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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

安全と品質は社員の健康から。株式会社オティックスホールディングスにインタビュー

肥満と喫煙率の改善を目指して始めた健康経営

ーー本日はよろしくお願いします。まずは御社の事業内容やお取り組みについて教えてください。

中村さん(以下、中村):当社は創業が1918年で、現在104年目を迎えた企業です。自動車部品や自動車開発試作部品の製造、部品を作るための専用工作機械の設計・製作を行なっています。

自動車部品のなかでも非常に小型で精密な、エンジンの動弁系といわれる部品が当社の得意分野です。トヨタ自動車の車には100%搭載させていただいています。

ーーありがとうございます。御社は「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に2年連続で認定されています。活動のきっかけや課題だったことを教えてください。

当社は「トヨタ関連部品健康保険組合」に加入しています。健康診断の結果をトヨタ系といわれる同規模他社と比較すると、当社は肥満率と喫煙者率が高く、下から数えた方が早いくらいでしたので、改善したいと考えていました。

また、2021年 9月に「デミング賞大賞」という総合品質管理の賞獲得へ挑戦した際に、総務人事部から計画の一つとして「健康経営」を発表しました。これらが「健康経営優良法人」認定を目指したきっかけです。

「健康づくり3カ年計画書」を作成し、社外に活動内容を発信するために「オティックス健康白書」もホームページで掲載しています。

県のアプリを活用した運動イベント「オティックスヘルスマ」

ーー実施した健康増進のお取り組みについてご紹介ください。

小林さん(以下、小林):トヨタ関連部品健康保険組合に加入している事業所は必ず参加する「ヘルスマチャレンジ」というイベントがあります。これは毎年9月から11月の3カ月間、運動と食事、そして歯のケアに取り組むというものです。

達成度合いを毎日記録して、1週間ごとにカウントします。20分歩くと1点、100分歩くと5点、水泳15分で1点などと点数化されて、1週間に5点以上獲得すればその週は達成です。達成率は年々上がってきていて、現在は90%以上の従業員が達成しています。

ーー目標がわかりやすく、手軽に取り組める内容なのですね。

小林:2021年からは「オティックスヘルスマ」という独自の活動も始めました。健保のヘルスマチャレンジが終わっても運動習慣を継続していただくためのイベントで、12月から1月に実施しています。

愛知県による「あいち健康プラス」というアプリを登録して歩数記録に使用してもらったところ、50人くらいの方が参加してくれました。当社1,300人中の50人なので少ない人数ではあるのですが、もともと運動に対して意識の高い方ばかりが参加されたため、一日に2万歩、3万歩も歩く方がいて驚きましたね。

中村:オティックスヘルスマは地域貢献の一環としても実施しています。例年8月に「オティックスフェスタ」というチャリティーフェスタを開催していたのですが、コロナ禍で3年連続中止になってしまいました。

そのため「オティックス募KEN活動」と題して、本来のチャリティー金の代わりに、社員が運動をして獲得した点数に応じて寄付金とすることにし、西尾市の社会福祉協議会に備品などを寄付させていただいています。

各年代から好評のライフサポート研修

ーー御社には健康と働き方に関する独自の研修があるそうですが、どのようなものでしょうか。

中村:当社では新入社員研修や階層別教育、テーマ別教育のほかに、「ライフサポート研修」という年代別セミナーを行なっています。30歳、50歳、55歳、59歳のタイミングで、それぞれ健康とライフプランについて考えていただくセミナーです。

例えば30歳なら自己キャリア、50歳はセカンドキャリア、59歳は定年退職前のセカンドプランといった内容です。健康についてはすべてのセミナーで年代に応じた啓発をしています。

ーー参加者の方々からはどんな感想がありますでしょうか。

中村:30歳セミナーでは、独身の方もいれば結婚して子どもがいて家を持っている方もいて、生活スタイルがさまざまです。結婚は縁遠いと感じている方から「自分のことについて考える機会はなかなかないので、とてもありがたい」という声を聞いています。

50代のセミナーは配偶者の方も参加できるので、退職金や年金の話を具体的にすることで「セカンドプランを考えるいい機会になりました」と言っていただけています。

また、50歳ぐらいになると健康上の悩みが出てくることが多いので「食生活や運動を意識するいい機会になりました」という声もありますね。

以前は1泊2日のセミナーで、夜は同年代どうしの宴会も楽しんでいました。今はそれができない寂しさはありますが、それでも内容は好評となっています。

今後は、以前設けていた40歳セミナーの復活を検討していて、高卒入社からちょうど20年目にあたる38歳向けセミナーを企画予定です。

再雇用後も健康で活躍できるように

ーー定年退職後の再雇用についても珍しいお取り組みがあると伺っています。

当社では定年退職した方の9割が嘱託で再び勤務していまして、モチベーションを高めるための施策が2つあります。1つ目は、製造部門で交代勤務を担当していただけた場合に管理職と同じ給与をお支払いするというものです。

以前は退職前の役職に応じた処遇だったのですが、60歳になっても健康で働き続けていただきたいというメッセージも込めて、この制度を設けました。実際に交代勤務をしてくださる方は増えているので、会社としても本人としても良い結果になっていると思います。

製造部門、間接部門を問わず導入しているのは「マイスター制度」です。現役時代から業務経験・実績をもとに、専門性がある方にマイスターの称号を付与して毎月数万円の手当をお支払いしています。

ーー例えばどのようなマイスターがいらっしゃるのでしょうか。

「海外支援マイスター」や「TPS(トヨタプロダクトシステム)マイスター」「エネルギー管理マイスター」「サプライチェーンマイスター」などをもつ社員が活躍していますね。

ちなみにマイスターは本人が申請することによる認定制度で、一定の評価を得ないとマイスター資格はなくなってしまうので、日々その専門性を生かして仕事をしていただくよう、お伝えしています。

安全や品質の土台は社員の健康

ーー健康経営のお取り組みを進めてきて、社内にどのような変化がありましたか?

食堂でサラダバーの利用が増えたり、炭水化物ばかり食べる人が減ったりという食事面の変化や、ヘルスマチャレンジの時期にウォーキングや自転車通勤をする人が増えたといった運動面の変化がありました。

当社は製造会社なので、安全や品質を第一に考えていますが、経営陣は「オティックスで働いてよかったといわれる会社にしたい」「街一番の会社にしたい」という思いももっています。

この2つはつながっていて、安全に働き、品質の良いものを作るには社員の健康や働きやすさが不可欠です。

毎月、労使のトップが長時間労働や有給休暇の取得率をチェックしていますし、定期的な労使懇談会でも、精神的・体力的に安心安全で働ける環境にあるかどうかを労使一体となってチェックしています。

ーー今後の目標がありましたらお聞かせください。

中村:現在は会社方針とは別に健康経営に取り組んでいる状況ですので、今後はさらに会社全体で推進していけるよう、方針に加えられるように実績を重視しながら活動を進めていきたいと考えています。

また、健康診断の結果と原因をデータに基づいて分析し、肥満や喫煙を減らす戦略・戦術を具体的に立てるべく進行中です。

「あいち健康プラザ」という外部機関でも健康教室を開いていて、見学に行ったところ非常に有意義な場でした。こうした外部の力も活用して、健康に関心をもってもらえるよう社員に働きかけていきたいですね。

そうした一連の活動の成果として5年後、10年後には健保加入企業のなかで「オティックスは上から数えたほうが早い」といわれるようになりたいと考えています。

ーー本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:株式会社オティックスホールディングス

インタビュアー:青柳和香子

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