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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

健康経営は「変化と共有、見える化」が大切!旭建設株式会社にインタビュー

総合建設業として千葉県の生活基盤を築いてきた「旭建設株式会社」

ーー本日はよろしくお願いします。まずは御社の沿革やおもな事業内容などを教えてください。

西田文子さん(以下、西田):弊社は1939年に創業した建設会社です。創業以来、千葉県の発展とともに成長し、今年(2022年)で創業83年になります。2015年には千葉県内の建築業売上高トップである(株)新昭和グループの一員になりました。

おもに総合建設業として大型の建築物を担っており、過去には幕張メッセや千葉県庁の建築設にも携わっています。現在も主に千葉県内の商業施設やマンション、老人ホーム、工場、社屋などの大型建設を担っている会社です。

弊社は「めざせ100年企業」をスローガンとして掲げ、信頼と実績、高い建築・施工能力を融合させて、今後も地域社会から必要とされ続ける企業、社員が誇りに思える企業を目指しています。

ーー御社はブライト500の認定を受けていると思うのですが、健康経営を始められたきっかけを教えてください。

西田:2017年4月頃、採用強化へ向けての施策に悩んでいたところ、健康保険組合の方から紹介を受けたのがきっかけです。

建設業界は長時間労働の問題が不安視されていたり、きつい・汚い・危険というイメージが強かったりといったことがあると思いますが、健康経営の取り組みを社内外へ発信していくことで、クリーンな建設会社であることのアピールに繋がると考えました。

働き方改革や健康経営については、人数が少ない中小企業だからこそスピード感をもってできることもあり、大手企業や他社との差別化を迅速に行なうことで、人材の獲得と定着にも繋がると考えています。

ブライト500認定についてはとても驚きましたが、認定基準全項目を一つも落とすことなく、無事に認定を受けることができました。

ーーありがとうございます。ブライト500については初年度から取れたのでしょうか。

西田:2018年から健康経営優良法人の認定を戴き、ブライト500については2021年の新設初年度から、2022年と2年連続で認定を受けることができました。

弊社が加入する健康保険組合は、歴史も古く、多くの土木建築事業所が加入していますが、首都圏でブライト500認定を戴いたのは弊社のみとなり、地元新聞でも取り上げて下さいました。

建設業界全体をみると、まだまだ健康経営に対する認識や、時間外労働時間に対する働きかけが難しいと感じています。弊社としては、今後も健康経営の取り組みを通じ、様々な問題を解決できるよう社員一同、努めて参ります。

ーー社員の皆さまの健康状態について、改善が必要だと感じていた点はありますか?

西田:2020年度は、なんと社員の約65%にあたる55名が生活習慣病の要対象者として、保健指導の対象となってしまいました。社員には、長く健康に活躍してほしいと考えたとき、生活習慣病やそれに起因する疾病の予備軍が多いというのは、問題があると感じました。

新たに入社を検討してくれている方や、若手社員からみても、不健康そうな先輩社員や上司が多くいる会社では働きたくないと思いますし、これからもより一層健康経営の取り組みに力を入れ、健康な「人」=魅力ある会社づくりに尽力していきたいです。

社員の健康を守るための「人間ドックの全額会社負担」と「徹底した感染予防」

ーー実際の施策について詳しく教えてください。

西田:施策の一つには、人間ドックの全額会社負担があります。人間ドックを推奨している会社は多いと思いますが、ほとんどの会社では健康保険組合からの一部助成を除いて、残りは本人の自己負担としているケースが多いのではないでしょうか。

弊社の場合、30歳以上の社員は全額会社が負担する形で人間ドックの受診予約を行なっています。また、任意になりますが、各種腫瘍マーカーや女性特有の乳がん・子宮頸がんなどについても、健診先の医療機関と協力し、通常よりも安価で社員に受けてもらえるようにしています。

ーーその他にも注力している取り組みはあるのでしょうか。

西田:感染症対策には、注力しています。当社の社員が感染することで、建設の案件を戴いている医療機関や、福祉施設の関係者様に感染させてしまう恐れもありますし、日々多くの方が出入りする工事現場でクラスターが起これば、影響は甚大です。一般的な対策は勿論、鼻マスクが怖いという声を聞き、自社オリジナルの感染症対策ポスターの作成や、アルコール消毒ディスペンサー、サーキュレーター等を協力会社へお送りしたりもしました。

通年でうがい薬の設置やマスクの提供なども行ない、特にマスクについては品薄だった時期もありましたが、備蓄が2,000枚近くあったので、円滑に社員へ供給することができて喜ばれましたね。

コロナワクチンの職域接種や、インフルエンザのワクチン接種も実施しています。インフルエンザのワクチン接種については本社で集団接種を行ない、全額会社で負担しています。本社で受けられない社員は、最寄りの病院で受けてもらうことになりますが、その場合の費用も全額会社で負担しています。

