
丸尾興商株式会社は、静岡県で管工機材・機械工具や住宅設備機器を卸している会社です。社員が仕事と家庭を両立できるよう、育児休暇の取得率100%などワークライフバランスの取り組みに力を入れています。また、健康経営優良法人2022では、中小規模法人部門の上位500社に与えられるブライト500へも認定されています。
今回は、専務取締役経理部長を務める豊田さんにお話を伺いました。
所定休日だけでも、年間120日を超える休みがある

ーー御社の沿革や事業内容について教えてください。
豊田さん(以下、豊田):静岡県島田市に本社を構え、管⼯機材・機械⼯具・住宅設備機器・産業機器などを卸し、地域密着でスピード感を持ったデリバリーを強みとしている会社です。従業員数は335名ほどが在籍しております。
ーー健康経営を始められたきっかけを教えてください。
豊田:保険会社からご紹介いただきまして、健康経営優良法人のチェック項目を確認したところ、当社でも既に取り組んでいるものが多かったので申請を行なったことがきっかけです。特に、ワークライフバランスには気をつけていたので、従業員の働きやすい環境作りの項目にはチェックが多くつきました。
働きやすい環境の整備として、男性の育休制度、残業を減らすために水曜日をノー残業デーに設定、勤怠もスマートフォンのアプリで行なえるように環境を整え、テレワークの推奨など多様な働き方を推進しています。
また、当社は特別休暇も多いですが、有給休暇や特別休暇を入れない会社の所定休日だけでも120日ほどあり、休暇をしっかり取ることができます。それに加えて、特別休暇やバースデー休暇、永年勤続特別休暇、男性の育児休暇などを取得することができるので、従業員の方がしっかり休めるような体制を整えています。
家族間で育児の大変さを理解し合うために、男性の配偶者育児休暇制度を作った

ーー他にはどのような施策に取り組んでいらっしゃいますか。
豊田:お子さんが生まれたら5日間育児休暇を与えていますが、それだけでなく連続して取得した場合には、育休奨励金として5万円 を支給しています。このような体制を取らないと、取得しない社員がいたので現在はこのような制度になりました。この育児休暇では、家庭内で育児の大変さを理解して、今後も家族間で育児を協力し合えるような時間になってほしいと考え、行なっているものです。そのため、オムツを交換している様子やお風呂に入れている様子など、育児を行なっている様子を写真に撮ってもらい、感想を提出してもらいます。その内容を当社のホームページで、社外に向けても発信しています。現在は男性社員も育児休暇の取得率は100%です。
また、残業時間を減らしていくために、残業時間が30時間に近づくと上長にアラートメールが届くようにしています。アラートが鳴った社員は上長と話をする必要があり、そこで業務内容や勤務時間の現状を把握できるような体制です。現在、当社の平均残業時間は9.1時間ですが、今後は平均残業時間8.5時間を目指します。
休暇を家族とゆっくり過ごしてもらうために

ーー健康経営の取り組みを行なうなかで、従業員の皆さんの反響はいかがですか?
豊田:当社では、カムバック制度というものもあるので、一回辞めた方も再度戻って勤務することができるのですが、この制度を利用して戻ってきてくれる従業員も結構いらっしゃいますね。そのため、この制度をありがたいと思ってくれている方も結構いらっしゃいます。
また、永年勤続特別休暇を取得するときには、家族との旅行費用や記念日などで家族に贈るプレゼント、家族と食事する費用などを勤務年数に応じて会社で補助しています。会社に長く勤めていただくには本人の頑張りも当然ありますが、家族が協力してくださっているからこそだと考えています。普段、1日8時間以上も会社で勤務していただいているので、休暇のタイミングでは家族でゆっくり過ごしてもらいたいです。この制度はご家族の方にも喜んでいただけているようです。
ーー今後の展望として、健康経営に関する今後の計画や今後の目標を教えてください。
豊田:長く勤めていただける会社であるための健康経営の取り組みを、今後も進めていきたいと思っています。そのためにどのような取り組みが必要かというのは、その時々や状況によって異なりますので、いろんな取り組みの実施や社員とのコミュニケーションを図るなど、走りながら考えていく必要があります。
健診については全額会社負担で受診していただくことができますので、何かあったらすぐに受診していただき、休暇制度も取り入れながら、今後も社員が体の健康と心の平穏を保っていければと思います。
また、いろんな取り組みを行なっていますが、本当にこの取り組みで効果が出ているのかというのを、健康アンケートを取り入れながら測っていく必要もあると考えています。各支社に健康経営のスタッフがおりますが、まだ組織に隙があると感じていますので組織体制も整えていければと思います。
また、社内の禁煙化も進めていきたいですね。喫煙者の方との兼ね合いを確認しながら、全支店で全面禁煙を進めていければと考えています。
いろいろな企業と協力して、健康経営を進めていきたい
ーー健康に関心のある読者の方や企業の健康経営のご担当者様に向けてメッセージをお願いいたします。
豊田:私個人としては、皆さんが元気で長く勤めてもらえるように健康経営の取り組みを進めていきたいと思うので、いろんな企業と連携とって、協力して進めていけると良いと考えています。そのように、企業の健康経営担当者同士で話して、取り組みなどを紹介し合って、アイデアを広げていくことで一緒に頑張っていければと思います。
ーー本日はありがとうございました。
今回お話を伺った企業はこちら:丸尾興商株式会社
インタビュアー:塩野実莉