
株式会社ゼウス・エンタープライズは、SES事業や教育、自社開発商品の販売をしているIT企業です。全社員の終身雇用を目指して、研修やキャリアフォローを実施し、エンジニアとして求められる難関資格の取得も推進しています。
また、2019年には健康宣言を実施し、「健康経営優良法人2022(大規模法人部門)」の認定も受けています。
今回は同社の人事部 採用課の古川茉奈未さん、橋本麻由さん、そして公開準備室の坂本鷹志さんに健康経営の取り組みについてお伺いしました。坂本さんは体操競技の一つであるトランポリン競技の現役選手として2020年まで活躍し、引退後は内部監査担当として従事されています。
次世代のIT人材を育成すべく終身雇用を掲げる企業

ーーまず、御社の事業内容や特徴、注力されている事柄について教えてください。
弊社は2005年1月に設立され、SES事業や自社開発システムの販売、エンジニアの教育事業を展開しております。
エンジニア職のなかでも、ネットワーク環境の構築や運用を行なうネットワークエンジニアに強みを持っており、IT業界の人材定着と育成、経営安定化のため終身雇用を掲げています。
IT業界において、終身雇用を経営理念とするのは珍しいかもしれません。しかし、本当の意味でIT業界と自社の発展を目指すには、長期勤務できる職場環境を整え、しっかりと経験を積んだエンジニアの育成が不可欠と考えています。
IT業界は技術の進化が早いため、かつては、プログラマやエンジニアはある程度の年齢になると変化についていけなくなるという意味で「35歳定年説」という言葉がありました。しかし、こうした定説を覆し、長いスパンで人材教育を考えなければ、今後予想されるIT人材の不足にも対応できません。
そのため、弊社は長く働いてくれる人材を採用し、各自がキャリアアップできる環境を整えてきました。出向先がエンジニアのキャリアに適しているか考え、本人の希望も考慮してスキルアップできる場所への配置換えを適宜行なっています。
また、業務負荷から心身の健康に不調をきたしていないかを面談で確認し、状況を汲み取って勤怠管理に注意するなど、技術面だけでなく健康面でのフォローもしています。
ーー健康経営を始められたきっかけや、健康経営優良法人の認定に至った経緯を教えてください。
実は健康経営優良法人の認定を目標として健康経営を始めたわけではなく、もともと弊社が行なっていた取り組み内容が健康経営に通じていると考え、申請に至りました。
経営理念として掲げる終身雇用を実現させるため、社員が長く働ける環境作りやフォロー制度、健康を啓蒙する活動内容が、健康経営の考え方にマッチしています。
取り組みを主導しているのは総務部ですが、健康経営の取り組みは求職者にも知っていただきたいことですので、人事部が申請を進めました。就活情報サイトにも取り組み内容を掲載しています。
最大1万円の健康増進手当を毎月支給

ーー健康経営の施策として「健康増進手当」があるそうですが、どのような手当なのでしょうか。
健康増進手当は2つあり、1つは非喫煙者に月5,000円、年間で6万円支給するものです。年1回、毎年3月に実施するニコチンチェックに合格した社員が支給対象となります。
このニコチンチェックは判定が厳しく、自身が非喫煙者だとしても同居家族に喫煙者がいる場合や、前日に喫煙可能な場所へ出入りしていただけでニコチン反応が出る場合があります。
また、タバコは嗜好品であり会社側が強制的に禁止できるものではないですし、検査キット使用も費用がかかりますので、ニコチンチェックへの参加は任意です。希望者のみが受けており、全社員への強制はしていません。
それでもニコチンチェックの希望者は年々増えており、現在は7~8割ほどの社員が非喫煙者の手当を受け取っています。
手当が出ることを知って、禁煙してから入社する新入社員もいます。また、この手当が始まったのをきっかけに禁煙に取り組む社員も出てきました。
もう1つの健康増進手当は健康診断結果の優良者を対象とし、こちらも月5,000円、年間6万円支給されます。健康診断結果がオールAまたはBの社員が支給対象です。
弊社はエンジニアが多いからか視力の項目で引っかかる人が多く、この手当を受け取っている人は多くありませんが、健康意識の向上にはつながっていると思います。
体調不良になったら無理せずしっかり休める休暇制度

ーー独自の休暇制度で、しっかり休める職場環境を整えているそうですね。
弊社は通常の有給休暇とは別に、月に2回取得できる病欠休暇制度を設けています。病院を受診した証明が必要ですが、体調が悪いときは無理に出勤せず、医者に診てもらって適切な対処をするよう促すための制度です。
この制度があることで、「有給休暇を使うくらいなら出勤する」と無理をしてしまう人を減らせていると思います。重篤化する前にきちんと診察を受けて治療することで、社内での感染拡大を抑制する効果も得られています。
この休暇制度は新型コロナウイルスに感染した場合でも使用でき、その後の隔離期間も有給休暇扱いになる特別休暇を別途与えています。しっかり休んでもらい、万全の体調で働ける環境作りに役立っていますね。
社内のサークル活動で運動の機会や社内交流に

ーー御社では社内サークル活動もあるそうですが、こちらも社員の健康増進に役立っていますか?
フットサルやボルダリングといった運動系のサークル活動は、体を動かす機会や体力作りにつながっているようです。フットサルは新入社員の参加が増えてきたので、サークルメンバーに若い人が増えたように感じます。
活動内容や各自の参加スタンスによっても違いますが、仕事の後に体を動かしたり、試合や練習のために週末に集まったりと、社員同士が交流する機会にもなっています。
社員が一生働ける会社であるために

ーー最後に今後の展望や読者へのメッセージをお聞かせください。
弊社は社員の終身雇用を掲げ、長く働けるエンジニアの採用・育成に注力してきました。技術者としての寿命を延ばせるよう、スキルアップ研修やキャリア面談を実施しています。
また、常に成長をアシストできるように面談内容に応じて人材を入れ替え、新しい経験が積めるよう配慮しています。人事部には心身の健康相談に対応する専門部署もあり、技術面とは別にフォロー面談を設けています。
ご紹介した健康増進手当や休暇制度は、健康経営優良法人を取得するために特別に取り組んだ施策ではないものの、弊社の働きやすい環境作りや健康を意識させる制度が評価され、認定に至ったと感じています。
今後も引き続き、社員が一生働ける会社になるよう、働きやすい社内環境作りに取り組んでいきたいと考えています。
ーー本日はお話いただき、ありがとうございました。
今回お話を伺った企業はこちら:株式会社ゼウス・エンタープライズ
インタビュアー:青柳和香子
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