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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

心身の健康を支え、誰もが働ける環境をつくる。株式会社HNSにインタビュー

働き方が在宅ワークへと変化し、心身への影響を感じている

ーー本日はよろしくお願いします。まずは御社の事業についてお聞かせください。

山下さん(以下、山下):弊社は人と人とのつながりを大切にするという思いのもと、2011年に創業した会社です。おもな事業内容として、技術者を派遣してシステム開発をサポートするSES(システムエンジニアリングサービス)を展開しています。現在、約90名の技術者が在籍しており、未経験の若い方から60歳以上の方まで幅広い世代の方が活躍しています。

就業の困難な方もしっかり生活していけるようにサポートしていくことが会社設立の目的であり、ハローワーク経由の人材も積極的に受け入れています。特に弊社の代表は、就職が難しい方にもなんとか生活してもらうという思いを強く持っています。代表自身がフリーランスになって周りの方に助けてもらった経験から、できる範囲でサポートしていきたいという思いがあるようです。

ーー健康経営を始めるにあたり、従業員の健康状態で改善が必要と感じていた点はありますか?

山下:コロナウイルスの感染拡大にともない在宅ワークに働き方が変わったことで、メンタル面でも体の面でもさまざまな影響がでてきていると感じています。

今まではグループで仕事をしていたのが、個別で仕事をするようになりました。コミュニケーション不足も起こり、余計なことを考えてしまう方もかなり増えてきています。働く環境が変わってきているのは、すごく感じています。

それから、在宅ワークになったことで運動不足にもなり、肩こりや腰痛に悩む人もいて体の健康面にも弊害がでてきていると感じています。

外部プログラムも活用し、健康増進とスタッフの意識向上を目指す

ーー具体的な施策について教えてください。

山下:健康経営を意識する前から、健康に関する取り組みは積極的に展開してきました。現在は外部のプログラムも活用しています。健保連さんから年に1回ご案内いただいたもののなかから弊社に合いそうなものをお願いしていて、体操教室やヨガ教室を実施しています。

メンタルヘルス対策としてコーピングを実施

ーーストレスに上手に対処できるように、コーピングも取り入れられているのですよね。

山下:はい。以前からメンタルケアには力をいれていました。従業員にメンタルの不調があれば、本人の同意を得た上で私もクリニックに同行し、ともに話を聞くこともありましたし、かかりつけの先生と電話でお話をさせていただくこともありました。

仕事を続けるのが難しい状況だった方も、メンタルケアをしていくなかで、休職せずに仕事を続けられたことがありました。こうした経験を通して、心の病気を発症する前に対応できることは何なのか考えたときにでてきたのがコーピングでした。コーピングとは、ストレスそのものを理解し対処する行動を指します。

ストレスへの対処法をみんなが少しずつ意識できれば、メンタル不調に悩む人ももっと減るのではないかと取り組みを始めました。ストレス対処法を少しずつ学んで自分のなかで習得できれば、メンタル不調の予防につながると考えています。

ーー取り組みによる効果や、従業員の皆さまからの反響はいかがでしょうか?

山下:ヨガ教室や体操教室を行なうと、みんな喜んでくれます。高ストレス者に対して呼びかけをして、参加してもらっています。最初はそれほど乗り気ではない方もいましたが「やってよかった」との声もいただいています。

また、医療系のスタッフがインストラクターとなりコーピングのリフレッシュ講座を開催しています。現役の薬剤師の先生がインストラクターとなり、肩こりの治し方を話すときは、目と肩こりの関係を説明し、どのような目薬を使ったらいいという話までしてくれます。

リフレッシュ講座では、健康に関する小ネタを交えながらストレスとは何なのか説明することによって、理解が深まり、ストレスを受けたときにどう対処すれば良いかを学びます。ストレスを感じた瞬間にどう対処するか個人で上手に判断できれば、メンタルの予防にはかなり効果的だと思っていて個別メニューの作成も考えています。

誰もが働ける場所を提供するのが一つのミッション

ーー今後、健康経営について注力されていくことがありましたらお聞かせください。

山下:コーピングの一環としてはじめたリフレッシュ講座は、社内のメンバーはもちろん同業他社にも展開しています。また、こうした動きのなかで他社からいろいろな情報も収集できたと感じています。

ーー具体的には、どのような情報を収集できたのですか?

山下:一度、休職した方の職場復帰を支援するリワークというプログラムがあります。

リワークに関してどれくらい費用がかかるのか調べても、なかなか情報がありません。コーピングのような予防も大切ですが、リワークなど復職時の支援も必要だと考えています。

リワークがこれから増えてくると想定した場合に、大手企業であれば費用の捻出はできると思いますが、我々のような中小企業はどのように環境を整備すれば良いのか心配なところもあります。リワークの施設も増えてきていて、個人補助があるなどいろいろな制度もあるようなので、リワークについては今勉強中ですね。

ーーリワークに力を入れるのは、従業員の方が休職しても復職できるように見据えているからでしょうか?

山下:もちろんそれもありますが、弊社はハローワーク経由の人材が多いです。働ける場所をいかに提供できるのかが我々の一つのミッションであると考えたときに、リワークの知識が必要になると思います。行政と話をする機会もありますが、我々としてもリワークについて知っている必要があると感じています。

派遣社員も取り組みができる環境づくりを提案していきたい

ーー他にも今後計画されていることはありますか?

山下:今後はコーピングのリフレッシュ講座を、他社にも提供するような状況を作っていきたいです。参加いただいた企業にお話を聞くと社内で働いている人に対してはアクション起こしやすくても、派遣として働いている方に対しては時間を作りにくいという話を聞きます。我々が、何か改善につながる提案をできればと考えています。

派遣先の理解がないと取り組みの実施はできませんし、どう取り組んでいくのかは現状の課題です。コーピングのリフレッシュ講座をやってみて初めてでてきた話で、やってみることでいろんな話が聞けますし課題も少しずつ具体的にでてきています。

派遣社員の方も健康に働ける環境をつくるには、経営者の方と従業員の意識を合わせていくことが大切です。会社として取り組みの実施を認めてくれるように、従業員の思いも代弁しながら提案していくかが、我々のミッションになりつつあると感じています。

ーー健康に関心のある読者や、健康経営に取り組む企業の担当者へメッセージをお願いします。

山下:できることから始めて、続けていくことが一番大事だと思いますね。短期間だけでやって、やめてしまっては意味がありません。会社も個人も続けることが大事です。

ーー本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:株式会社HNS

インタビュアー:朝本麻衣子

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