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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

クレスコ憲章に基づいて健康経営と人材育成に取り組むIT企業「株式会社クレスコ」にインタビュー

最高のテクノロジーと絆で”わくわくする未来”を創造するシステムインテグレーター、株式会社クレスコ

ーー本日はよろしくお願いします。まずは御社の沿革、おもな事業内容について教えてください。

鈴木さん(以下、鈴木):当社は 1988年に設立いたしまして、2001年に東証1 部に上場、2022年には東証プライム市場に移行しております。今年で設立から35年目を迎え、システムインテグレーターとして事業を展開しております。

社名の「クレスコ」は、ラテン語で「成長する」という意味を持っています。自らも成長しながらお客様の成長を支えるIT企業であることを掲げ、さまざまなサービスを提供、創出しております。また、2021年にはグループビジョンを一新し、2030年までの10年間を見据えた新グループビジョン「CRESCO Group Ambition 2030」をスタートしました。

主力の ITサービス(コンサル・IT企画・開発・保守の総合サービス)や、新たな価値を提供するデジタルソリューション(お客様のDX実現を支援する製品・サービス)を通じて社会へ貢献するとともに、最高のテクノロジーを追求し、お客様を含めたあらゆるステークホルダーとの協働・絆を大切にし、もっと豊かでわくわくする未来を創造することを目指しています。

従業員が健康で心から仕事を楽しみ、十分に実力を発揮できる職場にするための健康経営

ーーありがとうございます。健康経営に取り組みはじめたきっかけや背景を教えてください。

鈴木:現在は、先行きが不透明で、将来の予測が困難なVUCA時代だといわれています。その中で、従業員の心身の負担が増していると感じており、当社でも体調を崩す人が少なからず発生しております。

この状況を受けて、従業員の健康を個人任せにするのではなく、会社も積極的に健康を支援していきたい、そのうえで、「従業員が健康で心から仕事を楽しみ、十分に実力を発揮できるような職場にしていきたい」という想いから健康経営に取り組み始めました。

廣木さん(以下、廣木):私が人事部に異動した2016 年に初めて経済産業省が行なう健康経営度調査に取り組みました。最初に調査票を見たときは「クリアできていない項目が多く、どうしましょう」と思いました。

調査票の項目を1つずつ確認する中で、世間ではこのような対応が求められていて、当社は色々と足りていないということに気付きました。それから数年をかけて少しずつ取り組みを重ねています。

ーー保健師さんが在籍されているということですが、健康経営が始まる前からいらっしゃったのでしょうか?

鈴木:健康経営を重視するようになってからですね。その前は、健康は個人の責任でしっかりやっていくものだという認識が社内に強くありました。

健康は個人がケアすることが最も重要ではありますが、ビジネス環境の変化が激しく、スピードも求められる中で個人にかかるストレスは大きく、会社が積極的に従業員をケアしていかないと健康を保つのは難しいのではないかと感じ、健康に関する知識・経験を有する保健師を導入しました。不調な人が出てきた場合に早期にケアする、また未然に不調を防ぐ体制を整えることが目的です。

ーーありがとうございます。健康経営の取り組みを始める前、従業員の皆さんの健康状態はいかがでしたか?

鈴木:生活習慣について改善が必要だと感じていました。従業員の多くを占めるIT技術者はどうしても体を動かす機会が少なく、運動することが習慣になっておらず、コロナ禍になって在宅勤務が進んだことで、さらにその傾向が強くなっていると危機感を持っていました。

その他にも、睡眠不足や喫煙、朝食を抜いてしまう、夕食をとる時間が遅くなるなどの点についても注意が必要だと感じています。基本的な生活習慣が安定することで、気持ちが前向きになり、仕事やプライベートも充実してくると思います。

ーーこうした課題は、社内調査によって把握するのでしょうか?

廣木:はい。毎年8~9月に実施しているストレスチェックの際に任意項目として生活習慣を確認する設問を用意しています。ストレスチェックは以前から実施していますが、健康経営の取り組みを開始してからはより意識して社内調査を活用しています。

健康増進手当とウォーキングイベント、2つの施策で健康経営の定着化へ

ーー具体的な改善施策を教えていただけますか。

廣木:はい。当社が特に力を入れている施策として「健康増進手当」と「ウォーキングイベント」の2つがあります。健康増進手当は「一定の健康増進に寄与する行動をとりながら勤務した従業員に健康増進手当を支給する」という制度で2021年度に新設いたしました。

健康に関する8つの基準を設け、必須項目4つに任意項目4つのうち2つを加えた、計6つを年間で満たすことができれば、健康増進手当として3万円が支給されます。

この8つの基準は、健康診断を受診している、ストレスチェックを受検している、タバコを吸ってない、有給休暇を60%以上取得している、年間の月間平均残業時間が20時間以内である、健康診断時のBMI値が18.5以上25未満である、といったものです。

さらに、1日8,000歩以上歩く日が年間100日以上あるという基準もあります。こちらは健康ポイントアプリによって計測します。

この施策は2020年度に発表し、2021年度に運用を開始しましたが、1年間で642名の従業員が達成し、2022年6月の夏季賞与で健康増進手当を支給しました。また、社内調査では581名の従業員がこの施策を通して「健康管理に関する意識が高まった」と回答しています。
以前はBMI値についても健診を受けるだけで結果をしっかり見ていないという人が多かったのですが、現在は意識して結果を見るようになった人が増えています。

鈴木:健康増進手当の施策によって、ストレスチェックの受検率がアップし、高ストレス者率が少し下がりました。また非喫煙者の割合が上がったり、有給休暇の取得が促進されたりと、少しずつ効果が現れています。

ーー従業員の皆様の反響はいかがでしょうか?

