
日本トレクス株式会社は、愛知県豊川市に本社を構える輸送機器メーカーです。1964年の創業以来、豊富な技術力とノウハウで、常に時代に先駆けた技術開発にチャレンジし続けています。
同社は「従業員が心身ともに健康であること」を第一として、健康経営への取り組みを推進し、2020年度より継続して「健康経営優良法人」に認定されています。
今回は同社総務部部長の名倉さん、総務部の山田さんと人事部部長の片桐さんにお話を伺いました。
より安全で快適な輸送への貢献を目指す「日本トレクス株式会社」

ーー本日はよろしくお願いします。まず御社の事業内容について教えてください。
名倉さん(以下、名倉):当社は1964年の創業以来、物流を支える輸送用機器メーカーとして、国内シェア№1のトレーラーからトラックボデーまで、多彩な製品群を展開している企業です。開発・製造から販売に至るまで、すべてを自社で完結できる体制を整えています。
ーーありがとうございます。健康経営のお取り組みについてもお聞かせください。
名倉: 2018 年に親会社の極東開発工業株式会社が健康経営優良法人の認定を目指すと聞き、当社でも認定を目指すことになったのがきっかけです。まずは、2019年度より職場環境の改善を目的に、経営トップによる健康宣言や各種社内セミナーを開催して健康経営推進活動をスタートし、2020 年より 3 年連続で健康経営優良法人の認定を受けています。
これまでは総務部が主体でしたが、2022年は人事部や管理本部全体で申請書を作成したり、ホームページを新たに作成したりして、管理本部中心に取り組んでいます。
ーー従業員の皆さまの健康状態について、改善が必要だと感じていた点はありますか?
名倉:当社は受注生産のため生産の起伏があり、繁忙時はどうしても労働時間が長くなってしまいます。十分な休養が取れない、なかなか有給休暇を使えない、適度な運動ができないといった状況から健康維持が難しくなる点に課題を感じていました。
BMI維持率の向上にともなう運動習慣比率、睡眠による休養が取れている従業員の比率向上を図るとともに、年次有給休暇の取得平均日数 8 日以上を目標に掲げています。
昼食代は全額補助。月に一度は特食メニューも

ーー具体的な施策について教えてください。
山田さん(以下、山田):食事面では、グループ会社が運営する社員食堂メニューによって健康づくりを行なっています。費用は全額会社から支給され、毎食、管理栄養士さん考案の麺・丼・定食の3食から選ぶことができます。
月に1回は、当社敷地内にあるコンビニで販売しているデザートが付く「特食メニュー」が提供されます。通常より豪華な食事に加えてコンビニスイーツが食べられるため従業員から好評です。
さらに月1回、「健康食堂」と題して健康的なメニューを提供しています。夏であれば夏バテ防止をテーマにしたメニューなどが提供され、旬の食材を通して健康について考えられるようにしています。
名倉:昼食を楽しみにしている従業員はとても多いです。1カ月のメニュー表が食堂に掲示してありますので、スマートフォンでメニュー表の写真を撮っている人をよく見かけます。食堂自体は以前からありましたが、私が入社した30年ほど前にはまだメニューが1種類しかなく、従業員からの要望などを受け、平成10年頃から現在の3種類に変わりました。
従業員が一番多い本社事業所の食堂定員は400名弱ですが、現在は新型コロナウイルス対策のため4グループの入れ替え制で利用してもらっています。混雑していた以前と比べて、スペースにゆとりをもって食事できるようになりました。
健康リスクの改善サポートや相談窓口も
ーー食事面以外のお取り組みについても教えてください。
山田:製造業を営む当社には工場で働く従業員が多いため、工場内の就業環境を少しでも改善できるよう努めています。例えば夏期は熱中症対策としてスポーツドリンクと麦茶を一日2本無償提供し、暑熱対策・空調設備などの工場設備の更新、夏期空調服貸与、冷感ネックバンドの支給を実施しています。
片桐さん(以下、片桐):その他の健康リスク改善としては定期健康診断や、各種検査などの拡充を図っています。また健診後の医療機関受診勧奨や特定保健指導といったサポート、 人間ドック検診補助制度なども導入しました。
また、万が一従業員に健康上の問題が生じた場合に備えて、GLTD(団体長期障害所得補償)という制度を導入しています。何らかの原因で働けなくなった方を会社として少しでもサポートできればと考えて導入した保険制度で、全従業員対象に会社負担で給料の15%程度を支給するものです。
また、近年ではメンタル面の健康状態が時代とともに多様化していると感じています。メンタルヘルス対策・ストレスチェックを行ない、高ストレス者へは産業医療面談を実施しています。外部カウンセリングサービスと、「こころのサポートほっとライン」も設置しています。
オンラインフィットネス提携や市事業への参加で運動促進
ーー運動に関するお取り組みもされているそうですね。
山田:従業員の運動習慣をサポートするために、全額会社補助でオンラインフィットネス(Alpen BEYOND PROGRAM)を利用できるようにしました。
当社は就業時間中に工場の生産を止めて運動をするような企画が難しいため、業務時間外の好きなタイミングで利用できる取り組みをしようと考えたんです。
豊川市が実施する「とよかわ健幸マイレージ」にも会社として参加しています。定期健康診断を受診したりマラソン大会に出場したりするとポイントが貯まり、100ポイント貯まるとチャレンジ達成となり、参加賞が貰えるほか、抽選に参加できるというものです。
「5,000歩歩く」「禁酒する」といった自分なりの目標を達成した場合もポイントが付きます。今まであまり健康意識がなかった従業員にも手軽に取り組んでもらえる取り組みですね。
片桐:私たち推進側も参加していて、帰宅してからもよくウォーキングをしています。私の毎日の目標は一万歩です。
今後はさらに社内周知を進めていきたい

ーー今後の展望をお聞かせください。
名倉:社内への健康経営周知が課題だと考えています。社員食堂には大型のデジタルサイネージを設置しているため、その画面上に安全衛生に関する情報や生産台数などを流しています。
最終的には従業員が毎日健康で楽しく働けて、いい会社だと思ってもらえるようにしたいですし、従業員へのサービス向上が我々管理部門の使命であると思っています。
ーー最後に、健康に関心のある読者の方へのメッセージをお願いいたします。
名倉:会社は従業員の健康維持だけでなく、毎日活き活きと楽しく働ける職場環境をつくることも目指すべきだと考えています。 また、自分自身で健康維持のため、個人レベルで何か気にかけて取り組むことが健康維持の第一歩として大事だと思っています。
片桐:人事部の立場としては、労務関連の法律が日々新しい内容になるのと同様、従業員にとってより良い職場となるよう、日々新しい取り組みにチャレンジしていきたいですね。
ーー本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
今回お話を伺った企業はこちら:日本トレクス株式会社
インタビュアー:青柳和香子
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