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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

人と直接触れ合う仕事だからこそ従業員の健康が大事。ケアパートナー株式会社へインタビュー

2012年から健康アンケートを実施

ーー本日はよろしくお願いします。貴社の沿革や事業内容について教えてください。

平林さん(以下、平林):1999年2月の創業以来、通所介護事業(デイサービス)を中心に展開している会社です。2013年からは保育事業、2018年からは訪問介護・訪問看護事業、2020年からは高齢者グループホーム事業、2022年からは障がい者グループホーム事業を展開しており、福祉に関する4つの事業(介護、看護、保育、障がい福祉)を行なっています。

今後は「地域共生社会」の実現に向けて、常に「スタッフ」「お客様やご家族様」「お子様や保護者様」「地域社会」の声に耳を傾けつつ、枠にとらわれないサービスの展開を目指しております。

ーー健康経営を始めたきっかけや健康経営優良法人の申請に至った経緯を教えてください。

近藤さん(以下、近藤):当社は、2012年から現在に至るまで、スタッフを対象に職場環境アンケートを毎年実施しております。その理由は、サービスを充実させ、品質を向上させるために、まずはスタッフの心身の健康維持と働きやすい環境の整備が不可欠であるという考えがあるからです。

実際にサービスに従事しているスタッフの健康を考えたさまざまな施策を、早期より実施してきており、その取り組みを客観的に評価していただくために、2019年に健康経営優良法人の申請を行なったところ、当社の取り組みを評価していただき、認定の取得に至りました。

2012年に開始した職場環境アンケートは、全国に展開している事業所で勤務するスタッフの声を聞くという目的で、当時の社長が始めました。そのアンケートの回答に健康経営につながる質問が入っていたことも、取り組みを始めるきっかけの一つです。

サービス向上のためにも、従業員の心身の健康は重要

ーー従業員の健康状態で、改善が必要だと感じていた点はありますか?

近藤:先に申し上げたとおり、弊社は福祉サービスを展開しておりますので、人と直接触れ合う仕事が多くあります。サービスの質を向上させるためにもスタッフ一人ひとりの肉体的・精神的な健康度の充実が不可欠だと考えています。

睡眠については産業医の先生からも重要性を指摘されております。特に、お客様の送迎に出る運転手は、安全を確保するために睡眠には注力する必要があると考えています。

ーー実際の施策について詳しく教えてください。

近藤:「睡眠」については、自分自身の睡眠リズムを把握するために、寝る体制に入った時刻(布団に入るなど)、おおよその入眠時刻、起床時刻を一定期間記録してもらい、実睡眠時間や睡眠に入るまでの時間を見える化するなど、生活習慣改善に向けた取り組みを行ないました。

睡眠以外では、基本的な健康状況の把握(可視化)と改善にも注力しております。例えば、健康診断の促進、ストレスチェックの実施、女性の健康に関する研修などです。

健康診断の促進では、一次健診は必ず受診をしていただいております。有所見になった場合の二次健診受診率を向上させるために、受診状況をもとに未受診者に対して定期的に受診の案内を担当者から行なっています。女性の健康に関する研修では、女性が働きやすい職場環境を整備するため、管理職向けにeラーニングを実施し、女性特有の健康問題に関する理解の促進を進めています。

また、保育や介護の現場で働くスタッフに腰痛予防を目的としたサポーターの無償配布、社内有資格者による腰痛防止の運動や体勢の教育も施策として行なっています。ほかにも、大東建託の健康保険組合が実施されているウォーキングキャンペーンや禁煙キャンペーンも取り入れていますね。健康組合からは、禁煙外来受診やインフルエンザ予防接種の費用補助もありますので、利用を促進しています。

ーーワークライフバランスについての取り組みもされているようですね。

近藤:当社では、業務実施環境の見直しや情報機器を活用した業務効率化、福利厚生面の充実を実施しています。具体的には、本社スタッフのフレックスタイム制度の導入、ノー残業デイやワーキングプライムタイムの導入など、諸制度の導入を通じて、各スタッフの事情や働き方に即した環境を整えています。

さらに、福利厚生の面では、特別休暇を付与してリフレッシュしていただく機会の提供、介護や育児休業制度の拡充、有給の休暇取得率向上などの施策を実施し、プライベートと仕事の両立がしやすい環境を整備しております。

現場で働く従業員に周知するために

ーー健康経営を実践するうえで、大変だったことはありますか?

近藤:「健康」と「健康経営」の結びつきや、健康を推進していくことで会社やスタッフにどのような効果が生まれるのかを、スタッフの方に理解していただくことが大変でした。

当社では、パート社員のほうが正社員よりも多く勤務しており、なかには週1回しか出勤しないパート社員の方もいます。また、訪問系の事業も行なっている都合で、事業所には出勤しない直行直帰がメインの働き方をしている方も多くいらっしゃいます。現場ではパソコンが1人1台ないことがほとんどなので、そうした背景で、施策の周知やこちらの意図していることを伝える機会をつくるのに工夫が必要でした。

ーー周知していくためにどのような工夫をされていますか?

近藤:施策の内容を伝える時間を十分に取って、一人ひとりに情報が伝わるよう心がけています。パソコンがない方には、いかにわかりやすくパソコン以外の媒体を用いて伝えるかということを工夫していますね。

ーー取り組みによる効果、従業員の皆さんからの反響はいかがでしょうか?

近藤:直近の職場環境アンケート結果を確認すると、労働時間に満足している方が70%以上、安心して相談し合える環境と回答している方が60%、有給取得について満足している方も58%ほどいらっしゃいます。睡眠についても、就寝時間が早くなり睡眠時間は年々増加している状況です。

また、二次健診の受診については、体制を整えたことで早い段階から積極的に受診するように変化しました。

ーー健康経営について、今後の計画を教えてください。

近藤:10月に代表取締役社長名で健康経営宣言を発信しました。こちらは、健康経営宣言にある重点項目を中心に、スタッフとその家族の健康づくりを推進していくだけでなく、当社の介護・保育事業での活動を通じて、すべての方々の「元気」を創造し、幸せな社会を実現していくという内容です。この健康経営宣言の実現に向けて、今後も継続的に取り組みを行なっていきます。

これまでの取り組みと新たな取り組みをかけ合わせて、スタッフが心身ともに健康に働ける環境をつくり、そのうえで、より良いサービスをお客様へ提供させていただき、地域社会に貢献していきたいです。

健康は日々の積み重ねが大切

ーー最後に、健康に関心のある読者へのメッセージをお願いします。

近藤:コロナ禍ということもあり、スタッフも企業も、さまざまな制約や我慢のなかで取り組みを行なっていると思います。私たちも「こうできたらもっといいのに」と思うところもありますが、試行錯誤を繰り返しながら、それぞれができる範囲で、できることをするしかないと思っています。

ただ、何を行なうにしても、心身の健康は大事です。健康状態を保ったり良くしたりするには、日々の積み重ねが重要だと考えております。少しでも運動・食事・睡眠を意識するところから改善を始めていっていただければと思います。

ーー本日はお話いただきありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:ケアパートナー株式会社

インタビュアー:塩野実莉

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