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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

お客様とドライバーの命を守り、生産性を高めるために。宇治第一交通株式会社へインタビュー

体調不良や病気による事故を防ぎ、生産性も高めたい

ーー本日はよろしくお願いします。御社の事業内容や健康経営を始めたきっかけについて教えてください。

上田さん(以下、上田):当社は、一般乗用旅客自動車運送業のタクシー業を営んでいる第一交通産業グループの会社です。第一交通産業では通常のサービスに加えて、妊娠中や3歳未満のお子さんを育てている女性を対象に「ママサポートタクシー」という登録型の配車サービスを提供するなど、皆様の生活を支える総合生活産業としてさまざまなサービスを展開しています。

宇治第一交通で健康経営を始めたきっかけは、健康管理の大切さをドライバーさんに意識してもらいたいと思ったことです。お客様の命を預かる仕事ですので、体調不良や病気が原因の事故を防ぎたいと考えています。

また、体調不良で仕事をすると早退や欠勤につながり、生産性が下がってしまいます。お客様の命はもちろん、ドライバーさん自身の命を守って仕事の生産性を高めるためにも、健康経営が必要だと考えました。

運動促進のため、ウォーキングイベントやセミナーを実施

ーー健康状態について、特に改善が必要と感じていた点はありますか?

上田:ドライバーは、基本的に座りっぱなしの仕事です。エコノミークラス症候群の心配もありますし、歩いたり運動したりする機会がほとんどないことが課題だと感じていました。

ーー実際の施策について詳しくお聞かせください。

上田:運動に関しては、協会けんぽさんで実施しているウォーキングイベントに参加しています。スマートフォンに歩数記録ができるアプリを入れて、チームを組んで歩数を競います。人によって目標歩数は違いますが、私は1日1万歩をノルマにしています。

また、保健師さんによる体験型の健康セミナーを実施して、車から両足を出してできるような手軽な運動をレクチャーしていただきました。現在はまだ実施していませんが、ドライバーの皆さんにはタオルを使った腕・肩のストレッチも日常的にやってもらえるようにしたいと考えています。

食事については、長らくお世話になっているお弁当屋さんで月単位の献立を作っていただいて、栄養バランスが良くてボリュームもあるお弁当をドライバーさんに提供しています。メニューを見た社外の健康アドバイザーの方からも「とても栄養バランスのとれた食事内容ですね」と褒めていただきました。

また、当グループ京都ブロックの毎月の取り組み内容を私が決めておりまして、例えば食事改善がテーマだったら、食事に気を遣ったワンポイントアドバイスやレシピをまとめた資料を毎月の集会で配布しています。

この資料は従業員本人というよりも、ご家族に見ていただきたいと思っているんです。当社では入社した方のご家族とも最初に面談をするのですが、その際も、なるべく良質な睡眠や栄養バランスのとれた食事をサポートいただけるようにお願いしています。

ドライバーの健康とお客様の安全、どちらも大切ですから、まずはそのための環境づくりが大切です。

数値と人の目で、健康状態を毎日チェック

ーー他に力を入れていることはありますか?

上田:運転中の体調不良を防ぐため、血圧の管理も重要です。毎朝営業に出る前に、ドライバーさんにアルコールチェックとともに必ず血圧を測っていただき、最低血圧が100以下でないと出勤させないようにしています。

タクシードライバーは、日中同じフロアで仕事をすることはありません。朝、営業へ出たらお昼休みの時間を除いて夕方まで帰らないのが基本です。そのため、営業へ出る前の段階で異変がないかチェックしなければいけません。

例えば顔色や言葉から体調に問題がなさそうか確認し、日報を本人に手書きで記入していただいています。もし体調に何らかの異変が起きていると、顔色が悪い、ろれつが回らない、書いた文字がいつもと違うなど「何かがおかしい」「いつもと違う」と思うことも出てくると思います。そうした異変に気付いたときは出勤させません。

血圧測定と人の目から見た体調チェック、この両方ともクリアしたドライバーだけが仕事に出られるような体制になっており、高血圧の方には病院で服薬などの治療を受けてもらっています。また、調味料をなるべく追加しないなど、日々の食事についてもアドバイスをしています。

喫煙率低下に向けて、段階的な禁煙を推奨中

ーー健康経営を実践するうえで大変だったことはありますか?

上田:保健指導に難色を示す人がいたり、ラジオ体操をやってみても参加してくれる人が少なかったりします。みんながみんな歩調を合わせてというのが難しいですね。

あとは、喫煙率がなかなか下がりません。営業所の分煙化は行なっているものの、喫煙がストレス発散になっている人もいますので、完全に禁煙するのはなかなか難しいようです。

そうとはいえ、タクシーは2009年から公共交通機関の一つとなりましたので、ドライバーの健康面だけでなくタバコの匂いという意味でも、お客様に配慮する必要があります。そのため、過去にはタバコメーカーさんとコラボして電子タバコのトライアルイベントを実施したこともありました。紙タバコから電子タバコ、電子タバコから禁煙、と段階を踏んで完全禁煙に成功している人もいます。

健康への意識は向上。今後はドライバーどうしの交流も促進したい

ーー取り組みによる効果や従業員のみなさまからの反響はいかがでしょうか?

上田:健康経営を始めてからは、会議などの集まりに徒歩で来る人が増えました。私の声かけに反応してジムに通い出した人や、保健指導を行なった結果、みるみるうちにお腹が引っ込んだ人もいます。

ーー健康経営について今後の計画、展望がありましたらお聞かせください。

上田:来年の「ブライト500」の申請をするにあたり、BMI25以上の従業員が27人いるので、15人程度まで減らすという目標を掲げました。

社内レクリエーションも大事だと思っています。コロナ禍前は忘年会・新年会シーズンが明けた頃や花見の時期が終わった頃に、ドライバーさんが集まって仲間と一緒に食事をする交流機会があったのですが、この数年はできていませんでした。状況を考慮しながら復活させていきたいですね。

ーー最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。

上田:会社というものは1人では継続できません。みんなが一丸となってやっていくものなので、健康経営に関しても会社が推進しつつ、一人ひとりの意識に働きかける健康アドバイスを届けられたらいいなと思っています。

体調管理も仕事のうちなので、心身ともに健康な状態を保ち、生産性も上げられるよう今後も取り組んでいきたいですね。

ーー本日はお話いただき、ありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:宇治第一交通株式会社

インタビュアー:青柳和香子

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