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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

ブライト500の認定により活動結果を再認識。株式会社八代塗装にインタビュー

健康経営を知る以前から従業員の健康を考える

ーー本日はよろしくお願いします。まずは、御社の事業内容や沿革について教えてください。

友田さん(以下、友田):弊社、株式会社八代塗装は1971年に大阪府八尾市に創業し、金属やプラスチックの焼き付け、スピンドル塗装、パット印刷などを行なっております。自転車の部品や建具の部品などへの塗装がおもな業務となっており、従業員は総勢93名おりまして、男女比は7:3ぐらい、平均年齢はだいたい40代前半となります。

ーー健康経営を始められたきっかけを教えていただけますか?

友田:私は社長就任前に海外にいたのですが、先代社長から呼び戻されて日本に戻ってきた時期に、リーマンショックがありました。

ちょうどその頃、弊社の女性従業員がある病気にかかったというので話をしてみると「子どもは保険に入れているけれど、自分は健康上の問題もなかったし、家計の状況を考えて保険を解約していた」と聞きました。

それをきっかけに、ほかの従業員にも医療保険への加入状況をアンケートしたところ、同じように回答する人が非常に多い状況でした。

従業員がそんな状況であるなら、会社としてみんなを守れるように保険に入ることも考えるようになり、経営者として従業員の健康を強く意識するようになりました。

城本さん(以下、城本):健康経営の存在を知る以前から、弊社では定年を超えても元気に、75歳まで働いて欲しいという社長の意向があり、従業員の健康を考えた取り組みをしてきました。

健康診断の結果に心配な点がある人は、個別相談のうえで、病院の紹介や仕事中でも検査・通院にしてもらうなど柔軟に対応しています。

また、血圧や血中酸素濃度を測る機械の設置、自動販売機にトクホ飲料の採用なども考えていきました。

そうした取り組みをするなかで、お付き合いのあるところから健康経営を紹介いただき、我々も参加しようということで始めました。対外的にもアピールする機会になると思い、その頃から会社ホームページでも取り組みや活動内容を発信しています。

部署を超えたグループ活動でコミュニケーション促進に

ーーでは、実際の取り組み内容についても教えてください。

月岡さん(以下、月岡):取り組みとしては、従業員への健康に対する意識の浸透として、社内回覧板と銘打って定期的な周知活動をしています。それから、間接的に健康へ関与するものとして、社内のコミュニケーション部分でも取り組みを行なっています。これは親睦会の実施や、小規模な集団を作っての社内活動などです。

これらの活動は健康経営を意識する以前から実施しており、健康経営優良法人の認定取得によって、我々がやってきた取り組みが正しかったかを答え合わせしている形になります。

ーー社内回覧板では、どのような内容を発信しているのでしょうか?

月岡:回覧板の内容は、健康に関する情報共有や弊社の取り組み、その結果のお知らせなどを発信しています。

集合写真を撮ったとき何を見るかというと自分の姿を探す人が多いと思います。やはり人間は自分自身に興味があるもので、自分の活動が写真付き・名前付きで掲載されていれば、強い関心を持ちます。社内の方に関心をもってもらうためにも、写真を多く載せるなど毎回内容を工夫しています。

ーー社内コミュニケーションの取り組みは、具体的にどのようなことをされているのですか?

月岡:これは他社さんでもされているところが多いかと思いますが、いわゆる飲み会や食事会、ボウリング大会などを年に数回開催していました。最近はコロナ禍の影響もあって開催が難しく、それに代わる何かを模索している状況です。

小規模集団活動では、全従業員を7名~10名ぐらいの団体に分け、各チームでテーマを決めて1年間活動してもらうものです。テーマは健康に関するものもあれば、環境問題やSDGsに関するものなどさまざまで、目標を立ててそれに向けた活動をしてもらっています。

チームは毎年入れ替えで、くじによってメンバーが決まるため、普段は仕事で関わらない従業員同士が話し合う機会にもなります。それによって社内のコミュニケーションがどれだけ向上できたかを数値化して示すのは難しいところですが、単なる馴れ合いではなく、意見を出し合って問題が見つかれば解決していく関係性ができ、仕事にも良い影響が出ているように感じています。

集団のなかでもそれぞれ役割分担があり、自分の職務や職責を与えられることで、従業員自身が会社運営に携わる意識も芽生えているのではないでしょうか。

禁煙成功者を表彰する制度も

ーーホームページでは、禁煙に成功された方を表彰する様子が掲載されていますが、これはどういった取り組みですか?

