サントリーウエルネスオンラインの健康食品・サプリメント・化粧品

企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

健康経営誕生前から健康経営を実践!株式会社東京すずらん

代表が大切にしてきたことは「健康経営」そのものだった

ーーまずは御社の事業内容や沿革についてお聞かせ下さい。

池ノ谷さん(以下、池ノ谷):弊社は飲食店様をメインに、おしぼりや玄関マット・浄水器などのレンタル事業をしております。コロナ禍の影響もあり売上が伸び悩んだことから、最近はおしぼりを白くする技術を活かしてユニフォームの洗濯サービスなども始めました。

そのほか、飲食店様が必要とされる洗剤やサランラップなどさまざまな消耗品を取り扱っており、おしぼりとともにお客様が必要な物を何でも取りそろえられるようにしております。

弊社は栃木県の石川商店というそば粉屋から始まっており、もともとは飲食店様にそば粉の配達をしていました。前々回のオリンピックの際に、そば粉の配達先のお客様から「お客さんがたくさん来るようになり忙しくなってきたためおしぼりを洗ってくれないか」との要望を受けて、おしぼり事業が始まりました。
歴史としては50年~60年ぐらいの業界になります。そこから東京の足立区で、RSSというおしぼり会社を本格的に始めました。拠点が7支店程あるなかの一つとして株式会社東京すずらんという事業所を持つ形になります。

ーー健康経営には、どのようなきっかけで取り組まれるようになったのですか?

池ノ谷:実は健康経営という名前が出てくる前から、弊社は心身の健康をしっかり整えることで会社の生産性が上がるという考えのもとで経営をしてきました。おしぼり業界はまだ60年ほどと歴史が浅いです。

組織としてはまだまだ成長できていないところもあり、少し暗いイメージを持たれることもありました。業界全体のイメージを変えていきたい、また、おしぼり屋さんは男性の多い業界で、女性が活躍していく業界にしていきたいとの想いも社長は持っていました。

若い子たちが憧れるような業界を目指し、会社の規則をつくるなど環境を整えていきました。そのなかでも、会社側の自己満足で「いい会社」にしていくのではなくて、外部から評価されないと意味がないというところにたどりつきました。

そこで、何か自分たちで取得できる認証や認定はないか相談したところ、社労士さんが健康経営に関する資料を持ってきてくれたことがきっかけです。

問い合わせてみたところ、すぐに埼玉県の健保組合の方がいらしてくださいました。

ヒアリングを受けるなかで、弊社の取り組みは健康経営そのものだから今やっていることを書類に書いて出せばいいんだよと言われて、申請したら健康経営の認定を受けたという形です。健康経営のために何かしたというよりもともとの取り組みが、国が健康経営として認める取り組みと合致したというのが現状です。

ーー取り組みを始めるにあたり、改善が必要と感じていた部分はありますか?

池ノ谷:弊社は高齢の従業員が多くて、なかなか動こうとせず食べ物も好きなものしか食べない方がどちらかといえば多い印象です。そのため、食生活や運動をしっかりすることは必要だと考えていました。

狙いは人間関係を良好にして仕事につなげていくこと

ーー具体的な施策を教えてください。

池ノ谷:会社の目の前に桜の木があるのでお花見パーティーを開いて飲食しながら会話をしたり、パンを作るのが得意な人が先生になってパン作りをしたりしています。他にも、身体を動かすために山に上ったり、会議室の机にネットを張って卓球をしたり、会社の周りをマラソンしたりもしています。ただの飲み会や集まりではなく人間関係を良好にしてお互い信頼できる関係になるような取り組みをして、仕事にもつなげていこうという考えでさまざまな取り組みをしています。

また、産業医の先生を招いて、月に一度衛生委員会を開催しています。産業医の先生に来ていただいたときは、1回につき従業員4名と面談していただいています。他にも健康診断やストレスチェックの結果に応じて、必要な方は先生と面談をしていただくことを毎月しています。

あとは、3カ月に一度は今従業員が関心を持っていることや、先生が伝えたい情報を1時間お話いただいています。例えば、コロナのことやインフルエンザのこと、梅雨時は腰の痛みを抱える方も増えてくるので不調とどうやって付き合っていくかといったこともお話しされます。女性の従業員が多いので女性特有の病気についてのお話もありますし、男性に向けて家庭のお手伝いをしましょうといったお話をされることもあります。

