
株式会社プロスチールは、愛知県名古屋市に本社を構え、鉄鋼製品の加工や販売を行なっている会社です。従業員の一人ひとりが活躍できる環境づくりとして健康経営に取り組み始め、健康経営優良法人の認定を取得されました。
今回は、健康経営の取り組みについて同社の寺崎さんと柴田さんにお話を伺いました。
心身の健康は仕事のパフォーマンスにも影響する
ーー本日はよろしくお願いします。御社の沿革やおもな事業内容について教えてください。
寺崎さん(以下、寺崎):当社は、愛知県名古屋市に本社、静岡県浜松市に営業所を構え、主力商品として特殊鋼・ステンレス鋼板を取扱う鉄鋼流通業を営んでいます。また、在庫・加工・物流機能を併せ持つ総合プレイヤーでもあります。
ーー御社は健康経営優良法人の認定を取得されています。健康経営を始めたきっかけはどのようなことでしたか?
柴田さん(以下、柴田):健康事業を行なう企業さんから、健康経営優良法人について紹介されたことが最初のきっかけです。仕事のパフォーマンスを最大限に発揮するためにも心と体の健康は重要ですよね。働き方改革などの取り組みをとおして、従業員の一人ひとりが活躍できる環境づくりを目指していきたいと考え、当社で健康経営に取り組む方針が決まりました。
2018年には健康経営推進チームを立ち上げ、「SunnySmile~毎日の生活に輝く笑顔を~」というプロジェクトテーマのもと、当社の健康経営活動が始まりました。
大テーマと中テーマを設定する
ーーどのような流れで施策を立案されているのでしょうか?
柴田:従業員の声を取り組みに反映することを大切にしているので、毎年年末に実施する健康経営活動に関するアンケートの結果を踏まえて検討していきます。
2022年の大テーマには「ハッピーライフスタイル」を設定し、中テーマとして「生活習慣の向上」「カラダを動かす習慣の定着」「禁煙推奨活動」「免疫力アップ」を設定しました。このテーマをもとに、具体的な取り組みを月単位での年間スケジュールとして作成していきます。例えば、5月には口腔環境セミナーの実施、8月にはストレッチ体操の実施などを企画しています。
ウォーキングイベントでは歩数の計測と写真を募集

ーー体を動かす習慣の定着については、どのような取り組みを行ないましたか?
柴田:今年度は体を動かす習慣の定着を目指して、「気付き」「機会の提供」「継続」の3点から具体的な施策を検討しました。「気付き」については体力測定を実施、「機会の提供」については、日常生活に取り入れやすいストレッチ体操セミナーを開催しました。「継続」についてはウォーキングイベントを開催し、運動習慣を継続させるきっかけづくりをすることで体の変化を感じてもらえるよう計画しました。
ーー体力測定やストレッチセミナー、ウォーキングイベントについて詳しく教えてください。
柴田:体力測定は、昨年度は背筋力と握力の測定、今年は握力測定を実施しました。社内でインフルエンザワクチンの集団接種を行なう日は従業員のほとんど全員が集まるので、その機会に併せて体力測定も行なっています。学校卒業以降は体力測定をする機会がなかった従業員も多く、「思っていたより体力があった!」などの会話で盛り上がっていました。
ストレッチ体操セミナーは、外部の講師をお招きして開催しました。そのなかでも反響の大きかったテーマは姿勢についてですね。まず、「どこの筋肉を動かすとどのように変化するのか」といった筋肉の知識を学び、そのあと正しい姿勢について学びました。セミナーの最後に自分の姿勢を確認すると、変化を実感している方も多かったです。
また、ウォーキングイベントは10月の1カ月間の土日に歩数を計測してもらい、競い合うイベントです。今年度からはウォーキング中に撮影した写真の募集も行ない、フォトコンテストも行ないました。歩数の上位3名と中央の順位の方、そして写真についても優秀作品を選出して表彰を行ない、賞品をプレゼントしました。基本的に全員が参加するイベントなので、「結構歩いているね!」という声かけや、写真を見るなかで「ここに歩きに行ったんだね」などの会話が生まれ、コミュニケーションの促進にもつながりました。
健康に対する意識を向上させるために
ーー従業員の健康状態で改善が必要だと感じたことはありますか?
柴田:従業員の健康に対する意識の低さが取り組み始めた頃からの問題でした。毎年実施するアンケートでは、「自身の健康に興味がない」と回答する方もいますが、健康に対する情報発信や健康促進イベントをとおして、健康について興味を持つきっかけを作っていきたいですね。
健康に対する情報発信として、社内情報誌『SunnySmile』を毎月配布しています。また、年に一度開催される安全大会という社内イベントで時間をいただき、「健康経営とはどういうものなのか」や「セルフケアの大切さ」についてお話しすることもあります。
ーー健康経営に取り組むなかで大変だったことはありましたか?
柴田:活動を始めた当初は、健康経営の取り組みを社内に浸透させ、従業員に理解してもらうことが大変でした。現在でも、「会社が健康経営への取り組みを行なうことに疑問を抱いている」といった厳しい意見をいただくこともありますが、それぞれの意見を大切にしながら、従業員全員で創り上げる健康経営活動にしていきたいと思っています。
今後も、健康セミナーの実施や健康情報の発信、アンケートでいただいた意見を健康経営の取り組みに反映することなどをとおして周知を進め、少しずつ理解していただけるように活動していきます。
従業員の意見を取り入れた健康セミナー
ーー健康経営を進めるなかで、従業員の方の反響はいかがですか?
柴田:昨年度実施した「腸活セミナー」は、従業員の意見を取り入れて実施したものです。誰でも簡単に実生活のなかで役立てられる内容でしたので、好評の声をいただきました。また、採用活動においては、新入社員向けの説明会や面接の際に、志望動機の一つとして「従業員を大切にしてくれる会社だと感じたから」という声を聞くこともあります。健康経営に取り組んでいる者として、とてもうれしかったです。
自身の健康を意識するきっかけを作りたい

ーー健康経営の今後の目標を教えてください。
柴田:今年度は、健康経営優良法人認定の上位500社に与えられるブライト500を取得しました。そのことがきっかけとなり、従業員の健康に対する意識も少しずつ高まっていると感じます。今後も従業員の健康意識を高めることに邁進し、従業員一人ひとりが自ら主体的に健康管理に取り組んでいただけることを目標として活動していきたいと思います。
ーー最後に、読者の方や企業で健康経営を担当されている方に向けてメッセージをお願いします。
寺崎:どの会社にとっても最も大切な財産は従業員だと思いますので、私たちの活動が健康経営に取り組むきっかけになるとうれしいです。当社では、「従業員が自身の健康に目を向けるきっかけを会社で作りたい」と考え活動していますので、今後も、従業員が心身ともに健やかに、安心して働ける職場環境を作っていきます。
ーー本日はお話いただきありがとうございました。
今回お話を伺った企業はこちら:株式会社プロスチール
インタビュアー:塩野実莉
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