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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

サーベイツールも活用して健康経営に取り組むIT企業。株式会社アイガにインタビュー

名古屋をメインに東京にも拠点を構えるIT企業

ーーまず御社の沿革と事業内容について教えてください。

本多さん(以下、本多):弊社は株式会社アイガと申しまして、1999年10月に設立し、23年を迎えました。名古屋の名駅近くと東京の八丁堀に本社を構え、名古屋本社をメインとするIT企業です。2022年11月1日付けでM&Aにより株式会社SYSホールディングスの傘下に入っております。

事業内容は大きく二つあり、ITエンジニアのアウトソーシングサービスとデジタルマーケティングの支援をしています。

エンジニアのアウトソーシング事業は、弊社が正社員としてエンジニアを雇用し、技術者を求める企業さまに派遣する形式です。現在、弊社の従業員は160名ほどおりますが、そのうち110名ぐらいがこちらの事業部に所属しております。

もう一つのデジタルマーケティング支援では、企業さまのホームページ制作やECサイトの制作・運用、SNSマーケティングのサポート、デジタル広告の出稿などを行なっています。

従業員の平均年齢は28歳と若く、男女比は6:4。IT企業における女性従業員の比率は1〜2割ほどといわれていますが、弊社は女性の雇用を積極的に行なっており、愛知県の女性活躍推進におけるプロモーションリーダーにもなっています。

健康経営を知る以前から従業員の健康を気遣ってきた

ーー健康経営を始められたきっかけや、健康経営優良法人の認定取得に至った経緯を教えてください。

本多:弊社は人材のアウトソース事業を行なっているため、従業員の大半が客先に出ている働き方です。そうした背景から顔を合わせる機会が少なく、体調の変化やメンタル不調のささいなサインを見つけられない、本部側が従業員の健康状態を把握しづらいという課題がありました。

これに対して10年ぐらい前から労務を強化したり、社内のコミュニケーションを活性化させるようSNSを活用したりしています。

また、スポーツ選手の栄養指導やコンディショニング指導部署を行なう部署が立ち上がった際、管理栄養士を多く採用しました。その事業によって、体や健康づくりについてのノウハウが社内にたまったので、従業員向けのセミナーにも活用しています。栄養や食事のほか、コンディショニングを整えて生産性を上げるセミナーなども積極的に実施してきました。

そして、健康経営優良法人の認定要件を見ていると、これまでの取り組みで十分取得できる状態になっていると思い、役員に認定取得を目指す提案をしました。こうして活動を進め、2021年から認定取得となりました。

健康経営という言葉が出てくる以前から、従業員の健康について経営層が気を遣っていたようで、健康経営のトップを務めている副社長の鳥居も従業員の健康に対する思いは強いようです。

サーベイツールも活用してITエンジニアの健康課題へアプローチ

ーー従業員の健康状態が把握しづらかったそうですが、どのような健康課題がありましたか?

本多:ITエンジニアは首・肩・腰の不調を挙げる者が多かったです。それが生産性を下げる要因になっているようで、独自のサーベイツールを使ってチェックするとともに、健康運動指導士による運動イベントや社内の健康リテラシーを高める研修などを実施し、解決にむけて働きかけています。当初、65%程度のメンバーが何かしらの不調を感じていましたが、年間で5%ぐらい割合が下がっており、少しずつ効果は現れているようです。

また、日中に強い眠気を感じる従業員の割合も多く、アンケートでは100名ほどいる状態でした。それで、1時間眠気を感じると、一日にどれくらい生産性が落ちるか、企業損失額はいくらになるかと、数値化して検証しています。

そして、従業員の健康状態を適切に拾えるかが管理者の技能に委ねられしまい、目がいき届かないのも、そもそもの問題としてありました。そこで、この2年ほどはメンタルヘルス系のサーベイツールも導入し、従業員の健康状態を正しく把握できるようにしています。

ーー眠気による企業損失を数値化されたのはおもしろい取り組みですね。これはどのような試算になったのでしょうか?

本多:例えば一日のうちに1時間、眠気でうまく稼働できていない時間があり、それが100人とすると、一日あたりの損失がいくらになるかという計算をしました。それを年間の稼働日数で考えると、数千万円規模で生産性が落ちている結果に。眠気を感じる人をいきなりゼロにするのは難しいですが、100人だったのが80人になれば、これくらい生産性がアップするというデータも出して、そのための施策にも取り組みました。

具体的には、睡眠の取り方や日中の眠気との付き合い方など、睡眠に関するセミナーを実施しています。その後の検証も行ない、70%ぐらいの従業員が日中に眠気を感じていましたが、現在は5%ほど下がりました。

こうした数字の変化は経営層にも報告し、一概にいえない部分もありますが、おそらく取り組み結果が数字にも現れていると伝えています。

ーーその他の課題についても、サーベイツールを導入して検証されているのは特徴的ですね。

本多:弊社の健康経営はサーベイツールがあったからこそ実現できたと思うので、これは必須ツールですね。課題ごとの主観的な考えと、数字で出てくる客観的なデータのかけ合わせで、精度の高いデータが拾えるようになったと思います。