鈴木:「福利厚生、健康に対する施策が充実してきた」という意見をもらっています。また「健康増進手当をもらうため、基準を達成できるよう今頑張っているところです」というコメントもいただきました。

廣木:ヘビースモーカーの人が、この手当を目的に禁煙するというところまでにはなかなか至っていません。ですが、なんとなく付き合いでタバコを吸っていた人からは、健康増進手当を機に禁煙しましたというお話をいただいています。

また、「有給休暇や残業については業務都合もあり今回は達成が難しそうなので、代わりに頑張って歩いて基準を満たします」というように健康に良い行動を促す効果が出ていると感じています。

ーー実際に健康経営に取り組むなかで、大変だったことはありますか?

鈴木:当初は「まずは多くの方に参加してもらい行動のきっかけを作ってほしい」という想いから、健康増進手当の達成基準があまり高くならないようにしました。

大変だと感じているのは、一人ひとりに染み付いた生活習慣をすぐに変えるのは難しいということです。今回、健康増進手当により行動を起こしてくれた従業員が存在し、成果につながりましたが、まだ十分に浸透できていません。継続して施策を行なうことで、徐々に従業員の生活習慣を良い方向に変えていくことができればよいと考えています。

ーーありがとうございます。ウォーキングイベントについても教えていただけますか?

廣木:ウォーキングイベントは個人戦・チーム戦でも参加でき、スマートフォンアプリで歩数を計測すれば参加できる期間限定のイベントです。春と秋に実施しています。

直近ですと、2022年5月1日から 6月5日までゴールデンウィークを挟んで実施しました。在宅勤務により体を動かす機会が減ったため運動のきっかけとなるよう企画しました。

ウォーキングイベントで使うアプリと健康増進手当の歩数カウントで使うアプリは同じものなので、ウォーキングイベントに参加すると健康増進手当の「1日8,000歩を歩く日が年間100日以上」の基準達成にもつながります。

また、たくさんの従業員に参加してもらい歩く習慣をつけてほしいという想いから、イベント35日間のうち1日8,000歩を15日間クリアした従業員にクリアボーナスというかたちで500円分のドリンクチケットを渡しています。

このイベントは、運動以外に従業員同士のコミュニケーションの面でも役に立っているという反響がありました。週1回の歩数ランキングの公開やチーム戦も取り入れたことがコミュニケーションの活性化につながったようです。

健康経営優良法人を3年連続で認定取得

ーーこれからの取り組みとして注目していることや、目標にしているもの、やってみたいことなどがあればお聞かせください。

鈴木:健康経営優良法人は現在3年連続で認定をいただいていますが、ホワイト500には届いていませんので、今後はホワイト500を目指していきたいですね。

また、当社にはクレスコ憲章という企業理念があり、そこで「クレスコは人間中心、実力本位の会社である」と、最初に「人間中心」という言葉を謳っています。この人を大切にするという文化を大切にし、健康とともに従業員の育成強化、ダイバーシティの推進、働きやすい職場構築、エンゲージメントの向上など、戦略的に人的資本経営に関する取り組みを進めたいと思っています。

廣木:有給休暇は取得率がかなり増えていますが、残業の削減については、課題を確認して今後も改善策を講じていきたいと思います。

ーー最後に読者へのメッセージをお願いします。

鈴木:健康経営を進めていくには、人事部門だけでなく経営層や従業員にきちんと理解してもらうことが必要だと思います。人生100年時代といわれる中で、仕事だけでなく健康の重要性を理解してもらうこと、そのためにしっかりとした社内の体制をつくることが重要だと考えています。

それから、健康経営に取り組むことですぐに大きく健康が向上するというわけではありません。むしろ、試行錯誤しながら継続的に取り組むことが重要だと思います。やれることからでも構わないので、まずはスタートしてみることがおすすめです。

廣木:健康経営の効果はすぐには目に見えづらいですが、自身の健康を強く意識してもらうことから行動が変わり、良い効果につながると思います。

本当は気になっているけれど、ふたをしているようなこと、例えば、ウォーキングする、歯科検診に行くといった、小さな日常の行動を一つ変えてみる、すると変化がありその次につながっていきますので、意識して小さな一歩を始めてみることをおすすめします。

ーー本日はありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:株式会社クレスコ

インタビュアー:朝本麻衣子

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