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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

健康経営は、会社に合った規模で持続的に。アシザワ・ファインテック株式会社にインタビュー

119年の歴史ある会社

ーーまずは御社について、沿革や事業内容を教えてください。

宮下さん(以下、宮下):当社は1903年に創業し、119年の歴史がございます。昔は蒸気機関車の一部を作っていたのですが、現在は粉砕機と呼ばれる機械を作っております。例えば、ボールペンのインクを作る工場に私たちの機械が入っておりまして、細かくしたインクを詰めるとボールペンが完成します。

カップラーメンだけでは必要な栄養を摂ることができない

ーー健康経営への取り組みを始めたきっかけは何だったのでしょうか?

宮下:当社は製造業になりますので、2014年頃に安全衛生のマネジメントシステムの運用を始めたのが最初のきっかけでした。安全への取り組みとしては、安全委員会で事故を減らす声かけを実施すると、目に見える形で事故は減っていきました。しかし、衛生や健康への取り組みは進めていくのが難しかったですね。

当社の社長は、社内の食堂でお昼ご飯を食べているのですが、多くの社員がカップラーメンや菓子パン・清涼飲料水を食べ飲みしている状況を見て、「これから先を担う若者はもっと栄養を摂らないといけない」と昼食の栄養不足や、社員の健康状態を問題視していました。そのことがきっかけとなり、県内の管理栄養士をかかえる企業さんにご協力いただき、健康診断の結果を改善するなど、健康経営への取り組みを強化していきましたね。

ーー具体的にはどのような取り組みをされているのですか?

宮下:健康診断の結果を分析すると、当社の社員の健康課題には、血糖値が高い・肝機能が悪い・コレステロールが高いという3つの原因が挙げられました。それぞれの健康課題を改善できるように、この3つの課題に分けてグループを作り、6月の健康診断に備えて目標を設定し、みんなで声をかけ合い活動を行ないました。

同じ健康課題だと「この食事は良くないらしい」「これが効くらしい」などの会話が生まれ、コミュニケーションを取るなかで健康への意識が上がっていったように思います。実際に私も血糖値のグループに参加していましたが、「野菜を食べてからご飯を食べる順番にすると良い」「同じ食べ物でも糖質が低いものを選ぼう」という話をしていました。

コレステロールが高いグループでは、青魚が体に良いということで、「どうしたら缶詰の魚をおいしく食べられるのか」会社のなかで簡単にレシピを紹介して、それぞれの自宅で実践していましたね。この活動は2016年頃に実施しました。この活動から、当社では健康診断の結果をコミュニケーションツールとして、「私はここの項目が悪い」「これが体に良いらしい」などの話で盛り上がるようになりました。

ーー先ほどお話しいただいた「昼食に栄養を摂れていない」という問題に対しては、どのようなお取り組みをされましたか?

宮下:昼食をカップラーメンだけで済ませる社員が多く、社長が社員の栄養不足を問題視したことで始まったのが「健康弁当」という取り組みです。現在は、栄養価の高い玄米入りのお弁当を230円で社員に提供しています。この価格は、会社が料金の半分を負担することで実現しました。開始当初は、健康弁当の良さを多くの社員に実感してもらうため、3カ月無料でお弁当を配布することで、社員への周知を進めました。その頃は100名ほどの社員が食べてくれていましたね。

ただ、お弁当のお米は白米が主流なので、玄米を炊いてくれるお弁当屋さんを探すのは本当に大変でした。一生懸命探した結果、県内に工場があるまごころフーズ京葉さんにご協力いただけることになって本当によかったです。

玄米に入っている成分には、食欲の抑制や食後の眠気の解消、血糖値が緩やかに上昇するなどの特徴があるので、お昼ご飯を食べたあと眠くなる人にもおすすめですね。現在はテレワークで勤務する社員や、出張に行く社員もおりますので、50名ほどが利用している状況です。

これらの取り組みをして、健康診断結果の数値が改善するだけでなく、体のだるさがなくなったなどの反響をいただいています。

会社の規模に合った施策を適切なタイミングで進める

ーー健康経営を進めていくなかで意識していたこと、大変だったことはどのような部分ですか?

宮下:健康経営取り組み始めてから、「社員にいろいろな取り組みを、一方的にやってもらう形にならないようにしよう」というのは常に意識してきました。また、会社の規模に合わせた内容であるべきだとも思います。私たちの会社は、社員150名の中小企業ですから、大企業の施策を真似しても継続していくことができないですからね。

当社に適切な施策を、適切なタイミングで進めていくことを重要視して、社員のことを想い取り組んでいることに自信を持って発信することで、社員にもその気持ちが伝わり、実践してくれることを実感しています。そのため、特段大変だったということはないですね。

ーー健康経営を進めていくなかで、社員の方の反響はいかがでしたか?

宮下:健康弁当に関しては、食べ続けている方から「今後も続けてほしい」という声を多くいただいています。おかずにも噛みごたえのある野菜が入るなど、おいしく食べていただいています。

健康診断の時期に、健康診断とストレスチェック、健康アンケート行なっていますが、アンケートの項目に「あなたの会社の経営者は、従業員の健康づくりに関して熱心だと思いますか?」という項目があります。その回答として、75%もの社員が「とてもそう思う・そう思う」という回答をしてくれました。社員が我々の活動を良く見てくれていると知り、大変うれしく思います。健康アンケートの結果の存在は、今後の活動計画に役立てられるので大変ありがたいです。

健康な体で次のステージをむかえられるように

ーー今後の展望として、注力したい取り組みや目標を教えてください。

宮下:健康経営の担当者としては、まだまだ健康への意識の差があることが課題だと思います。さまざまな取り組みに参加している人だけが健康になるのではなく、働いている人全員に健康になって欲しいので、今はそこまで健康に興味がない人にも少しずつ参加してもらうというのが、今後の目標です。

そのためには、「睡眠のセミナーを開催するから、興味のある人は来てください」という運営ではなく、全社員に参加をしてもらうことも必要だと思いました。11月に開催する勉強会では、全社員向けに、睡眠、食事、運動、コミュニケーションの四つのテーマで行ない、健康について考えるきっかけづくりを目指しています。

アシザワで働いていると、仕事で自分の夢を達成できるだけでなく、働いているだけで健康になれるような会社を目指していきたいですね。20代から60代のほとんどの時間を会社で働いていただくわけですから、会社としても定年退職をむかえたときに、健康かつ仕事をやり切ったというベストな状態で、次のステージに送り出したいという私なりの目標もあります。体がボロボロでもう働けないとか、次の楽しみがないという状態ではなく、65歳でも健康で、「よしこれから山でも登るぞ」というような姿を見ることができたらうれしいですね。今後も、会社を辞めるまでの健康をサポートできるような取り組みを、当社のできる規模で続けていきます。

健康経営の担当者は会社の元気印

ーー健康に関心のある読者の方や、健康経営を担当されているご担当者に向けて、最後にメッセージをいただけますか?

宮下:健康経営の担当者が元気でいないと社員のみんなも元気になれないと思うので、担当者のみなさんはご自身の健康をまず整えていただければと思います。「あの人と話すと元気になる」、そういう会社の元気印が必要です。担当者の方は、お悩みになることも多いと思いますが、周りの手を借りながら、わからないことは社員に直接聞きながら進んでいきましょう。

ーーお話いただき、ありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:アシザワ・ファインテック株式会社

インタビュアー:塩野実莉

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