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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

部門横断プロジェクトで健康経営。株式会社技研製作所にインタビュー

建設課題の解決や国土防災に貢献する株式会社技研製作所

ーー本日はよろしくお願いします。最初に御社の事業内容について教えてください。

赤澤さん(以下、赤澤):当社は1967年、公害対処企業として高知県高知市で創業しました。無公害の杭圧入引抜機「サイレントパイラーⓇ」を製造開発し、その優位性を生かした「インプラント工法Ⓡ」によるソリューションを提案・実践しています。

近年、台風や豪雨災害の事前防災・災害復旧工事、大規模地震に備える防災・減災事業への採用に加え、オランダ世界遺産の護岸改修や月面開発プロジェクトへの参画などで注目が高まっています。

無振動・無騒音、省スペース・仮設レス、地震や津波、洪水に耐える粘り強いインフラの急速構築といった圧入技術ならではの価値は、世界の建設課題の解決や国土防災に貢献しており、採用実績は40以上の国と地域に広がっています。

部門横断プロジェクトで、いきいきと働ける職場づくり

ーー健康経営に取り組んだきっかけについて教えてください。

赤澤:女性役員先導のもと、2018年に女性中心の部門横断型プロジェクト「ポジティブ・アクション:Positive Action(女性の活躍推進)プロジェクト」(以下、PAPJ)が発足されました。

当社は女性社員の割合が2割と少数ですが、男女が公平にそれぞれの特性を活かし、協働することで最大のシナジー効果を上げられる環境づくりが重要だと考えています。

プロジェクトメンバーが経営に直結する課題解決を通じてマネジメントスキルを磨くこと、新しい感性や気づきを育むことで、自身の成長とともに会社の組織力・ブランド力を自ら高める喜びを実感することが一番だと考え活動を進めております。

德弘さん(以下、德弘):メンバーは「働きやすい職場づくり」「社員満足度の向上」「会社のブランド力向上」を基本方針とし、複数のチームに分かれてさまざまなテーマについて取り組んでいます。

そしてこれらの基本方針を実現するため、取り組むべきテーマの1つとして健康経営に着目しました。

社員一人ひとりが健康で、いきいきと仕事ができる職場作りを目標に、PAPJ発足2年目に健康経営の活動をスタートしています。そして活動スタートから3年目の応募で「健康経営優良法人 2022(大規模法人部門)」に認定されました。

ーー社員の健康状態について改善が必要だと感じていた点はありますか?

赤澤:活動開始直後、現状を把握するために社員へ向け「健康についての意識調査アンケート」を実施した結果、社員全体の約4割が自身の健康に関心がないことがわかり、まずは社員の意識を変える必要があると考えました。

また、従業員の健康づくりに関する会社の取り組みについての評価・意向の設問では、約8割の社員が「わからない」「取り組むべきである」との意向を示しており、会社としての取り組みが急務であることが浮き彫りとなりました。

メールマガジンや「まい活」など多角的な取り組みで啓発

ーー実際のお取り組みについて詳しく教えてください。

德弘:技研グループは、早くから健康経営と男女参画の育児休業取得を推進する企業として、社内外に発信しておりました。

その経営方針の下、プロジェクトが健康経営推進に取り組むにあたり、まずは当社の現状を把握するため、2019年に初めて日本健康会議と経済産業省が公表する健康経営優良法人認定制度へ応募しました。そこで得られたフィードバックシートの内容と社員へのアンケートによって浮き彫りとなった課題を中心に、取り組みを開始しました。

まずは社員の意識を変え、会社が健康経営にこれから取り組んでいくということを全社員が認識すべく、経営とも一体となり、健康経営宣言・理念の制定を実施しました。

赤澤:経営トップを推進体制の責任者とし、トップダウンで社員の健康に関する取り組みを進めることで、会社全体で健康経営に取り組むという意識を統一できたことはとても重要で、活動を進めるにあたり大きな柱となっています。

意識を変える取り組みとして、社内報へ有給休暇の取得推進記事を掲載し、有給休暇の積極的な取得の推奨と、連休の前後に有給を取得する「プラスワン休暇」などの休暇日の提案や、ワークライフバランス=「生活と仕事の調和」の重要性について掲載しました。