ーー産業医の先生と従業員の方の関係性は、どのように見ていらっしゃいますか。

池ノ谷:従業員は私たちには言いづらいこともあると思いますし、産業医の先生には何でも相談してみるといいよと言っています。産業医の先生に対しても、何でも聞いてあげてほしいということは伝えています。

産業医の先生は病院の先生ですので、どうしても身体に関する相談になりがちです。身体だけではなく家庭関係なども相談できる、何でも話せるお友達みたいな関係になってくれればいいなと期待しています。

ーー健康習慣アンケートも実施されているそうですが、どのようなアンケートになっているのですか?

池ノ谷:今どれぐらい健康に対する意識を持っているのか、確かめるアンケートになっています。例えば、社内でお茶を飲みますかとか、買い物に行ったときに成分表示を見ますかといったことを聞いています。結果を見ながら、会社として弱いところをどのようにして強みにしていけるか考えています。

「お客様と社会の役に立ち社員の幸せを実現する」健康経営を通して理念の実現を

ーー健康経営に取り組むなかで、大変だったことはありますか?

池ノ谷:大変だったことはないです。他の会社さんは何かやるにしても、従業員が反対すると結構おっしゃるんです。弊社の場合は、例えば「ストレスチェックをやりましょう」と言うと、「わかりました」という感じで比較的協力的に取り組んでくれます。

ーー取り組みによる効果や従業員の皆さまからの反響はいかがでしたか?

池ノ谷:弊社はずっと健康経営をしてきたので、従業員が改めて「会社が何かしてくれてる」と意識することはないと思います。ただ、認証や認定をいただくようになったことで、ありがたみは感じてもらえるのかなと思います。もしくは、退職してから良い環境だったとわかってもらえるように思います。どちらかというと従業員よりも、外部に対してすごく効果があったように感じます。特に新卒採用には大きく影響していると思います。

一昨年に初めて大卒の新卒採用をして、2名の方に入社していただきました。話をしていると、今の学生さんは制度が整っているのかなど企業がどれだけホワイトに近いかという点をすごく見られていると感じました。2回目の新卒採用でも、たくさんの素晴らしい大学生の方から入社したいとおっしゃっていただいています。贅沢なぐらい多くの方に入社したいと手を挙げていただけたのは、健康経営のおかげかなと思います。

ーー今後、健康経営について注力されていくことがありましたらお聞かせください。

池ノ谷:自分たちの努力で楽しく健康になれることを、どんどんやっていきたいです。人間関係を良好にして人間関係の構築のなかから生産性を上げて、お客様の役に立てるように自分自身の人間性を高めるところまでつなげていければと思います。

弊社ではお客様と社会の役に立つことや、社員の幸せを実現することを理念としています。
何かあってもポジティブにとらえることができ、自分たちは幸せなんだと感じられる社員が集まって、誠実な仕事をすることによりお客様にも社会にも喜んでもらえるような会社になりたいです。 健康経営を通して、この理念につなげていければと思っています。

ーー健康に関心のある読者や、健康経営に取り組む企業の担当者へのメッセージをお願いします。

池ノ谷:健康経営を行なうことは会社のためにもなることではあると思いますが、会社で働くことによって従業員も会社の価値を実感することができて、お互いwin-winであるべきだと思うんです。健康経営の認証を取得したいという狙いから始められると思いますが、健康経営の政策ばかり言ってしまうと従業員もやらされていると感じてしまいます。

ですので、会社としての想いをしっかり伝えてあげることが大切だと思います。

例えば弊社では、1週間に1回ある朝礼のなかで健康経営という言葉はまったく使わずに、食事はこういう風にしたほうがいいですよという話をすることもあります。他にも、お昼に食事を一緒に食べる際に食事のアドバイスをすることもありますし、体に痛みを感じた時はすぐ産業医の先生を呼んでフォローもしています。日々の小さなことが、最後に健康経営につながっていくように導いています。

ーー本日はお話いただき、ありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:株式会社東京すずらん

インタビュアー:朝本麻衣子

商品を探す

健康食品・サプリメント

スキンケア・ヘアケア

健康グッズ