ITツールを活用した業務の効率化で長時間労働を改善

ーー建設業界は長時間労働が不安視されているとのことですが、長時間労働の改善についても施策をしていれば教えてください。

西田:健康経営では時間外労働に対する施策も評価に値します。どうすれば業務の効率化が実現できるのか、若手からの発案でITツールを導入し、成果が現れてきたところです。

例えば、これまで口頭や紙のメモで指示していたものをLINE WORKS(ラインワークス)で共有したり、フォトラクションという写真管理システム使い、現場で撮影した写真を、別の場所にいる社員がパソコンやiPadで瞬時に確認できるようにしました。

ITツールを有効に活用することで、現場に直接出向く時間やミーティングの時間が削減され、デスクワークに注力できるようにもなりました。

ーーLINE WORKSやフォトラクションの具体的な活用方法を教えてください。

西田:LINE WORKSはトークで所長や先輩社員からの指示を共有することができるだけではなく、メモやファイルも添付できます。

特に若手社員の場合は作業内容や計画書などを先輩社員に確認してもらうことが多くなるのですが、LINEでチーム全体に共有することで、一度に皆が確認することができるようになりました。打合せ中だったり、そこに居なかった者への伝え漏れ等も防ぐことができます。

先輩社員から指摘された内容やどのような作業をしているのかを全員で把握することで、スキルアップに繋がることは勿論、言葉だけでは伝わりづらいとった問題も解決でき、なくてはならないツールとなっています。

また導入前は、現場で工事写真を撮影し、事務所に戻ってからプリントアウト、確認していましたが、今では現場で撮った写真が瞬時に事務所のパソコンと同期され、すぐに指示がもらえるようになりました。紙やインクの削減にもつながっていますね。

ーーITツールを活用した業務効率化は、若手社員の意見を反映していると思うのですが、世代間のギャップという課題などはあったのでしょうか。

西田:世代間ギャップはありまして、やっぱり年配の社員のなかには、使っていないという方もいます。「週休2日を実現するために業務効率を改善する」、その方法は様々で、50代以上の社員では、手書きの手帳やメモを止めて全てiPadのメモ機能を使い、必要な内容をLINEで共有するという方法を取っている方もいます。それだけでも、円滑なコミュニケーションの一助となっているそうです。

ーーありがとうございます。健康経営を実践するうえで、大変だったことはありますか。

西田:健康経営の取り組みは、社員にとってもメリットのあることなので、反対する者もいなかったですし、基本的に大変だったことはないのですが、強いて挙げれば社内のベクトルを同じ方向に向けることでしょうか。

取り組みを始めた頃は、色々なアイディアが多方面から出てくるのですが、定着してくると名刺に認定マークが入るのも当然といったように、常態化してしまう点を懸念しています。

社員一人ひとりが新たな課題を認識し、解決へ向けて全社一丸となって動けるよう、担当の私自身、社内の声を拾いもれることがないよう意識しています。

ーー取り組みによる効果、社員の皆さまからの反響はいかがでしょうか?

西田:アナログになるのですが、弊社では会社全体の月毎の健康目標の他に、個人には年間を通して取り組む健康目標を記入してもらい、掲示板を通して共有しています。特に定期健康診断の直前などは、目標に対する話題も多くなり、社員も健康に気をつけている様子が目に見えてわかるようになりました。実は私もジムに通い、今年は健康課題を1つ解決することができました。これも書き出さなければ実現できなかったと思っています。

社員の意見を吸い上げながら健康経営に取り組みたい

ーー健康経営について、今後の計画や注力されていくことがあれば教えてください。

西田:健康経営の取り組みは、私が考えたものを実施しているというよりも、常日頃ほかの社員が実践している内容をベースにしている部分が大きいです。

ですので、私ができることは、社員が個々で改善に取り組んでいる内容や意見を吸い上げて、「こんな変化ができる!」ということを全社で共有し、社内外へPRしていくことだと考えています。

ーー健康に関心のある読者へのメッセージをお願いします。

西田:健康経営の取り組みは、外部機関に頼らなくても自社で必ずできることなので、ぜひ最初の一歩を踏み出してほしいと思います。最初は細かい申請書類に苦手意識がありましたが、しっかりと読み込んでいけばそこまで難しい内容ではないので、やる気がさえあればどなたでも挑戦できます。

健康経営の取り組み、一つひとつ丁寧に実施していくことで、会社の信頼や信用にも繋がりますし、社員にとっても働きやすい、誇れる会社を築くことができます。ぜひ、できることから積極的に取り組みを始めてみてほしいです。

ーー本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:旭建設株式会社

インタビュアー:朝本麻衣子

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