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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

従業員一人ひとりと接する機会を設けて心と体を健康に!株式会社栄和産業にインタビュー

神奈川と静岡に14工場を持つ製造業

ーー本日はよろしくお願いいたします。まず、御社の事業内容や取り組みについて教えてください。

伊藤正貴さん(以下、伊藤):弊社は1974年に私の父が創業し、2022年11月13日に48周年を迎えました。第40期を境に私が社長に就任しております。

神奈川県綾瀬市に12工場、静岡県沼津市に2工場、合わせて14の工場があり、従業員数は172名。金型設計製作や大型加工部品の製作などをしており、自動車の部品が3割、ショベルカーの部品が7割ほどの構成です。

企業理念を「ダイバーシティの力で笑顔あふれる未来を創り出す」として、従業員一人ひとりの能力や個性の尊重は、企業が成長する原動力であると考えています。会社が活躍するには従業員の健康があってこそと思い、4年前に健康経営宣言をすると、2022年に健康経営優良法人の認定を受けました。

コロナ禍の影響によりこの2年半は売上が落ち込んだものの、現在は上向き始めておりますが、生産性を保つにはやはり従業員の健康が欠かせません。そのため、健康を維持できる環境を整え、会社経営に活かせるようにしていきたいと思っています。

部活動や社内禁煙で従業員の健康を促進

ーー御社で取り組まれている具体的な施策について教えてください。

伊藤:まず、健康診断の受診率は100%を実現しています。以前は当日にコーヒーを飲んできたり朝食を食べてきたりして、こちらが健康診断の機会を用意しても受けない従業員がいました。

その結果、病気の発見が遅れて亡くなってしまう従業員がでてしまいました。それ以来、全従業員が健康診断を受けるよう強く働きかけるようになりました。従業員のほうも身近にこうした事例が起きたことで、意識が高まった部分もあるようです。

そして、健康診断の結果が悪い従業員へは、再受診や治療を声がけし、今の仕事を続けられるのかも含めて経過をフォローしています。体調を崩して休みがちになる人は、自己管理や健康に良い習慣を身につけてもらう必要があると思い、そういったことも面談時に呼びかけています。

弊社のものづくりの仕事は体力が必要な部分もあり、先代の頃から運動系の部活動がありました。また、従業員の健康づくりになればと、小学校の体育館を借りてスポーツ大会を実施したこともあります。ここ最近は密を避けるため、体育館での競技はできていませんが、野球やソフトボールなどの屋外での活動は続いています。

神奈川県が受動喫煙防止に乗り出した影響をうけて、就業時間中は禁煙としました。私自身もタバコを吸っていましたが、受動喫煙防止の話が出てきた頃、仕事で海外に行く機会がありました。目的地までの10時間以上のフライト中はタバコが吸えません。それならばと禁煙に踏み切ったところ実行できたので、これを機に会社でも就業時間中の禁煙を実施しました。意外とみんなタバコを止めるきっかけになったようです。

さらに、健康診断で肥満を指摘された従業員には、健康管理アプリの利用を勧めて摂取カロリー・消費カロリーの記録や、体幹トレーニングの指導、部活動への参加呼びかけもしてきました。私自身、トレーナーから指導を受けていた時期があり、従業員への指導はその受け売りですが、そのときに得た知識を活用して行ないました。

従業員一人ひとりと向き合う場を持つ

ーー心の健康面での取り組みも何かされていますか?

