
「豊田東海警備グループ」は、愛知県内における機械警備、カメラ画像監視、貴重品輸送、常駐警備、イベント警備などの警備事業を担う企業です。
同グループは徹底した感染症対策をはじめ、会社内にトレーニングジムを開設する、長時間労働の見直しをするなど健康経営を積極的に推進。「健康経営優良法人」認定制度における中小規模法人部門のうち、上位 500社の企業を示す「ブライト500」も取得しています。
今回は健康経営を始めたきっかけや施策、今後の展望について、同グループの梅田重則代表取締役とグループ管理室の鈴木志帆さんにお話を伺いました。
愛知県三河全域を守る豊田東海警備グループ

ーー本日はよろしくお願いします。まず御社の事業内容について教えてください。
梅田社長(以下、梅田):当グループは「豊田東海警備株式会社」と「日本信託警備株式会社」の 2 社で構成され、業務内容によって会社を分けております。豊田東海警備株式会社では、機械警備と呼ばれる、施設に異常が発生するとセンサーが感知して警備員が現場に駆けつける業務と売上金回収業務を始めとする貴重品運搬業務を担当しています。
一方、日本信託警備株式会社では、施設警備と呼ばれる守衛業務やスーパー等の出入り管理、巡回警備に加え、イベント警備や工事現場での交通誘導警備も行なっています。
東三河を基盤としていた東海警備安全保障と西三河中心に営業展開していた豊田警備保障が10年前に経営統合し、豊田東海警備株式会社が誕生しました。この統合により、愛知県三河全域に警備サービスを展開できる体制が整いました。
ーーありがとうございます。健康経営を始められたきっかけは何だったのでしょうか?
梅田:当社が所属している蒲郡商工会議所が、他の地域と比べて早い段階で「健康経営優良法人」を取得しました。そして当社のような地元企業に対しても「健康経営にぜひ一緒に取り組みましょう」と働きかけをされていたんです。その動きをきっかけに、当社も健康経営の取り組みを始めました。
警備会社は人が資本の会社ですので、働く人たちが健康でなければ業務が成り立ちません。長時間労働や厳しい環境での仕事が多い我々の業界こそ健康経営が重要です。経営方針として健康経営への取り組みを明確に示すことで、それらの問題を改善できると考えています。
社内にトレーニングジムを開設

ーー健康経営の具体的な取り組みについてもお伺いできますでしょうか。
梅田:まず、社内にトレーニングジムを造りました。蒲郡本部事務所の 4 階にあった部屋は3年前に亡くなった創業者の執務室でしたが、ずっとそのままの状態になっていたんです。
広いスペースでしたので何か活用できないか、警備会社の特色を活かせないかと考え、社員の誰もが24時間365日自由に利用できるトレーニングジムを作ることで他社と差別化ができると思いました。
トレーニングジムには体重・筋肉量・脂肪量を測ってくれる体組成計や、病院に置いてあるような血圧計も導入しています。血圧を測りたいだけの人も階段で4階まで上がってくるので、これだけでもちょっとした運動です。
鈴木さん(以下、鈴木):トレーニングルームの隣は会議室になっていますので、新入社員の方や中途採用候補者の方が採用面接で来社する際に、あえて 4 階の会議室で面接をしています。
社員が休憩中にトレーニングしている様子を目にすることで、健康増進に力を入れている当社で働きたいと思っていただけるという効果もありますね。
徹底した感染症対策

ーー御社では感染症対策も徹底されているそうですね。
鈴木:従業員がコロナに罹り業務が停止しないよう、全従業員が体調管理に気を付け、消毒なども徹底しています。
豊田本社の入口には顔認証の熱感知システムがあります。設定温度以上に熱が高い人には事務所の自動扉が開かない設定にしてあるので、駐車場で待機してもらって対応しています。
また、蒲郡事務所では熱感知システムで熱を測る際に除菌ミストが浴びられるのも特徴です。このように、ウイルスを持ち込まないよう対策を徹底しています。
ウォーキング大会やマラソン大会に参加

ーー地域のスポーツイベントについても教えてください。
梅田:運動好きな人や走ることが好きな人を中心に、地域のスポーツイベントに以前から参加しています。
もともと10年以上前から、新入社員研修の一環で100km歩くウォーキング大会に毎年参加していたのですが、コロナ禍でこの3年は中止となりました。そのため今年は豊川市で開催された、フルマラソンをチームのリレー形式で走る「豊川リレーマラソン」に初参加しました。
今後も健康経営の一環として、積極的にイベント参加していこうと考えています。
労働時間や有休取得率を毎月確認
ーー健康経営を推進されるうえで、大変だったことはありますでしょうか。
梅田:初めて健康経営優良法人の認定を受けた頃は、まだ警備員の長時間労働や有休取得率の低さが課題となっていました。
そのため年度始めの経営企画では、「有休取得は一日でも多く」「残業時間の削減は 5%でも少なく」という目標を掲げ、進捗状況を確認して目標に近づくように従業員に働きかけています。
長く働けて、魅力ある警備会社を目指して

ーー健康経営について、今後の目標や展望がありましたらお聞かせください。
梅田:健康経営に取り組むことで、全従業員が健康で長く仕事を続けられる環境を作っていきたいと考えています。
当社は高齢の従業員が多い傾向にありますので、病気が原因で退職を余儀なくされる方を少しでも減らせるように取り組んでいます。オンラインツールに慣れていない方も多いですが、今後もあらゆる方法で顔を見ながらコミュニケーションを図り、皆さんの健康に対する意識を高めていきたいですね。
鈴木:直行直帰の働き方をしている従業員が多いので、これからは食の健康についての発信も必要だと考えています。現在は社内報を使って健康情報やインフルエンザ予防接種の会社負担に関する案内などを発信しているのですが、他にも引き続き効果的な方法を探っていきたいです。
ーー最後に読者の方へのメッセージをお願いします。
梅田:警備業界に対する世間的なイメージは良い方向に変化してきていると思います。地域の皆さま、契約先企業の皆さまの安全を守るのはもちろんですが、近年はサービス業に近い側面もあり、警備員は親しみやすさも求められる存在です。ぜひ身近な存在として警備業界にも興味を持っていただけたらと思っています。
ーー本日はお話いただき、ありがとうございました。
今回お話を伺った企業はこちら:豊田東海警備グループ
インタビュアー:青柳和香子
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