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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

目からウロコの施策「元気手当」や、農業で生涯健康に働ける会社を目指す会宝産業株式会社へインタビュー

健康経営は社員の提案から始まりました

ーー本日はよろしくお願いします。貴社の事業内容についてお聞かせください。

近藤さん(以下、近藤):1969年に創業し、自動車のリサイクル事業をしております。みなさんからいらなくなった自動車を購入して解体し、パーツを90カ国に輸出しています。従業員数は90人弱くらいで、グループ会社を含めると120人ほどです。

ーー健康経営を始めたきっかけを教えてください。

近藤:2018年10月に「会宝2030」というプロジェクトを立ち上げたことがきっかけとなりました。一般的には、経営者が会社の未来についてのビジョンをつくりますが、「会宝2030」では、社員自らが2030年の会宝産業を見据えて、発案や活動を進めていくというプロジェクトです。

プロジェクトへの参加者を募ったところ、17人の社員が手を挙げてくれました。そこで4つのチームをつくり、その1つが健康経営のチームです。経営者の私から「健康経営をやろう」と言ったわけではなく、社員のほうから「健康経営に取り組みたい」と言ってくれて、理念をつくりあげ、運営も行なってくれています。

ーー従業員のみなさんの健康状態で改善が必要だと感じることはありましたか?

近藤:全社に対して行なったヒアリングでは、肩こりや腰痛、精神的なストレスがあるという声を聞いています。そこについても取り組みを進めていますが、体の健康もとても大切ですよね。体をつくっているのは食べ物なので、食への意識を持ってもらうことも必要だと感じていました。

自社で栽培した野菜を使って進める、健康経営の取り組み

ーー具体的な施策について教えてください。食事についてはどのような取り組みをされていますか?

近藤:弊社は農業もしていますが、今年から野菜の栽培には農薬を使わないようにしました。以前は甘い野菜を栽培するために農薬を使っていたこともありますが、やはり体にいいものをつくることへチャレンジを進めていきたいですね。

本社では、健康経営のチームが月に1回、無農薬の野菜を使った「健康味噌汁」をお昼に振る舞ってくれています。社員からも「おいしい」と好評です。無農薬で安心して食べられ、栄養を考えられたメニューだからこそ、舌先だけでおいしさを感じるのではなく「体が喜んでいる」という感覚を私自身も体験しました。

健康管理ができた人に手当をつける制度

ーー「元気手当」という手当があるようですが、これはどのようなものでしょうか?

近藤:元気手当は、健康診断の結果に基づいて手当が現金で支給されるしくみになっています。例えば、健康診断結果に要注意マークがなく、1年間病欠なし、BMIが21.5から22.5の人であれば「超健康」として現金36,000円が支給されます。

社員が健康で働いてくれたら、それだけ会社も利益をあげられるので、この金額が高いとはまったく思いません。むしろ安いくらいです。健康管理ができている社員に手当を支給できるこの取り組みは、社員も健康になれるうえに現金が支給されて喜んでもらえていますし、会社にとっても社員が健康で働いてくれるのはうれしいことなので、良い仕組みだと思っています。

ーー生涯雇用を目指した施策があるとお聞きしていますが、詳しく教えていただけますか?

近藤:父親である会長は昔から「今後、食糧危機が起きるだろう」と予測しています。飽食の時代に考えられないと思うかもしれませんが、インフレや、ロシアのウクライナ侵攻で穀物が入りにくくなってきていることを考えると、会長のいっている食糧危機の前兆とも思えてきます。

もし本当に食糧危機が起きたとしても、社員が食べ物を確保できるようにという意味もあり農業をしているのですが、農業を展開することは生涯雇用にもつながると考えています。
車を解体するのは重労働なので、高齢になって現場が体力的にきついと感じるようになった社員には農業へ移ってもらうことで、年齢を重ねても働ける環境を用意できるからです。

また、解体する車から油が出るので、その油を燃料にすることで、低コストでのハウス栽培が実現できています。最初はトマトの栽培から開始し、今では、葉物野菜、ピーマン、サツマイモ、ナス、オクラ、ニンニク、キュウリなどにもチャレンジしています。

ーー健康経営を始めて従業員からの反響はいかがですか?社内での変化もあれば教えてください。

近藤:「元気手当」を始めてからは、健康診断の1カ月くらい前になるとみんな体重管理にストイックになるようになりました。「超健康をとるぞ」と意気込んでいる人もいて、健康を意識するきっかけになったと思います。

また、「会宝食堂」という社内食堂を開設したのですが、社員の方は喜んでくれていますね。会長が、以前から「従業員に夏は冷たいものを冬はあたたかいものを食べさせてあげられる食堂をつくりたい」と言っていました。健康経営チームはその想いを聞いて、自分たちで考え、健康味噌汁を一生懸命ふるまってくれました。私も何か応えたいという気持ちで、月に数回のペースですが、食堂を開いています。徐々に回数を増やしてお昼は常時開くようにしたいと思っています。

自然食品を使った昼食が摂れる食堂を作りたい

ーー今後の展望について教えてください。

近藤:自然食品を使った昼食を毎日振る舞えるようにしたいと思っています。本社を移転させることも考えており、新しい工場では体に良い食事が楽しめるレストランを作って、社員だけでなく家族や関係者や地域の人まで利用できるようにしたいです。自分だけでなく、周りの人たちも健康にできるよう、健康経営チームを中心に活動を広げていきたいと思っています。

ーー最後に、読者へメッセージをお願いします。

近藤:誰しも「病気にならない」「若いから大丈夫」と考えているのではないかと思います。たしかに、病気にならない可能性もあります。でも「自分は大丈夫」と慢心するのではなく、病気を予防するという意識をもって、食生活をはじめとする生活習慣を正していくほうがいいのではないでしょうか。

ーー本日は貴重なお話をありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:会宝産業株式会社

インタビュアー:塩野実莉

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