で有所見者が約70%おり、全国平均値より15ポイントも高いということがわかりました。なかでも脂質異常や肥満、高血圧などの項目の高さが顕著でした。

当社従業員の平均年齢が40歳で、生活習慣病が多くなる年齢層だということもあるのですが、この状況を改善するために取り組みを進めていきました。

自分に合う目標を選ぶ「健康チャレンジキャンペーン」

ーー実際の施策についてご紹介ください。

中島:活動は大きく分けて3つで、①参加型イベントの開催、②健康講話、③健康診断後
のフォローを行なっています。

1つ目の参加型イベントは「健康チャレンジキャンペーン」という、10年続いているものです。全国衛生労働週間を挟む毎年9~10月に実施しており、4部門13コースの健康チャレンジ項目から3部門5コース以上選択して、自分の目標を設定します。

ーー具体的にはどのような部門、コースがあるのでしょうか?

中島:例えば「食生活部門」には「毎日朝食を摂る(達成目標:40日以上)」、「毎日野菜を350g以上摂る(達成目標:40日以上)」などのコース、「日常習慣部門」には「毎日一定の時間に体重または腹囲または血圧を測って記入する」といったコースがあります。

簡単に毎日続けられる内容にしていることと、従業員には自分に合うものを選んでもらい、楽しみながら取り組むことを重視しています。

また、3部門5コース以上達成すると達成賞が進呈されます。昨年は対象者のうち約80%の120人がチャレンジして、約70%の81人が達成しました。

実施後のアンケートでは「体が軽快になった」「風邪をひかなくなった」「食事に気を付けるようになった」といった声もありました。

今年は5~6月の初夏に開催し、「運動部門」にウォーキングの項目を追加しました。当社が年間契約したスマートフォン用ウォーキングアプリを利用して、毎日の歩数を記録するというものです。

一日8,000歩以上、7日以上が達成目標だったのですが、関西営業所では毎日3万歩歩く方もいて、驚きました。ほかの従業員の歩数がわかることで、競争意識が駆り立てられているようです(笑)。


産業医の先生は「自分で記録し、数字を見ることが一番大事」とおっしゃっています。歩数の記録も体重計に乗るのと同じような効果があるかもしれません。

熱中症対策は春から意識。年2回の健康講話

ーー健康講話や健康診断フォローについても教えてください。

中島:産業医を中心に、食生活・睡眠・禁煙・運動などについて毎年テーマを変えて年2回、講義をしていただいています。生活習慣病リスクが高いと熱中症発症リスクも高いため、毎年4~5月には熱中症対策の講話を開催しています。

毎回40~50名ほど参加しており、講義録も社内イントラネットで確認できます。コロナ禍でTeamsを使うようになったため、講話に関してはさまざまな部署の従業員が参加できるようになりました。

健康診断は過去3年間、受診者100%を達成しています。診断結果によっては産業医や保健師によるフォロー面談を実施しており、再検査や精密検査の費用は会社負担で受診勧奨を行なっています。

社内外で「健康経営」の概念そのものを普及

ーーお取り組みのなかで時間を要したことや苦労されたことはありましたか?

中島:当初はまず役員幹部に対して、健康経営の概念そのものを理解してもらうことから始めました。その次は従業員に対するアプローチで、ここまでで2年ほどかかりました。

中村さん(以下、中村):私は「健康経営優良法人」認定の申請業務を担当しているのですが、当社が加入している健康保険組合さんには認定制度に申請された企業がまだ1社もない状況でした。

健康保険組合さんと共同で申請をする必要があるので、当社での体制づくりと並行して、健康保険組合さんでの体制づくりも一緒に進めるというプロセスがありました。当社がどんな取り組みをしているのかをお伝えしながら、申請に必要な準備を行ないました。

北九州市からも表彰。問い合わせ増加のきっかけに

ーー健康増進に取り組んだことで、御社内に変化はありましたか?

中島:2022年3月の認定に先立ち、2月の「第9回北九州市健康づくり活動」の企業部門で市長賞を受賞しました。社外からいただいた評価に社内は盛り上がっております。

髙辻さん:私は総務部で役員秘書や庶務を担当しているのですが、健康経営に関してはホームページでの外部発信を行なっています。

取り組みを見える化したことで健康経営やSDGsに関する外部団体・企業さまからのお問い合わせが増えてきました。

中島:「健康経営優良法人」に同じく認定されている企業様から「当社の健康増進イベントに参加しませんか?」というお誘いや、熱中症防止を目的とするセミナーなどのお知らせをいただくことが多いです。

また、北九州市の表彰も受けたことで、健康づくり活動の評議会への参加もお声がけいただきました。

中村:会社説明会でもアピールしています。以前は学生さんにあまり知られていない会社だったのですが、最近では少しずつ認知度が上がっているという実感があります。

将来は70歳、75歳くらいまで定年が上がって、今よりも長く働く社会になっているかもしれません。一社員としても、会社全体で従業員の健康増進に取り組むことに魅力を感じています。

今後は設置型社食も導入。続けやすい健康づくりがカギ

ーー今後の計画があればお聞かせください。

中島:「健康経営優良法人」認定のフィードバックで、「解決策の実行と効果検証」に注力していく必要があるとわかりました。

2022年3月から始めたウォーキングアプリ活用の効果測定や、生活習慣病予防における食生活改善の取り組みとして「設置型社食」サービスの実験を今秋から予定しています。

この社食サービスは、管理栄養士が監修した栄養バランスのいいお惣菜を1食100円程度で購入できる福利厚生サービスです。

製鉄所の門から当社の職場までは3.8kmもの距離があります。外にランチに出かけたり、コンビニへ買いに行ったりしにくいため、冷蔵庫からお惣菜を取り出すだけのこうしたサービスを導入することに決めました。

ーー最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

中島:当社の「健康チャレンジキャンペーン」は、必ず全員が達成するわけではありません。それでも、地道に続けている人は達成率が高いように思います。

健康増進は無理せずに続けていくことが重要なのではないでしょうか。自分に合ったやり方を見つけて、生き生きとした暮らしを実現していきましょう。当社も健康経営の取り組みを通じて貢献していきます。

ーー本日はお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:光和精鉱株式会社

インタビュアー:青柳和香子

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