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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

ウォーキングイベントが社内のコミュニケーションも活性化!株式会社ジャパンEAPシステムズにインタビュー

精神科医療を母体に職場のメンタルヘルスケアへ

ーーよろしくお願いします。まずは、御社の事業内容や沿革について教えてください。

榎本さん(以下、榎本):弊社は企業の従業員やそのご家族に向けたカウンセリングがおもなサービスです。相談をとおして自分の考えや気持ちが整理され、周囲との適切なコミュニケーションが増えると、個人の健康や働きがいに加え、組織全体の活性や働きやすさも高まっていきます。個人と組織の健康や発展を目指し、一人ひとりが自分らしく働けるよう支援するのが私たちの仕事です。

会社設立の1993年当時、心の健康への世の関心はまだまだ高くありませんでしたが、精神科医である現会長の新貝は、職場でのメンタルヘルス不調の早期発見や予防の重要性を強く感じ、翠会ヘルスケアグループという精神科医療グループの一角としてEAP事業を開始しました。その後、心の健康への注目の高まりを受け、数多くの企業様にサービスを活用いただいています。

お客様だけでなく、自分たちの健康と幸福も

ーーありがとうございます。健康経営を始められたきっかけについて教えてください。

榎本:他者の健康を支援するという職業柄もあり、弊社の従業員は人のために頑張りすぎて自分のことは後回しになる傾向もあるように思います。私たち自身が健康や幸せを感じながら良質なサービスを長く提供し続けられるよう、健康経営優良法人の制度化を機に取り組みを始めました。

ーー最初はどのような取り組みを行ないましたか?

安原さん(以下、安原):まずは自分たちの現状を知るため、健康診断の受診率や有休取得率、残業時間、喫煙率などの整理から始めました。公表されている他社平均と比較することで、健康に関する自社の強みや弱みを理解することができました。自分たちで当たり前だと思っていた健康診断受診率(100%)や有休取得率、残業時間などが実はとても大切だったり、平均より良い数値だったりすることがわかり、自信にもつながりました。

運動不足解消に「歩くダービー」を開催

ーー従業員の健康状態について、改善が必要だと感じていた点はありますか?

榎本:弊社の仕事は基本的にデスクワークです。対面カウンセリングは座って行ないますし、電話相談やメール相談も座ってパソコンに向かいます。また、相談中は離席できずに同じ姿勢が続くため、肩こりや腰痛も起きやすい環境です。総じて運動不足になりやすい点は改善が必要だと感じていました。

ーー運動促進に向けてどのような施策をされましたか?

安原:運動する機会になればと思い、「歩くダービー」というウォーキングイベントを定期的に開催しています。任意参加のイベントのため初期の参加率は50%程度でしたが、徐々に参加する人が増え、現在は73%になっています。

榎本:実は、導入当初は歩数の多い上位者に賞金を渡す個人戦のみでした。そうすると周りの従業員がすべて敵になってしまいますよね。弊社の仕事はチームワークやコミュニケーションが大事ですので、「みんなで健康になろう」というメッセージを示すため、基準となる歩数の達成を目標とする方針に変更しました。現在は8,000歩(個人)、8,000歩(チーム平均)・9,000歩(チーム平均)という3つの目標数値を設定し、それぞれの目標数値をクリアするごとに図書券をお渡しします。

安原:チーム戦にしたことで、運動促進だけでなく、従業員同士のコミュニケーションが増えたのも良かったですね。チーム編成は全国5つの支社の枠を超えて行なうので、日常業務での関わりが少ない人と会話するきっかけにもなっています。コロナ禍で支社間の交流が減るなかで、社内SNSなどを活用してチームメンバー同士が声をかけ合い、新入社員も含めていろいろな話題で盛り上がっているようでうれしいです。

榎本:「どうしたらそんなに歩数を増やせるの?」「先週末は紅葉狩りに行ったよ」「会社から歩いて帰った」などの会話を耳にすることも多く、運動と余暇活動、そしてコミュニケーションという心と体の健康に寄与する行動を、みんなで楽しく味わう雰囲気が社内に広がっていることも大きな成果です。

意見を集めて施策に活かす

ーーほかに実施されている施策はありますか?

