
株式会社日東システムテクノロジーズは、群馬県太田市に本社を置くIT企業です。経済産業省と日本健康会議による「健康経営優良法人2022(大規模法人部門)」に認定された同社は、その本社オフィスの開放的、かつ集中力を高める環境が注目されています。
今回は総務部の木口明日美さんに、従業員の健康増進と働きやすさ向上のために導入された設備や制度、社内の日常的な交流についてお話を伺いました。
新オフィスにラウンジを設置。リフレッシュして仕事に臨める

ーー本日はよろしくお願いします。まず御社の事業内容について教えてください。
当社は学校法人や医療法人、製造業者向けのITソリューションサービスを運営している会社です。社会やお客様のニーズを汲み取りながら、企画・開発・販売、アフターフォローをすべて自社で行なっています。 私は人事・採用業務や社内の環境・制度づくり、広報活動を担当しています。
ーーありがとうございます。健康経営を進めるきっかけは何だったのでしょうか?
「より良い会社」の実現で、社員が会社を好きになり、仕事がより楽しくなることを目的とし、「心身ともに健康」をコンセプトにさまざまな取り組みを始めました。2021年2月にオフィスを移転したのも大きなきっかけで、1人ひとりが自分に合う場所で仕事に集中したり、コミュニケーションを活性化したりできるような職場環境が実現できました。
ーーオフィス移転によって、具体的にはどのような変化があったのでしょうか。
移転前は今ほど広々としたオフィスではなく、自分の席で毎日8時間じっと仕事をするような環境でした。しかしそれでは心も体も疲れてしまいますし、社員が増えたということもあり、移転後は自分の席以外でも自由に場所を選んで仕事ができるようになりました。
新オフィスは日本経済新聞社とニューオフィス推進協会による「第34回日経ニューオフィス賞」で群馬県初の「クリエイティブ・オフィス賞」を受賞するなど、社外からも高評価をいただいています。
また、オフィス内でコーヒー・紅茶、アイス、お菓子などを無料で提供しています。コーヒーを飲みながら仕事をしたり、休憩中に仲間とアイスを食べたりしながら話す社員の姿が日常的に見られるようになりました。
こうした時間は息抜きになるだけでなく、自社商品をより良いものにしていくためのアイデアが生まれるフランクなコミュニケーションの場にもなっています。仕事中とは違う空気でコミュニケーションを取ることの大切さを感じました。
トレーニングジムやマッサージチェアで体のケアも

ーートレーニングジムもあるとお聞きしています。
はい、オフィス内にトレーニングジムとマッサージチェアが設けられており、いつでも自由に使えるようにしています。トレーニングジムは本格的なウェイトスタックやトレッドミルなど、10台以上のマシーンを利用できる環境です。
ーーどんな方が利用されていますか?
もともと筋トレ好きな人はもちろん、「会社にあるなら使ってみようかな」と始めてハマってしまったという社員もいます。朝早い時間やお昼休みなど、さまざまな時間に利用されていますね。
いわゆる「ガチ勢」の男性ばかりだと利用しにくい、という声が女性社員からありましたので、毎週木曜日は「レディースデー」にしています。私も定時後などに利用しています。
コロナ禍も工夫をしながら社内交流を促進

ーーほかにもお取り組みがありましたら教えてください。
コロナ禍前はスポーツ大会やバーベキュー、いちご狩りといったイベントを通して交流の場を定期的に設けていました。
現在はそうした集まりは開催しにくいため、マスク着用で感染予防をしながらラウンジでゲームや映画鑑賞をする場を設けています。
社内交流の企画を担当しているチームがあるのですが、 「よく思いつくなあ」と感じるような新鮮な企画を考えてくれています。
社員の参加率も部署を問わず高く、「毎回楽しい」「企画してくれてありがとう」といった声が上がりますね。コロナ禍でも工夫をすればコミュニケーションは活性化できるということを日々学んでいます。
イベントではないですが、定期的にお客様からいただいた材料を使ってタピオカミルクティーをつくったり、パンを焼いたりして社員にシェアすることがあります。ちょっとしたことでも社内で共有すると喜んでもらえるので、こちらもうれしくなります。
体も心もケアのハードルを下げ、改善につなげる
ーー体の健康サポートについても、何か始められたことはありますか?
健康診断は毎年全員受けています。中性脂肪が多い方が一定数いるため、健康保険組合の補助を利用して食生活に関する生活指導などを受けてもらうよう、働きかけています。
また今年から、健康診断結果で再検査が必要になった方は就業時間内に検査を受けられるようになりました。受診・検査のハードルを少しでも下げて、体を大切にしてもらえるようにと考えています。
ーーコミュニケーション活性化について先ほどご紹介いただきましたが、個別のメンタルヘルスケアはいかがでしょうか。
半年に一回、ワークエンゲージメント調査を行なっていまして、仕事に対する満足度や改善を提案したいことを匿名で投稿してもらっています。5段階の数字で回答する設問と、自由記述できる設問の両方が設けられた調査です。
心の不調や仕事に対する不満はなかなか会社に伝える機会がないと思うので、このワークエンゲージメント調査を実施して少しでも社員の意見を吸収し、会社の改善案を検討するようにしています。
また、希望があれば定期的に上司との面談を設けて、悩みや業務負荷について相談できるようにしています。
働き方に共感した県外からの移住者も

ーー「心身ともに健康」を掲げて活動をされて、社内に変化はありましたか?
社員が生き生きしているなと感じる場面が多くなりました。やはりただ毎日仕事をするだけではなく、筋トレ・マッサージで体をケアしたり、自分の好きな場所で働きながら、ほかの社員とのコミュニケーションで気分転換ができたりすることで、「会社に来て仕事をする日常」が楽しいと思ってもらえているのではないかと感じています。
健康経営を進めてきたことで離職率が下がり、当社の働き方に共感して応募してくださる方や学生の方が増えているので、そうした意味でも手ごたえを感じますね。
ーー社員の皆さまのためにしてきたことが、採用活動にも影響を与えているのですね。
応募人数は1.8倍ぐらいに増えていると思います。当社は群馬県にあるのですが、群馬にゆかりがない県外の方も当社の考え方に共感してくださって、移住してきてくださる場合もあるほどです。
特に優秀な方が多く応募してくださるようになった印象もあり、ありがたくも悩みながら採用活動を進めています。
生き生きと働く社員を増やし、会社全体を高めていきたい

ーー今後の目標、計画などがありましたらお聞かせください。
今まで行なってきたことを継続しつつ、さらに社員満足度を高めて「この会社で働くのが本当に楽しい」「この仕事が好き」と思ってもらえるような会社にしたいという思いがあります。
当社は現在社員が130名程度おり、130名全員が満足できる制度づくりや取り組みを行なうことは難しいかもしれません。それでも実行に移して、社員の利用率や満足度をみながら試行錯誤して進めていく必要があると考えています。ワークエンゲージメント調査結果の活用も重要ですね。
費用面も考慮しながら、より多くの人が心身ともに生き生きと働ける環境づくりを行なっていきたいです。
ーー最後に、読者の方へメッセージをお願いします。
当社の代表は「当社で働く従業員を豊かにしたい」という思いをもっています。今の働く世代は従来よりも長い年数働くことになると思いますが、「どうせ働くなら楽しく」「仕事を主体的に楽しもう」という考えが社内にも共有されています。
皆さんもご自分が日常をより楽しめる状態、環境がどこかに絶対あると思うので、それを探していただけたらうれしいなと思っています。
ーー本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
今回お話を伺った企業はこちら:株式会社日東システムテクノロジーズ
インタビュアー:青柳和香子
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