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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

健康で長く働ける環境づくりを。ベンダ工業株式会社にインタビュー

病気による休職・退職が相次ぎ、健康の大切さを痛感

ーーまずは御社の事業内容や沿革について教えてください。

木村さん(以下、木村):弊社は1964年に創業し、曲げ加工を応用して自動車分野に進出してきました。現在は金属リング製品を主力製品としていて、自社推計で世界トップシェアとなる年間1,930万個を生産しています。おもな販売先は自動車、トラック、農機、建機、船外機メーカーです。

2020年よりハイブリッド自動車部品の納入を開始し、2032年までに電動化商品と未来商品を合わせて50%まで比率を高めるべく、新分野への進出と研究開発の強化、商品サービス力の強化に取り組んでいます。生産拠点は広島県の呉市と東広島市の2カ所にあり、社員数は日本単体で145名です。

ーーありがとうございます。健康経営はどのようなきっかけで開始されたのでしょうか?

木村:健康経営を始めたきっかけは、「匠」とよばれる永年勤続優秀社員をはじめ、複数の社員が病気により休職や退職を余儀なくされたことでした。また、社長のお父様である会長が出張先で急逝したことからも健康に対する意識を高めていく必要性を感じ、2017年より健康経営の取り組みを展開しています。

ーー従業員の皆さまの健康状態について、改善が必要だと感じていた点はありますか?

木村:健康診断の結果によると脂質異常と診断される社員が多い傾向にあり、対策の必要があると感じていました。

食事・運動・労働と多角的に施策を実施

ーー具体的な施策について教えてください。

木村:脂質異常の改善を期待して、社員食堂を2021年にオープンしました。もともと仕出しのヘルシーなお弁当は注文していましたが、お弁当だと昼食前に冷めてしまうため注文しない社員がいたり、缶コーヒーとパンやカップ麺といった食事ですませたりする社員が複数名見られました。

社員食堂では温かい食事が食べられるので、従業員から喜ばれています。地元で採れたお米や野菜を使い、管理栄養士が立案した健康に配慮した献立で、日替わり定食を提供しています。製造業を営む弊社では現場社員に若い男性が多く、ご飯と味噌汁がおかわりできることも好評です。

ーー温かくて栄養バランスのいい食事はうれしいですね。運動面はいかがでしょうか。

木村:昔から就業前に必ずラジオ体操をしています。新型コロナウイルス感染症が広まる前は、地域のスポーツイベントにも参加していました。

有給休暇の取得促進も行なっています。全社一斉に有給休暇を使う日を3日設けているほか、誕生日月にリフレッシュしていただけるように、誕生日休暇としての有給休暇も設定しています。

有給休暇は毎年5日の取得が義務付けられていますが、今年度、弊社では6日取得するように促しています。今後も一日ずつ、この最低取得日数を増やしていきたいですね。

また長時間労働を防ぐため、時間外労働の上限を月30時間以下に設定しました。毎月15日に、当月の時間外労働時間が15時間を超えている社員名と現在の時間外労働時間を管理者に報告しています。

月の折り返し地点である15日時点で時間外労働時間が15時間を超えると上限30時間を超える可能性が高いため、管理者が部下の業務調整を行なっています。

健康に対する意識の変化が徐々に見えてきた

ーー健康経営に取り組むなかで、大変だったことはありますか?

木村:健康診断で再検査や医療機関への受診が必要と診断された方に、受診を促すのが大変でした。「受けに行ってください」と言うだけでは受診が進みませんので、どうしたら検査の必要性を理解してもらえるか、受診を促すことができるかは考えましたね。

再検査に要する時間は勤務時間の扱いにしていたのですが、うまく周知ができていなかったのも反省点として改善しました。

ーー健康経営に取り組まれて、従業員の皆さまからの反響はいかがでしょうか?

木村:健康に対する従業員の意識が少しずつ変わってきたと感じています。今では気になることがあれば早めに病院に行く人、毎月実施している産業医の先生への健康相談会に参加するようになった人も見られるようになりました。

ーー産業医の先生への相談数は多いのでしょうか?

木村:以前はインフルエンザワクチン接種の際に健康相談を募りましたが、希望する人があまりいませんでした。ただ今年8月からは毎月健康相談ができる機会を設けたため、2カ月で4名が参加しています。

良きお節介役となり社員の健康を管理していく

ーー健康経営について今後の計画、展望がありましたらお聞かせください。

木村:運動に関しては、ボウリングにコミュニケーションを組み合わせた「コミュリング」を取り入れていきたいです。外部の方から教えていただいて、タイからの実習生の送別会でやってみたところ、出席者から好評でした。運動機会の提供とコミュニケーション活性化を目的に、今後も一つの選択肢として検討していきたいですね。来期には社内運動会も実施したいと考えています。

ほかには勤続年数が10年以上の従業員を対象に、長く勤めていただいている感謝と健康サポートの意味を込めた補助も予定しています。会社指定の機関で実施する人間ドック、あるいは定期健康診断の血液オプション検査費用を一部会社が負担する取り組みです。人間ドックは半日就業時間扱いで受けることができます。

ーー最後に、今後の目標を教えてください。

木村:社員の皆さんが健康で長く働き続けられる職場をつくりたいという思いで、健康経営に取り組んでいます。健康管理は個人ではなかなか難しいこともありますので、会社が良きお節介役となり、今後も健康増進を進めていきたいです。

ーー本日はお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:ベンダ工業株式会社

インタビュアー:青柳和香子

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