経営層も健康経営への理解が深く、必要な予算は前向きに検討してくれる体制にあり、こうしたツールの導入もスムーズでした。

ダイエット企画やオンライントレーニングで健康促進

ーー具体的な施策について教えてください。

本多:施策としては毎年、ダイエット企画を私のほうで主催しています。毎回15~20人ぐらい参加してくれていて、3カ月間でどれくらい体重を落とせるかというものです。この施策の本質としては体脂肪の減少ですが、もう少しハードルを下げてわかりやすい内容にしました。また、痩せ型の社員は体重を増やす方向で参加できるようにも工夫しています。

これは各自の努力に委ねるだけでなく、全員と個別面談して、企画概要の説明をしています。期間中も定期的に面談し、体重の変化を見ながら取り組んでもらうとともに、参加者メンバーと定期的に運動イベントを開いたり、ダイエットについての勉強会を実施したりもしています。

他にも、毎週火曜日・木曜日は「お家でトレーニング」という題名でオンライントレーニングを実施しています。健康経営の運営メンバーによる持ち回りで簡単なストレッチや筋トレ、ボクササイズなどをライブ配信し、それを観ながら一緒にトレーニングしてもらう取り組みです。

参加率を上げるため、参加回数によってサプリメントやプロテインなどのプレゼントも用意しています。

若い従業員に健康を自分ごと化させるのは難しい

ーー健康経営に取り組まれるなかでの苦労や、大変だったことはありますか?

取り組みに対して積極的に楽しんでやってくれる従業員と、そうでない人との差があるのは実感しています。積極的なのは、全体の3分の1ぐらいでしょうか。イベントへの参加率やリテラシーの向上につなげづらい状況です。

これは平均年齢が低いこともあり、現段階で目に見える健康課題を抱えている人が少なく、自分ごととして取り組めないのではないかと思います。

こういった課題に対しては、経営層からの発信も増やしてもらい、関心を持ってくれる従業員が増えるよう、少しずつ働きかけています。

また、実施しているセミナーは基本的に外部を頼らず、イチから社内で作り上げているところも大変な部分です。弊社所属の管理栄養士や健康運動指導士などと役割分担し、情報収集からセミナー内容の発信まで、すべて社内で行なっています。

健康経営優良法人やブライト500の認定により対外的な印象がアップ

ーー取り組みによる効果や、従業員の反響はいかがでしょうか?

本多:生産性を上げたいというのが健康経営の目的の一つであり、日中の眠気や首・肩・腰の不調を改善できているのはよかったと感じています。

また、遅刻や早退、欠勤も減ってきており、これも効果が現れているのかなと思います。ただ、リモートワークが増えたことが影響している可能性もあり、施策の効果なのか別の要因があるのかが検証しづらいところです。

別の側面でいうと、健康経営優良法人の認定を取得していることで、新卒・中途含めた求職者からの印象がすごく良くなりました。入社理由や会社について印象に残った点を質問すると、大半の休職者が「健康経営に取り組んでいて社員を大切にしてくれそうだったから」という回答です。

こういったインタビュー取材を受ける機会も増えましたし、地域の中小企業に向けた取り組み事例の講演依頼も、愛知県からいただいております。弊社の取り組み内容はもちろん、会社自体を知ってもらう機会ができ、対外的なブランディングとしてもメリットを感じています。

遊びやリラックス効果を取り入れて業務効率を上げる取り組みも検討

ーー健康経営について、今後の計画や目標、注力されていくことがありましたらお聞かせください。

本多:コロナ禍の影響によりリモートワークが増えたことで、昨年はメンタル不調者が増えてしまいました。対面でのコミュニケーションが減ったため、良くない影響があったかなと感じています。

そういったこともあって、ライブ配信を使ったオンラインでのイベントだけでは、できることに限界を感じていまして、今後は感染症対策に気を配りつつ、対面イベントの実施も考えています。

また、必要に応じて従業員の心身を健康にする旅行企画・ヘルスツーリズムや、働き方の多様化としてワーケーションもできればと思います。

すでに企画としてはいくつか考えており、例えば何人かで森林浴ができる施設にいき、リラックスするとともに課題改善のディスカッションをするとか。遊びやリラックスの要素を入れながら業務につなげるイベントを定期的に開催できないか、経営層に話しているところです。

予防に向けた健康づくりは年齢に関係なく重要

ーー健康に関心のある読者や、健康経営に取り組む企業の担当者へのメッセージをお願いします。

メンタル不調も一般的な疾病も、なってからでは遅いと思っており、弊社では予防の施策に注力しています。日々の健康づくりは年齢に関係なく、全員が意識しておくべき事柄です。

健康経営に取り組む企業さまに向けては、弊社で講演も行なっておりますし、サーベイツールの代理販売もしております。健康経営優良法人の取得に向け、何をすべきか迷われている場合は弊社でもサポートも可能です。ご興味のある企業さまはお声がけいただけると幸いです。

ーー本日はお話いただき、ありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:株式会社アイガ

インタビュアー:朝本麻衣子

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