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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

最も大切な資産は「人」である。日本板硝子株式会社にインタビュー

創業以来大切にしている企業理念が健康経営につながった

ーー本日はよろしくお願いいたします。まず御社について教えてください。

小林史朗さん(以下、小林):弊社は1918年に大阪で設立された、住友グループの一員として100年を超える板ガラス製造の歴史を持つ会社です。

おもな事業として建築用ガラス事業では、各種建築用ガラス、太陽電池パネル用ガラスなど。自動車用ガラス事業では新車用(OE)ガラス、補修用(AGR)ガラスを製造。

そしてクリエイティブ・テクノロジー事業では、プリンターやスキャナーに用いられるレンズ、タイミングベルトの補強材であるグラスコード・ガラスフレークを中心とする特殊ガラス繊維などを製造しています。

2006年の英国ピルキントン社との統合により、現在は欧州、北南米、アジアといった世界各地に主要製造拠点を持ち、100カ国以上で製品の販売を行なう、世界最大級のガラスメーカーの一つとなりました。

ーー健康経営を始めたきっかけや目的について教えてください。

小林:当社は1918 年の設立以来、住友の理念であります「事業は人なり」を重んじ、現在の経営理念「Our Vision」においても「人を尊重し、人を活かす」をコア・バリューの最初に掲げております。

最も大切な資産は「人」であり、企業の持続的価値向上および社会貢献の実現のためには、社員とその家族が健康であることが基盤になるというのが当社の考えです。

そのため、社員がその能力を最大限に発揮できるようにするためにも、社員一人ひとりの健康促進に取り組む目的で健康経営を推進しています。

積極的に発信し社内での健康経営の浸透を図る

ーー具体的にどのような体制で活動されているのでしょうか?

水野洋一さん(以下、水野):活動は日本を対象に行なっており、日本カントリーマネージャーのリードのもとでサステナビリティ部と人事部が事務局となり、各事業所に全体的な進め方を示しています。

また各事業所の取り組み状況を取りまとめるなど、連携を取りながら進めています。

ーー社員の方の健康状態について改善が必要だと感じていた点や課題はありましたか?

小林:全体的な傾向として、特に当社が世間一般と比較し、改善を要する健康上の大きな課題があるわけではありませんでした。

しかし従業員に関する課題としては、健康経営による取り組みが効果的であろうと思われるものもありました。

具体的には、Covid-19感染拡大によるストレス増加や運動不足、高齢従業員の生産性低下、健康経営に力を入れることによる若い世代へのPRなどです。

他社様の取り組みも参考にしながら、社員のさらなる健康促進により、パフォーマンスの向上、魅力ある会社づくりにつながるよう、全体の活動として取り組んでいきたいという思いです。

ーー御社が進めている取り組みを具体的に教えてください。

水野:当社でのおもな取り組みは、例えば各種動画配信により従業員の健康に対する知識や意識を強化することです。

具体的には健康診断・再検査受診、特定保健指導の徹底。また、禁煙率向上に向けたアクションとして、ニコチンパッチを使った禁煙サポートや、禁煙タイムの設定などを行ないました。

ーー健康経営を実践するうえで、苦労されたことや工夫されたことはありますか?

水野:社員の皆さんに健康経営の実践を知ってもらい、また巻き込んでいくことが大事だと考えています。

社内報にて発信し、労働組合との議論や、事業所長に旗振りをお願いしていくことなど、いろいろなところから取り組みについて浸透させていくようにしています。

ーーお取り組みによる効果、健康経営優良法人認定に対する社内外からの反響はいかがでしょうか?

小林:優良法人として認定されたことで、健康経営ということを意識する以前から当社の社員の健康に対する基本的な対応はある程度できていたということを再認識することができました。

当社の取り組みに対するお問い合わせをいただく機会も増えたと実感しています。一方で、先進的な取り組みをされている企業様との差も感じており、まだまだ課題が多いと考えています。

健康経営の一体感を高める効果にも期待

ーー健康経営について今後の計画や注力されていくことがありましたらお聞かせください。

水野:健康診断結果をデータとしてさらに活用すること、産業医や看護師などの巻き込みを強化すること。範囲を広げていくことと同時に、原点に立ち返って専門家のサポートを得ながら進めていくことを考えています。

ーー健康に関心のある読者へのメッセージをお願いします。

小林:健康は奥の深いテーマです。社員一人ひとりや家族にとって、より健康であることが大切なのはもちろん、健康促進について考え話し合ったり、実際にアクションしたりすることが企業のパフォーマンスや魅力づくりにもつながるでしょう。

そのプロセスによって自分自身や仲間への理解が深まり、一体感が強まることにもなると考えています。

ーー本日はお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:日本板硝子株式会社

インタビュアー:島田佳代子

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