安原:ウォーキングイベントの実施後は必ずアンケートを取り、参加して感じたことや、健康施策のアイデアなどを従業員に聞いています。すでに実施している施策が浸透していないとわかることもあるので、再度説明ができるといった相乗作用も生まれています。また、健康情報の提供に関しては、健保組合からの案内も重宝しています。

榎本:健康につながるものに充ててもらう「健康推進手当」も好評です。スポーツウエアやウエアラブル端末、サプリメントやアロマオイルの購入、家族での食事など使い方はさまざまですが、それぞれが健康になることを楽しんで取り組めるように、使い道は制限していません。

安原:これも任意のアンケートで使い道を聞いていて、みなさんのアイデアを共有することで、「こういう使い方もあったのか」「自分も今度は真似して買おうかな」などと楽しく知識や選択肢が増えています。

ーー職場環境の改善に向けてはどのような取り組みをされましたか?

榎本:みんなが働きやすい職場にしていくためのアイデアを、川柳で表現する企画を行ないました。記念すべき第1回の最優秀作品は「スケジュール 見える化しよう 休憩も」という川柳です。弊社の休憩時間は昼12時から全員一斉ではなく、各自が自分のタイミングで取ります。自由度が高い一方で、誰が休憩中かわかりづらく、休憩中に電話を取り次いだり業務の相談をされたりといった状況もありました。

安原:川柳を機に、グループウエアに休憩時間も予定として記入する運用に変更しました。各部署で一定の在席人数を確保する必要もあるため、ここでも自然と従業員同士の調整や会話が行なわれています。

榎本:適切な休憩は、健康やパフォーマンスの維持に欠かせません。みんなが不都合を感じつつも有効な対策を取れていなかった課題について、遊びを交えた企画で、従業員の知恵によりローコストで解決できたのはおもしろい体験でした。

健康への意識の変化、意見の増加

ーー取り組みについて、従業員からの反響はいかがでしょうか?

安原:「楽しいです」「うれしいです」といった好意的な声がたくさん寄せられており、会社が従業員を大切にする姿勢が伝わっていると思います。また、波及効果として、健康経営以外のアンケートでも多くの意見が出るようになりました。

榎本:また、自分の健康に意識が向くようになったのは大きな変化だと思います。例えば、「今年も結局、ダービーの時期しかウエアラブル端末を使いませんでした」「今回は余裕がなくて歩く途中の景色が見えていなかった」と朝礼で話してくれる人がいます。運動が習慣化するのが一番良いですが、習慣化に向けて意識が向上していることや、心配ごとや疲れで運動を楽しめなかった「今の自分」への気付きをえること、それを言葉にする機会となっているのも一つの効果といえるのではないでしょうか。

心の健康と体の健康はセットで考えることが必要

ーー健康経営について、今後の計画や目標を教えてください。

安原:健康診断の受診率100%やフォローアップは、健康経営の基本として今後も継続させたいです。喫煙や食生活の改善も健康経営優良法人の認定項目にありますが、個人の行動に会社がどこまで介入するのか、という問題があります。例えば、勤務中にタバコを吸う人はほとんどいませんが、自宅での喫煙まで会社は禁止できません。健康診断の有所見率なども見ながら、会社にできることと従業員に任せることを考えていきたいです。

榎本:健康経営の進め方自体も、従業員の意見を取り入れながら実践できればと思います。また、以前は全従業員が集まる勉強会などを開催していましたが、最近は新型コロナウイルスの影響もあって実施できていません。何らかの形で会社の会合もしていきたいですね。

ーー健康に関心のある読者の方や、企業で健康経営に取り組む方へメッセージをお願いします。

榎本:心と体は連動しているため、体の健康を整えることはメンタルヘルス上もとても重要です。食事や睡眠、運動といった体の健康を作る要素が不足すると心にも悪影響をおよぼしますが、落ち込んだり苛立ったりするときに、よく食べよく寝て運動するなど、体をケアすることで心の状態が整うこともあります。

健康経営とは、従業員がそのように健康を維持・向上させる時間やきっかけを与えることに本質があると思います。「推奨はしても強制はしない」、その線引きは難しいところですが、みんなで健康経営に取り組み、会社と従業員がそれぞれ役割を果たして心と体の健康を高め、元気な人が多い会社、社会を作っていきましょう。

ーー本日はお話いただきありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:株式会社ジャパンEAPシステムズ

インタビュアー:塩野実莉

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