月岡:禁煙の取り組みは、3年計画・5年計画という、長いスパンで推進している計画になります。将来的には喫煙率をゼロにしたいのですが、そう一足飛びにもいきません。

強制的に禁煙させるのではなく、自ら禁煙に挑戦すると手を挙げた従業員に対して、会社からもサポートをし、各自でPDCAサイクルを決めて取り組んでもらい、禁煙外来や禁煙ツールを渡すなどの補助をして、完全禁煙できた場合には禁煙成功表彰をしています。

この取り組みを始めてから30名近くいた喫煙者のうち、6名が禁煙に成功しました。割合としては少なく感じられるかもしれませんが、自分から手を挙げて取り組んだ従業員7名のうち6名が成功しています。

片手間に挑戦してみようというのではなく、「本気で止めよう」という気概を持った人が手を挙げてくれていたため、こうした結果になったと思います。

ブライト500の認定により自分たちの評価を再認識

ーー健康経営に取り組むなかで、大変だったことや苦労されたことはありますか?

月岡:今現在、感じている苦労としては、取り組みの集計が大変だということですね。これはちょっと、自慢にもなってしまうのですが、積極的に取り組む従業員が増えてきまして、結果の集計やデータの分析・検証などに一番苦労しています。

担当者自身も医療分野の専門知識があるわけでなく、健康について難しい質問をされた場合、即答ができません。そこは産業医の先生に相談したり、調べたりして対応しており、大変である反面、担当者のスキルアップになったところもあります。

ーー健康経営に取り組まれての効果やメリットを感じるのはどういった点でしょうか?

月岡:ブライト500の認定もいただけたのは、何よりでしたね。健康経営の推進は社内でも浸透していて、健康経営優良法人の認定もこの3年来、ずっといただいている状態です。我々のなかではそうあることがあたり前になっているのですが、今回「ブライト500」の認定を受けられたことで、頑張りを再認識できたのは非常に大きなメリットだったと思います。

日本にある12,000社のなかで上位500というと、「学校のクラスにたとえるなら40名のなかでも一番優秀なところにいる状態」だと説明すれば、従業員も「なるほど、これはすごいことなんだ」と実感が湧くようです。

また、健康経営の活動内容について講演会に登壇して話して欲しい、取り組みの様子を見せて欲しいといったお問合せもいただくようになりました。我々は他社様に教えられるような立場でもないのですが、取り組んでいた活動を第三者の方に話すことで、自分たちの取り組みを客観的に見直す機会になっています。

個人の目標・活動にとどまらず社会的な取り組みへ

ーー健康経営について今後の計画や目標、注力されることがありましたらお聞かせください。

月岡:弊社では毎年、個人目標を定めてPDCAサイクルを回す活動をしています。今年は健康をテーマにしており、たとえば、血圧が高い人はどうやってそれを正常にしていくかを考え、行動しています。

これを将来的には小規模集団の活動に落とし込めればと考えています。具体的には健康に関するテーマを一つ、小規模集団の活動内容に入れて、自身の健康だけでなく社会的な活動にも広げていく。これは個人の活動では難しく、小規模集団での活動で実現できればと思います。

友田:会社としては、従業員が退職するときに払済の医療保険を渡せるようにしたり、病気にかかったときに一時金がもらえる保険に会社負担で全員加入できるようにしたりといった計画を立てています。

弊社は非常に頑張ってくれる従業員が多く、会社としてもそれに報いる必要があると思っており、従業員のためにできる施策はどれだけ考えても尽きないですね。

従業員の思う健康経営がより良い職場環境につながる

ーー健康に関心のある読者へのメッセージや、健康経営についてアドバイスがあればお願いします。

月岡:人が幸せを実感するのはどのようなときかという話を聞いたのですが、「不幸から免れたとき」に一番具体的に幸せを感じるそうです。

たとえば、病気の疑いがあるといわれて落ち込んで、数カ月後に再検査してみたら大丈夫だったという場合は、幸せを実感できます。それは、我々が日々、あたり前に思っていることも、実はあたり前ではないと意識する瞬間でもありますね。

自分自身の健康の大切さを意識する意味でも、健康経営は価値のある取り組みだと思います。

そして人間は、年も取れば病気もします。転ばぬ先の杖といいますか、そういった意味でも健康を意識して生活するための健康経営の推進。これは誰にとってもメリットあることだと思いますので、興味のある方は日々の生活や企業の活動に取り入れると、気付きや発見につながるのではないでしょうか。

城本:弊社は従業員だけでなくその家族も含め、インフルエンザの予防接種が受けられるなど、従業員の家族にも心を配っております。そういった部分でも、「ブライト500」の認定という結果になったと思います。

私としても、会社からとても大切にしてもらっていると感じられ、会社のためにできることをしていきたいと思っています。こうした会社と従業員の間での好循環にもつながるので、健康経営の取り組みがさらに広がることを願っています。

友田:社長という私の立場としましては、従業員は自分の子どもだと思っています。親が子どもにケガや病気をさせないよう、気を配ったり守ったりするのは当然のことです。

認定を取るために活動するのではなく、大切な家族にとって何が必要か考えていけば、施策はいくらでも出てくると思います。これが、弊社の健康経営に対する姿勢です。従業員だけでなくその家族も含めた健康経営によって全員を健康にしていけるよう、今後も取り組んで参ります。

ーー本日はお話いただき、ありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:株式会社八代塗装

インタビュアー:朝本麻衣子

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