伊藤:ここ最近は飲みに誘って交流するというやり方が難しい状況下にあり、面談機会を設けたり、それ以外でも必要とされれば時間を取ったりして、従業員と向き合う時間を作っています。

話を聞いてみると、仕事に対して意見を持っているけれど、それを出していいかためらっていることもあるようです。そんなときは従業員の背中を押したり、誰に相談すれば良いかアシストしたりして、悩みを取り除けるようにしています。

言いたいことを誰にも言えずため込んでしまうと、ネガティブになって、心を病むかもしれません。そうなる前に、気軽に話せる環境をつくり、未然に防げるようにしています。

また、弊社では毎月の給与明細を手渡ししており、そこでも従業員一人ひとりと接する時間にしています。ちょっとした相談を受ける場にもなっており、これからも可能な限り続けていきたいです。

健康経営から職場内の雰囲気も良好に

ーー健康経営に取り組むなかで、課題に思われたことはありますか?

伊藤:やはり健康に対する意識の違いがあり、一緒になって積極的に取り組んでくれる従業員ばかりではありません。健康を重視しない層をどうやって巻き込んでいくか、私の力不足もありますが大きな課題です。

健康診断結果が良い人を表彰するのも考えましたが、不健康な人との差が開く一方のようにも思えて実現できていません。どのようにバランスを取って施策を行なうか、非常に悩ましい問題です。

健康意識をさらに高める必要があると思いますので、毎週開催している勉強会のテーマに取り上げたり、個別面談のときに注意したりもしています。ただ、あまり強い言い方をしてしまうと、パワーハラスメントになりかねない部分もあり、難しいところです。

ーー取り組みによる効果や、従業員からの反響はいかがでしょうか?

伊藤:体調不良などを理由にした欠勤率は下がっており、従業員同士の関係もギクシャクしないようになってきたのは良い効果だと思います。

以前は欠勤の目立つ従業員が嫌われ、職場内の雰囲気が悪くなることもありました。しかし欠勤率が下がり、そうした社内の不和もなくなって、良好なコミュニケーションが取れる環境になってきていると感じます。こうした変化は、従業員のメンタル面での健康にも寄与しているのではないでしょうか。

人間性と健康の大切さを伝えていきたい

ーー健康経営について、今後の目標や展望などお聞かせください。

伊藤:防げる離職は未然に防ぎ、長く働いてもらえる会社であるには、従業員の健康が大きなキーワードになると思います。

ある程度の年齢ならば仕方がないと思えますが、50代や60代前半の従業員が病気で亡くなってしまうのは辛いことです。若い頃から健康を意識していれば違ったのではないかと思うこともあり、お節介だと思われても粘り強く、従業員への声がけを続けていきます。

また、養護施設で育った子どもたちに、社会に出て働くようになったとき、何が必要か・大切かということを、企業側の視点で教えられればと計画しています。こういった内容は学校教育では学ぶ機会がなく、知っているか否かで仕事での伸びに差が出ます。

弊社では他人同士がともに働く場では、礼儀と節度が第一であると考えており、人間性に問題があると良い仕事はできません。かつては自分本位に振る舞っても、仕事の腕が良ければ許されたような時代もありました。しかし、今はそのような働き方では通用しません。周りの人間が離れていったり、自身が働きづらくなったりするでしょう。

そして、第二に自己管理を身につけ安定感を持つこと。ここは健康経営とも紐付けています。それらを踏まえ、第三に向上心が大事であるとしています。

そういった学びの機会を用意したいと、学校の長期休暇を利用して話を持ちかけたところ「ぜひお願いしたい」と言っていただいたのですが、新型コロナウイルスの影響により頓挫してしまいました。今後の情勢を見ての判断となりますが、計画の一つとして実現できればと思います。

「らしさ」を活かし、社会全体で健康経営を

ーー最後に読者の方へメッセージをお願いします。

伊藤:健康経営はゴールのないもので、毎日・毎年進化していくのが大事です。

人生100年・生涯現役といった社会が、もうそこまでやってきています。今後も活躍できる労働人口を増やすには、みんなが健康をより意識し、健康経営を高めていく必要があると思います。

それぞれの企業が「らしさ」を活かしつつ、情報交換もしながら、みんなで健康経営に取り組みましょう。

ーー本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:株式会社栄和産業

インタビュアー:島田佳代子

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