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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

心身ともに健康で働ける会社へ。株式会社KTグループにインタビュー

心の健康づくりプログラムを開始

ーー本日はよろしくお願いします。御社の沿革や事業内容を教えてください。

小坂元さん(以下、小坂元):株式会社KTグループは、神奈川トヨタ自動車など県下13社の株式を所有し、グループ各事業分野のシナジー効果を利用した、経営戦略の立案などを統括しています。

当社は、これまでに自動車メーカーの販売戦略に基づいた新会社の設立や、培ったノウハウを産業・文化の発展に活かしてきました。さらに、有効的に取り組むための分社化により、グループとして成長してきました。グループには4,350名ほどの従業員が在籍しています。

ーー健康経営に取り組むきっかけについて教えてください。

操神さん(以下、操神):メンタルヘルスケアは、グループ全従業員の心の健康維持と、組織の健康を保つために必要な行為であり、それを実践する部門として2005年に神奈川トヨタ自動車に健康相談センターを立ち上げたことが健康経営の始まりです。

まず、従業員とそのご家族も含めて、心の健康を維持できるよう、体や心の不調、仕事やプライベートの悩みを、専門の資格を持つ方々に相談できる環境を整えました。メンタルヘルスの専門的な有識者による、「早期発見、個別相談対応、休職から復職支援、復帰後のフォロー、カウンセリング」などの個人へ向けた対応だけでなく、「メンタルヘルスに対する意識・風土の醸成や知識・行動の習得」を目指した組織への対応も行ないました。

その後、2010年にはグループ全体で活用できるよう拡充し、2012年からはグループ全体で、「心の健康づくりプログラム」を開始しました。このプログラムでは、「意識向上」「教育」「ストレスチェック診断」「グループとしての体制」の4つの切り口から、具体的な施策作りを行なっています。

また、体の健康面に関しては、健康保険組合を中心とした取り組みを行なっていました。しかし、「従業員が心身ともに健康に活躍し続けられる組織風土・環境づくり」を行なうことが、グループ各社の持続的成長のための重要課題だと考え、2018年より心の健康と体の健康を併せて取り組む「KTグループ健康づくりプログラム」を制定し、会社としても取り組みを強化しました。

ストレスチェックなどの取り組みを活かして

ーー従業員の皆さんの健康を考えていくうえで、改善が必要だと感じた点はありますか?

操神:健康経営に取り組むなかで、効果があった良い取り組みや反省が残る取り組みについて、一度振り返ってみる必要があると感じています。例えば、ストレスチェック診断の徹底や健康相談センターの活用は一定の成果がありますが、集団分析など、情報の活用には課題が残っています。

また体の健康面として、健康診断の受診率は100%ですが要再検査・要精密検査の受診率については各社でばらつきがあるため、グループ各社のさらなる連携と推進を強化していく必要性を感じました。

ーーこれらの課題についてはどのように取り組まれたのでしょうか。

小坂元:ストレスチェック後の集団分析の活用については、健康相談センターから各社に説明を行ない、職場環境改善のきっかけ作りに活かしていこうと考えています。それと併せて役員や管理職を中心として、メンタルヘルスマネジメント検定を取得し、ラインケアの知識習得にも力を入れています。

健診後の要再検査・要精密検査を含む体の健康については、13社あるどの会社に所属しても、同じレベルの健康管理体制が提供できるように、産業保健体制の強化を推進しているところです。具体的には、労働安全衛生法では50人未満の事業者は産業医の専任の義務はありませんが、50人以上の事業者と同じように産業医と契約を締結して、健康管理を行なってもらいます。

また、二次健診の受診率を上げていくための取り組みとして、就業時間内の受診や特別休暇の付与ができるよう、就業規則を変更しました。従業員が二次健診の重要性を理解することも大切ですので、健診結果の説明ができる保健師の採用も進めています。医療の専門家が健康診断結果を集計・分析することができるので、各社の健康課題を抽出し、改善策を提案することで課題解決を図っていければと考えています。

ーー健康経営に取り組むなかで大変だったことを教えてください。

小坂元:健康に無関心な従業員の意識を変えていくことが非常に大変だと感じました。そういった面でも、先ほどお伝えした産業保健体制の強化は重要ですね。細かい健康管理を行ない、理解を深めてもらいながら従業員の健康リテラシーの向上を目指していきたいです。

会社だけが健康づくりを一生懸命に進めていても、成果はなかなか得られません。従業員の理解があってこそ効果が出てくるので、今後も注力して取り組んでいきたいと思います。

毎月の健康情報の配信や健康動画研修による健康リテラシー向上

ーー健康経営に取り組まれたことで起きた社内の変化や、従業員の皆さんからの反響はいかがですか?

小坂元:当社では、従業員の健康リテラシー向上を目的に、毎月定期的に健康情報を配信しています。また、年に数回は動画研修も実施中です。テーマには「食生活」や「女性特有の健康課題」などを設定しました。

その結果、受講者の報告書には「気付き」「学び」「再認識」を得られたというコメントや、「得た知識を活かす」といった知ることに対する意欲を感じる内容が多く、健康に関する意識が目覚めてきていると感じました。従業員の方々に潜在的なニーズがあったということですね。今後も、健康に関するさまざまなテーマで「健康教育」を進めていく予定です。

ーー最後に、健康に関心のある読者に向けてメッセージをお願いします。

小坂元:健康に関心のある方は健康に関する情報収集をされているでしょう。インターネット社会では、いろいろな情報から自分に必要な情報を正しく取捨選択できるように、ヘルスリテラシーの向上に努めることが大切なのではないかと思います。

ヘルスリテラシーを高めないと、間違った情報に振り回されるだけでなく、医師や看護師に適切な相談ができず、健康を悪化させやすいことがわかっています。「いつの情報か、何のための情報か、誰が発信している情報か、根拠は何か、別の情報と比べたか」など、情報を見極める力を養う必要があると思います。

ーー本日はお話いただきありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:株式会社KTグループ

インタビュアー:塩野実莉

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