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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

心も体も元気に長く働ける会社へ。株式会社西田製作所へインタビュー

従業員からの声かけで健康経営が浸透

ーー本日はよろしくお願いします。御社の沿革や事業内容についてお聞かせください。

得永さん(以下、得永):1986年創業の会社で、製造業をしております。おもに、精密板金業、それ以外に機械加工や、組立といった仕事も一緒に行なっております。産業機器はもちろん、アミューズメントパーク関係や劇場舞台なども手がけています。

ーー健康経営を始められたきっかけや、健康経営優良法人認定の申請に至った経緯を教えてください。

民さん(以下、民):最初のきっかけは生命保険会社さんから健康経営の説明を聞いたことです。これまで、スタッフ一人ひとりが思いやりの心をもって接するように伝え続けて、温かい会社作りに取り組んできたこともあり、生命保険会社さんからの説明のなかで出てきた「心の健康」という言葉がとても私に響きました。

得永:最初、アクサ生命さんからの話を聞いたのは社長だけでした。そのなかで取り組みを始めたいという話になったので、社長が旗振りを始めたんですよね。ただ、社長が先導でやるとなると「会社側からやらされている」「やらなきゃいけない」といった風にとらえてしまう社員もいるのではないかという点が懸念されました。

そこで、健康経営に取り組むにあたって、社員のなかからより健康に関心のある従業員2人を専属スタッフとして選出しました。同じ社員同士のなかから健康経営の話が出てくるので、少しずつ耳を傾ける従業員も増え、賛同し、参加してくれる従業員も増えていきましたね。

家に帰る前に、ほっと一息つける社内カフェ

ーー従業員の健康状態について、改善が必要だと感じていた点はありますか?

民:特定のスタッフが休みがちになっていたことです。ただ体が病気でしんどいというだけではなく、精神的にもしんどいのかなっていうのがずっと気になっていたところでした。悩んでいるのかもしれない、と気付いたときには、私や得永が1時間でも2時間でも話を聞くこともありますが、会社としてよりメンタル面のケアに力をいれていくことが必要だと思っていました。

ーー実際の施策について詳しく教えてください。

得永:毎月1回、禁煙や食生活といった健康に関するテーマで生命保険会社さんがセミナーを開いてくれていました。そのあとにディスカッションの時間を設けて、個人的に話を聞きたい人はより詳しく話をしてもらい理解を深めてもらいました。

また、スタッフのなかに以前、ジムで働いていた経験をもつスタッフがいました。そのスタッフに、15分の休憩時間でもできるストレッチ体操を考えてもらい、みんなで実践しています。5分程度でできるタオル体操ですが、もう3年くらい毎日継続して行なっていますね。

民:禁煙協力者には禁煙グッズ(離煙パイプ)の無料支給や、禁煙外来治療にかかる費用を全額会社で負担させてもらっています。また、禁煙成功者には10万円のインセンティブを支給させてもらっています。喫煙スペースには勧奨ポスターを貼り出し、積極的に喫煙者の減少に取り組んでいます。

ーー移転した社屋にも、心と体の健康に関する工夫をされているようですね。

得永:新しい社屋には、精神的にリラックスできるカフェのような空間と、トレーニングルームをつくりました。精神的なストレスが溜まったときに、リラックスして気持ちを落ち着かせられる空間があればいいなと思いました。家に帰れば小さな子どもがいて、癒される反面なかなか落ち着いて一息つくことはできないかもしれません。会社の空間でコーヒーを飲んでぼーっとするとか、たとえ15分でも30分でもそうした息抜きの場所があれば、ストレス解消に役立つのではないかと考えています。

トレーニングルームは体のケアを目的に作りました。日曜日でも開放していて家族の同伴もOKです。会社内にトレーニングルームがあることで、わざわざ外部のジムへ行かなくても、仕事終わりでも運動できる環境になっています。また、家族に働いている会社を見てもらうことでも安心もしてもらえるとも考えました。

無意識に健康に意識が向くように

ーー健康経営を実践するうえで、大変だったことはありますか?

民:会社全体に「健康経営」というものを浸透させるのが難しかったですね。私からの発信だけでは難しかったので、2名の健康経営推進担当者から、従業員に声かけをしてもらうことでここまで浸透してきました。

ーー取り組みによる効果、従業員からの反響はいかがでしょうか?

得永:取り組みに参加してくれてはいましたが、当時は半信半疑だったと思います。ただ、今となっては「健康経営」と意識しているわけではないけど、取り組みを通して無意識のうちに「健康」ということに意識がむいてきたと思います。例えば、自動販売機のなかにトクホ飲料があればそれを選ぶ、砂糖入りの飲料ではなく無糖の飲料を選ぶといった変化です。

ちょっとしたことが変わりはじめて、社員のなかで何かを企画するという場面になったときも、健康のことを考えたうえで「この方がいいのでないか」という意見が自然と出てくるようになってきましたね。

思いやりの心を大切に、メンタル面の取り組みを強める

ーー健康経営について、今後の計画や注力されていくことがありましたらお聞かせください。

民:私が経営者として一番大切にしてきたのは「心」です。特に「思いやりの心」の大切さについてはこれまでずっとみんなに伝えてきました。どれだけ体が健康でも心が弱っていたら、病気にもかかりやすくなってしまいます。健康経営といって体ばかりに注目するのではなく、メンタル面への取り組みも今まで以上に強くしていき、みんなが元気に働ける会社にしていきたいですね。

得永:本人は何気なく放った言葉でも、言われた方がストレスに感じることもあります。ストレスを溜め込まないように、新しい社屋のカフェスペースなども活用してほしいですね。また、トレーニングルームに卓球台も設置しました。そこで軽い運動や、コミュニケーションを通して心の健康も守っていけたらと思います。

ーー最後に、健康に関心のある読者へのメッセージをお願いします。

得永: 経営者側の人間がどれだけ健康経営に向けて動いても、どれだけ健康経営優良法人の認定を取りたいと思っていても、それだけでは難しいと思います。実際に働いているスタッフのなかで、健康への意識を高くもっている方は必ずいるはずだと思うので、そういう方を中心に広げていくのも一つの手段です。経営者側が旗を振るのではなく、みんなにゆっくり進めていってもらうことで、結果的には広がりが早くなるのではないでしょうか。

ーー本日は貴重なお話をありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:株式会社西田製作所

インタビュアー:塩野実莉

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