
岐阜県中津川市に本社を構える「美濃工業株式会社」は、おもに自動車部品のアルミニウム合金ダイカストの生産を行なっている企業です。
同社は「健康経営優良法人2020(大規模法人部門)」に初認定されて以降、3年連続で同認定を受けており、社員の健康増進を目指して活動を進めています。
今回は同社総務部長の加藤快武さん、総務課の加藤さん、水谷さん、小池さん、木村さん、梅田さんに美濃工業の健康経営についてお話を伺いました。
4つの目的のもと進める健康経営

ーーまず御社の事業内容について教えてください。
当社は1950年の創業以来、ダイカスト製品のリーディングカンパニーを目指して歩み続けています。
高信頼性を要求される新製品の生産実績を多数持ち、トップレベルの生産技術により業界内で揺るぎない地位を築き上げてきました。
ーーありがとうございます。どのような目的をもって健康経営に取り組まれているのでしょうか。
当社の健康経営活動における目的は、「生産性の向上」「負担軽減」「イメージアップ」「リスクマネジメント」です。健康経営を推進することで、社員が活き活きと働くことができるよう支援しています。
社員一人ひとりが健康と向き合い、自ら健康を意識した行動ができるようになれば、モチベーションの向上やブランド価値の向上などさまざまな利益をもたらします。結果、組織の活性化が実現し、目的を達成することで永続的な企業の発展を目指しています。
社員および家族の健康は、会社の「財産」です。働きながら健康になれるよう、今後も継続的に健康経営に取り組みます。
ーーどのような体制で活動されているのでしょうか。
代表取締役社長を健康経営最高責任者として、健康経営事務局を総務部総務課に設置し、役員会や関係機関(安全衛生委員会・産業医・健康保険組合)と連携を取りながら健康経営活動の推進や社員への展開をしております。
社内外の施策で心身の健康をサポート
ーー社員の皆さまの健康状態について改善が必要だと感じていた点はありましたか?
社内健康診断調査に基づいてデータを算出しており、特に喫煙率とメタボリックシンドローム該当者率について改善が必要だと感じております。2021年度の調査結果では喫煙率が約33%、メタボリックシンドローム該当者は予備軍も含めて約15%でした。
喫煙低減に向けては、社内ポスターでの呼びかけと禁煙セミナーの実施を予定しており、禁煙外来受診者への補助金制度も設けています。
メタボリックシンドロームについては、特定保健指導を社内で実施し、保健師との面談を就業時間内で設けています。
ーーその他の取り組み内容についてもお聞かせください。
健康診断は受診率100%で、従業員アンケートやストレスチェックも実施し、セミナーを活用して健康に関する継続的な情報提供を行なっています。
食事に関しては、社員食堂でヘルシー食を提供しています。これは野菜を120g以上使ったメニューで、彩り豊かな「薬膳カレー」などがその一例です。

運動に関しては、社内でスポーツイベントや外部専門講師による運動教室を開催しているほか、岐阜県主催の運動イベントなどにも参加して運動習慣の定着を図っています。
また、コミュニケーション促進のため、クラブ活動に対する補助金制度や同好会懇親バス旅行があります。
また、外部の専門機関によるメンタルサポート相談窓口を設置しており、健康・医療・メンタルヘルスなどについて24時間365日いつでも相談が可能です。
その他、従業員アンケートをもとにさまざまな施策を実施しており、社員向けの施策だけでなく社外発信についても注力しております。
社内周知には上長からの働きかけも重要

ーー健康経営を実践するうえで、苦労されたことや工夫されたことはありますか?
社員に対する健康経営についての内容の周知に苦労しました。「健康経営とは何か」「どのような効果が出るのか」などを社内にどのように周知したら良いか、現在も試行錯誤しております。
啓発ポスターの掲示などもしておりますが、それだけでは全員に周知できないという課題がありましたので、各部の上長を巻き込んだ社内展開をするよう工夫しております。
また、健康体操実施時の参加率の低さが目立っていました。実施時間を就業時間外に設定しており、今期は参加人数が多少増加しましたが、以前は20名ほどしか参加していただけておりませんでした。健康体操の案内方法を変え、さらに役員などからも参加を促していただくことで参加者が40名に倍増しました。
今後は女性の健康課題や運動機会の提供にも注力

ーー今後の計画や注力されていくことがありましたらお聞かせください。
今後は全社員を対象に健康に関するセミナーを実施する予定です。厚生労働省からの発信にもありましたが、女性特有の健康関連課題への対応、女性の健康保持・増進については、特に注力すべき取組みであると考えております。
また、コロナ渦以前に社内で開催しておりました、社内運動会「ミノリンピック」についても再開を目指し、社員の運動機会の提供にも一層尽力していく所存です。
ーー最後に、健康に関心のある読者の方へメッセージをお願いします。
体と心の健康ケアはもちろん、仕事と夢や生きがい、働きがいといった社会的健康を目的に、社員一人ひとりがやりがいを持って働ける環境ができたら素晴らしいと思いませんか?当社はそんな夢のある会社を目指しています。
ーー本日はお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
今回お話を伺った企業はこちら:美濃工業株式会社
インタビュアー:青柳和香子
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