
株式会社アイエスエフネットは未経験のエンジニアを数多く採用し、育成に力を入れているIT企業です。お客様先に常駐している社員が多いなかで、社員とのコンタクトを強め、健康への意識を高める取り組みを精力的に行なっています。
今回は同社の安全衛生委員会で委員長を務める、総務部の保坂千代子さんと広報担当の水上さんに健康経営の詳しい内容について伺いました。
未経験から信頼できるエンジニアへ。育成に力を入れる、株式会社アイエスエフネット

ーー本日はよろしくお願いします。御社の沿革、おもな事業内容を教えてください。
広報担当 水上さん(以下、水上):当社は、お客様の導入する情報通信システムのニーズに合わせて、幅広いソリューションを提供しているITインフラ専業の企業です。これまでに3000名以上の未経験者の方を採用し、エンジニアとして排出した豊富な教育プランで、お客様に安心安全のサービスをお届けする、エンジニアを育成するということが弊社の強みとなっております。
事業内容としては、おもに通信システムの設計や施工、保守およびコンサルタント業務です。また、創業当初よりさまざまな理由で就業が難しい方に対して、安心して働ける環境を創造して提供するといったダイバーイン雇用(※)という取り組みや、障がい者就業支援事業など幅広い取り組みを行なっております。
(※)ダイバーイン雇用とは、さまざまな理由で就労が難しい方に対して、安心して働ける環境を創造し提供する取り組みのことです。ダイバーインとは、ダイバーシティとインクルージョンをかけ合わせた造語で、あらゆる人に、多様な雇用で「働く喜び」や「生きがい」を感じてもらうことを目指しています。
ーー御社は「健康経営優良法人 2022」に認定されています。健康経営の取り組みを始めたきっかけについて教えてください。
保坂さん(以下、保坂): IT業界はメンタル疾患が多いというご指摘を産業医の先生からいただいていたこと、テレワークの増加によって健康への懸念が高まっていたことから、メンタル、フィジカル面も含めた社員の健康管理に取り組み始めました。
当社のスローガンにある「健康の追求」のもと、昨年2021年6月に「アイエスエフネット健康づくり企業宣言」を策定し、力を入れているところです。
システムは24時間365日各所で稼働しておりますので、深夜業の影響による生活リズムの乱れが出てきてしまいます。パソコンに向かって座りっぱなしになることも多いので、健康の問題やメンタル疾患が増えていかないように取り組んでいます。
長期にわたって健康で居続けてもらうために
ーー具体的な施策には、どのようなものがありますか?
保坂:エンジニアとしてお客様の会社に常駐している社員が多いので、勤務状況や健康状態についてのヒアリングを定期的に行なっています。そのなかで、産業医と話したほうがいいと判断した方には、連携を取って面談の機会を設けるようにしています。
また毎月、安全衛生委員会を開催し、産業医が会社に訪問してくださるので、個別の健康相談も定期的に行なっている状況です。
長期にわたって健康で居続けていただくために、健康診断だけはではなく、受診後の再検査も産業医から指導をいただき、受診までのフォローを行なっております。また、人間ドックや婦人科検診(乳がん検診・子宮がん検診)も会社負担で実施をしております。
ーーありがとうございます。産業医の方はどのようなことをされているのでしょうか?
安全衛生委員会の開催や社員からの健康相談、復職・休職に関してのアドバイス、休職している社員の就業判定を行なっています。
また、社員一人ひとりの健康診断の結果をご確認いただき、アドバイスをいただいたり、健康に関するご講談をいただいたり、職場環境をチェックいただくことで安心して働ける環境整備をしています。
早期発見をして事前に改善する
ーー社内のCORE体制はどのように活用されているのですか?
保坂さん:CORE体制を当社では家族経営という形で考えております。幹部の方々をプレジデントコア、そこに紐づく形でピラミッド型になるような体制を取り入れています。要は上司と部下という関係ではなくて、家族としてフォローし合う制度です。
つながりを強化することで、業務のことだけではなく、プライベートをフォローすることもあります。社員の勤務状況や健康状態、メンタルの状態を把握できるので、早期発見や事前の改善対策に取り組むことができます。
ーー御社には集中タイムという制度がありますね。こちらはどのような制度なのでしょうか?
今はリモートでの勤務が増えているので、ストップしている状況ではありますが、集中タイムは長年取り入れている制度です。14時から15時の間、他部署への業務依頼を禁止し、モーツァルトの音楽をBGMとして流しています。この音楽によって、副交感神経と交感神経を正常に働かせることができ、メンタル疾患の予防につなげています。
地道な取り組みで健康診断の受診率100%に

ーー健康経営に取り組むなかで大変だったことはありましたか?
保坂さん:毎年行なっている定期健康診断は受診義務があるのですが、受けないといけないことを知らない社員も多くおります。認識や意識を高めるというのがなかなか難しい部分だと感じています。社員一人ひとりとのコンタクトをさらに強めていく必要がありますね。
受診期間には頻繁に社員に連絡し、連絡がとれない場合は本人の上長や担当営業に連絡するなど、各方面から連絡をとっています。
その結果、昨年は健康診断の受診率が100%でした。業務都合や直前に体調が悪くなった方もいますので期間後(次の月)に何名か受診することはありましたが、連絡が取れるまで追いかけるような、地道な取り組みも必要だと感じています。
自動化を行なっている部署と連携することで、リマインドメールを個別に送れるような仕組みを作り、追いかけやすい体制の整備も行なっています。
ーー昨年から健康経営の取り組みを強化されていますが、社員の方からの反響はいかがですか?
保坂さん:各拠点ごとの安全衛生委員会の担当者と連携して、全国安全衛生委員会を実施しています。その安全衛生委員会から、2週間に1度ヘルスケアに関する情報を全社メールで配信しております。
テーマは、8月でしたら熱中症、9月はメンタルヘルス、そのほかの月では食事面など、時期によってさまざまです。それぞれ社員に確認してもらい、併せてアンケートとして意見を収集していますが、以前よりも意見をいただいたくことが増えてきています。
また毎月産業医との健康相談でも、相談希望者が増えています。4、5年前は開催日のアナウンスをしても希望者の方が0人だったこともあったので、段々と健康に関する意識が高まってきたのを感じている状況です。
健康でワクワクできる職場環境のために
ーー今後の目標や注力していく取り組みを教えてください。
保坂さん:昨年から始まったばかりなので、まだ取り組みを始めた段階ですが、全国の安全衛生委員会でさまざまな取り組みを行なっております。職業柄、運動不足になりやすい環境ですので、ウォーキングイベントの開催や、「今月は階段を使いましょう」という呼びかけなど、体を動かせるような取り組みを進めています。
弊社はダイバーイン雇用を行なっておりますので、さまざまな方が健康でワクワクできるような職場環境をつくっていくことも目標の一つとして考えています。
いきなり大きく変化させるのではなく、できることから始める
ーーありがとうございます。最後に健康に関心のある読者の方にメッセージをいただけますでしょうか。
保坂さん:コロナ禍でなかなか体を動かす機会も減っていることかと思います。部屋のなかでストレッチをしてみる、外に出て歩いてみる、エレベーターではなく階段を使ってみるなど、少しずつでもできることから健康に向けて取り組んでみてください。
前向きな気持ちになる、夜よく眠れるようになるなど、効果が現れてくると思います。
ーー本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
今回お話を伺った企業はこちら:株式会社アイエスエフネット
インタビュアー:塩野実莉
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