
株式会社オノコムは「なければつくる」を合言葉に常に新しい技術を導入し、未来を切り拓き続ける建築会社です。社員の健康を守るうえでも、常に新しいことに挑戦し続ける姿勢を持っています。
今回はサポートセンターの殿岡さんに、健康経営に関する具体的な施策についてお話を伺いました。
お客さまに最高の建物を提供するための取り組み

ーー御社の沿革や事業内容について教えてください。
殿岡さん(以下、殿岡):当社は1934年創業の建築工事一式をワンストップで請け負う会社です。現在はオノコムグループとして数社を有し、不動産、給排水工事、足場などの建築資材のレンタルも行なっています。建物づくりに関することは土地の提案から建築、アフターメンテナンスまでのすべてを当社で行なえることが強みです。
「なければつくる」というメッセージのもと、お客さまの「たてものがかり」としてお客さま目線に立ち、最高の建物の提供を追求しています。
ーー健康経営を始められたきっかけについて教えていただけますか?
殿岡:「健康経営」に興味を持っていた上層部から打診があったことがきっかけです。健康経営優良法人の申請を行なう前から、申請に必要な項目に対してすでに取り組んでいるものが多数ありました。そこで、「せっかくなら認定を取ってみるのはどうか」という話になり、結果として認定していただくことができました。当社を利用してくださるお客さまにとっても、社員の健康に配慮した会社であることが付加価値につながっているとうれしいですね。
ーー健康経営に取り組んでいくにあたり、課題だと感じたことはありますか?
殿岡:社員の運動推進を目的として、当社が建築を担当したスポーツジムの利用券を購入し、社員に無料で配布する取り組みを行なっています。たくさんの無料券が利用されていますが、運動に興味のある一部の社員が繰り返し活用しているのも事実です。運動に興味のない人まで、社員に幅広く活用してもらえるような体制を整えることが課題だと感じています。
コミュニケーションを大切することで仕事に活かすことができる

ーー御社は社員同士の交流を大切にしていると伺いました。コミュニケーションを大切にしている理由を教えてください。
殿岡:社長からのメッセージのなかで「最高のお客さまに、最高の建物を提供する」という言葉がありますが、その言葉のとおり、お客さまに最高のサービスを提供するためです。
お客さまは建築のプロではありません。「どのような建物にしたいのか」希望を伝えきれないこともあるでしょう。お客さまの要望を引き出し、それに応じた最高の提案をするにはコミュニケーション能力が必要不可欠です。
例えば、同じような機能性を持つ素材でより安く使用できる素材を、営業担当が知らないこともあると思います。ほかの部署で素材に詳しい人がいるので、連携を取って確認することでお客さまに提案することができます。連携不足によって、お客さまにより良い提案ができないことはあってはならないので、日常的に他部署の社員同士で自由に意見を出し合えるような環境をつくることは重要です。
ーーコミュニケーションを促進するために、どういった取り組みから始められましたか?
殿岡:まずは、コミュニケーション手当の支給から始めました。3部署以上の社員で食事会や飲み会を開催すると、一人あたり3,000円を会社から支給されるという施策です。「その制度を使おう」と声をかけ合い、新しい交流も増えたと聞いています。
また、社員旅行でも新しい交流が生まれるような体制を整えました。4人以上のメンバーを集めて行き先を決め、社員に発表します。その後、同じ場所に行きたいと考えていた社員がそこに参加していくというシステムです。最初は普段から交流のある人同士で組みますが、ほかの社員も参加して旅行に行くことで仲が深まりますよね。
社員が安心して働けるより良い環境づくりを目指して
ーー健康経営の取り組みを進めるなかで大変なことはありましたか?
殿岡:ブライト500を目指そうと考えたときに、「外部への発信や講演を受ける」という項目がありました。当時は社外への発信を行なっていなかったので、どのように取り組めば良いか悩みました。
そのあと、2019年に健康経営優良法人の認定を受けたときに、愛知県の健康保険協会が選ぶ健康事業の「銀賞」に選ばれ、表彰を受ける機会がありました。それがきっかけとなり、保険会社の方からインタビューの依頼をいただいたので、その機会を利用して社外への発信を進めていくことができました。
ーー健康経営に関して、今後の計画や目標を教えてください。
殿岡:社員が定年まで、あるいは定年を超えても働き続けられる職場環境を整えていていくことに注力していきたいです。そのためには、出産するときや病気にかかったときでも、退職を考えずに安心して戻ってくることができ、キャリアを積んでいける会社で在り続ける必要があります。
また、Web上の意見箱に寄せられるアイデアも積極的に取り組んでいきたいですね。社員が思ったことや取り組んでほしい施策を自由に意見してくれるので、おもしろいアイデアがたくさん寄せられます。そのなかで、社員が平等に恩恵を受けられるものを抜粋し、社員のためになる施策を増やしていきたいと思います。
ーー最後に健康に関心のある方や、企業の健康経営ご担当者さまに向けてメッセージをお願いします。
殿岡:私のメインの仕事は採用活動ですが、健康経営の制度については、まだ学生からの認知度は高くないと感じます。もし、この記事を読んでいる方で、就職活動中あるいは今後就職活動をする予定のお子さまをもつ親御さんであれば、健康経営の取り組みを進めている会社があることを話してくださるとうれしいです。
そして、健康経営に取り組む企業の方で「一緒にこのようなことをやりませんか?健康経営のためになる活動をしましょう」というお話があれば、当社は協力して取り組みたいと考えていますので、いつでもご連絡ください。
ーーお話をお聞かせいただきありがとうございました。
今回お話を伺った企業はこちら:株式会社オノコム
インタビュアー:塩野実莉