社員から特に好評だったのが、「健康経営メールマガジン」の配信です。「テレワーク太り対策」「こころと体の健康」「女性の健康習慣」「生活習慣病」などさまざまなテーマで定期的に配信し、健康に関して知見を広げるとともに、意識を高める効果がありました。

その他にも、インフルエンザ予防接種に関して集団接種だけでなく就業時間内に医療機関での接種を認めたことや、自動販売機などへのカロリー表示、技研オリジナルの健康応援ハンドブックの作成・配信により健康意識が向上し、健康経営の土台作りにつながりました。

德弘:また、GIKENグループでは「まい活」と題し、グループに分かれて毎日就業時間内の10分間で自己研鑽、コミュニケーションの時間とする活動を行なっています。こちらもPAPJの活動テーマの一つです。

この「まい活」の時間を活用し、健康経営をテーマとして、健康経営ハンドブックを用いたグループディスカッションやストレッチをすることによって、社員へ「健康経営」という考え方が浸透しました。

その他のおもな取り組みとして、定期健康診断後の二次検査受診指導・初回費用負担、全社員のストレスチェック実施、身体の健康やメンタルヘルスの相談窓口の設置などを行なっています。

新型コロナ対策においてもいち早く行動し、社員と社員の家族の健康を守ることを再優先に、3回のワクチン職域接種や時差出勤・完全テレワークの実施、出張者や転勤者への抗原検査の実施などに取り組みました。

部門横断型プロジェクトの強みを発揮し、社内外の力を活用

ーー健康経営を実践するうえで、苦労されたことや工夫されたことはありますか?

德弘:当初はどこから始めていいのかわからず苦労しましたが、部門横断型というプロジェクトの強みを活かし、組織に横串・斜め串を通しながら、さまざまな部署の意見を聞き、協力要請して、活動を進めていきました。

また、経営陣と直接意見交換して判断を仰いでいるため、方向性の確認から実行までスピード感を持って行なうことができました。現在は経験豊富な社外の方からのアドバイスも受けながら、さらなるレベルアップを目指し活動を進めています。

ーー「健康経営優良法人」に認定された際のフィードバックはいかがでしたか?

赤澤:健康経営認定制度へ初めて応募した際にいただいたフィードバックでは、当社が一般的な健康経営の水準に到達していないことがわかりました。そこで活動2年目の応募は見送り、健康経営に対する社内の基礎固めに専念しました。

しっかりとした土台を構築できたことにより、活動3年目は2回目の応募で「健康経営優良法人 2022(大規模法人部門)」の認定をいただくことができました。

そして、現在は2度目のフィードバックの結果と過去データとの結果を比較し、女性の健康に関する取り組みなど、ポイントの低かった課題を洗い出し、具体的な施策の検討と実施を進めています。

ーーお取組みによる効果、社内からの反響はいかがでしょうか?

德弘:活動開始当初は認知度の低かった健康経営ですが、取り組みの成果により、今ではしっかりと社内に浸透しています。例えばスタンディングデスクや、椅子の代わりにバランスボールを配置するなど、会社全体で健康に対する意識が変わったことが感じられます。

社員とその家族の幸せが当たり前になるように

ーー健康経営について今後の計画や注力されていくことがありましたらお聞かせください。

德弘:会社が発展していくためには、社員の健康以上に大事なものはありません。現在把握している課題に対し、すべてを補えているわけではありませんので、残っている課題に対して経営側へ施策を提案し、まずは健康経営戦略マップに提示している目標指標の達成を目指して取り組みを進めていきます。

また、今後も健康経営認定制度への応募は継続し、「健康経営優良法人」「ホワイト500」の認定を目指します。

ーー最後に、健康に関心のある読者へのメッセージをお願いします。

赤澤:社員の心身の健康は、企業経営や個人のパフォーマンス発揮、そして何より社員一人ひとりの幸せの土台となります。社員を幸せにできない会社が、社会を幸せにすることはできません。まずは社員、そして社員の家族の幸せが当たり前になるような企業文化の醸成が重要ではないでしょうか。

当社は今後も全社員が健やかにいきいきと働ける魅力的な企業を目指し、健康意識の向上や職場環境の整備を推進していきます。そして、『心身ともに健康でベストパフォーマンスを発揮できる企業に』なるため、時流に沿った健康経営を推し進めます。

ーー本日はお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:株式会社技研製作所

インタビュアー:青柳和香子

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