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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

6年連続で健康経営優良法人。高木建設株式会社にインタビュー

女性の活躍で高評価。男女共同参画優良事業所に

ーー本日はよろしくお願いします。御社の事業内容やお取り組みを教えてください。

髙木常務(以下、髙木):弊社は創業88年の総合建設会社です。社員数は83名、平均年齢は44.1歳となっています。

社員のうち14名が女性で、5名は現場技術者として働いています。技術職の約1割が女性であることから、長野市長より「男女共同参画優良事業所」として表彰されました。

ーー健康経営を始められたきっかけについて教えてください。

髙木:弊社の社員は10代から70代まで幅広いのですが、近年は高齢化が進んでいます。また病気やケガ、うつ病などでの離職者増加が人手不足や生産性の低下につながると考えて健康経営に取り組み始めました。2017年から6年連続で健康経営優良法人の認定を取得しています。

取り組みは総務部主体で進め、産業医や協会けんぽ長野支部と連携しています。総務部の吉田は健康経営アドバイザーの資格を取得し、衛生管理者の資格を有している私とともに、それぞれ取り組みに役立てています。

公私ともに支える社内制度や部活動

ーー具体的な施策について教えてください。

髙木:3年目に消失する有給休暇を家族看護や不妊治療、PTA、消防団活動などに活用できる「ファミリーフレンドリー休暇制度」や、業務外の資格取得・親睦会費用を会社が補助する「自己啓発コミュニケーション支援制度」といった社内制度を整えています。

また、自身の現状を把握して運動のきっかけ作りとなるよう、定期健康診断時に体力測定の機会も設けました。その他野球部、マラソン部、登山部、フットサル部といった部活動で健康増進とともに親睦を深め、企業対抗ウォーキングラリーにも参加しています。

体力測定では各自に合った運動メニューの提案も

ーー体力測定は、どのように実施されたのでしょうか?

髙木:松本大学さんが提案されている運動促進プログラム「TAGFITNESS(タグフィットネス)」の出張利用をしました。専用の検診車に来ていただき、そこで全社員が体力測定を受けるという形式です。弊社では健康診断も検診車を呼んで一斉に受けているため、体力測定もプラスして同時に実施しました。

どの社員も「自分は体力がある」と思っているため、体力測定によって自分の現状を知ることが運動に取り組むきっかけになるのをねらった企画です。

私も参加しましたが、持久力を測定するため1分ごとに負荷がかかる自転車を3分間こぎ続けるのはとてもつらかったです(笑)。毎日1万歩を目標に徒歩移動を心がけていますが、思ったより脚力がないという結果に驚きました。

個別の測定結果とともに、各自に合わせた運動プログラムも提案してもらえます。「スクワットを10回」など、具体的な内容が指示されてわかりやすかったです。

社員も楽しく参加してくれて好評でしたし、感想や測定結果が社員同士の話題にもなりました。今後も数年に1度のペースで実施できればと思います。

企業対抗のウォーキングイベントが運動・社内交流のきっかけに

ーー「企業対抗ウォーキングラリー」は、どのような内容でしょうか。

吉田さん(以下、吉田):「企業対抗ウォーキングラリー」は、長野県と協会けんぽによる「働き盛り世代の『健康づくりチャレンジ大作戦』グランプリ」の企画です。企業ごとに3人1チームで参加し、3カ月間の歩数を競い合います。ちなみに今年参加している弊社のチームは、優勝を目指して上位チームとせめぎ合っている状況です。

髙木:このイベントでは、長野県と協会けんぽが共同で作ったアプリを使っています。市役所や地元の大手企業さんのチームもあり、9~11月の3カ月間、ひたすら歩いて歩数を競い合うんです。

このイベントへの参加をとおして健康診断の数値に改善が見られた、イベント後もウォーキング習慣がついた、スマートウォッチを購入して生活に気をつけるようになったという社員たちがいます。

吉田:運動をする機会になるだけでなく、チームで参加することで、普段接する機会のない社員同士が交流するきっかけになればとも思っています。

中小企業4社による合同健康研究会も活発

ーー健康経営について、ほかの企業様との合同活動もされているそうですね。

髙木:新たな取り組みとして、地域も業種も異なる中小企業4社が集まり「4社合同健康研究会」を発足させました。

中小企業では健康経営だけに労力を割けないため施策がマンネリ化しがちですが、合同健康研究会での情報交換や共同での取り組みにより、大きな効果を生んでいます。この研究会は、先日「第11回 健康寿命をのばそう!アワード」にて、企業部門の厚生労働大臣優秀賞をいただきました。

研究会で製作を進めていた女性の健康にまつわる「あるある」を詠んだカルタも完成しましたので、カルタ大会をする、コミュニケーションツールで毎週2枚ずつ紹介するなど、社内展開の方法を検討中です。

女性の健康を気遣うのはセクハラになるのではと懸念を持たれる男性もいるでしょう。しかし男性も女性の体や健康について知り、体調を気にかけてくれるだけでもお互いの働きやすさが変わるのではないかと思います。正しく理解して、家庭でも女性の体を気遣えるようになっていただけたらいいですね。

吉田:1社だけでは実践が難しいことも、4社合同で協力すればアイデアが集まりやすく、スムーズに進められます。カルタ製作の企画を通じて、他社の女性とも健康についてざっくばらんに話せて、とても良い機会になりました。

社内の健康意識が向上。自発的なスポーツ企画も

ーー健康経営の推進について工夫が必要と感じる点や社内の変化はありましたか?

髙木:現状は吉田と2人で施策を検討しているため、ほかの社員からも積極的に意見をもらえるようにしていきたいと考えています。

良い変化としては、生活習慣社内アンケートの「会社は健康づくりに熱心か」「会社の取り組みで健康になれるか」といった項目で、当初と比較して「そう思う」と回答している割合が増えました。

「体調不良で何日欠勤したか」という設問では、約8割の社員が「0日」と答えており、病欠による経営損失や医療費削減にもつながっています。

休日には若手社員が自発的にフットサル大会を開催しており、健康増進に取り組もうとする社員の割合も増えてきました。ほかにも女性社員を対象にした健康セミナーやその後のランチ会では、普段話す機会のない事柄を話せる場になり楽しかったという声もありました。

心の健康や社内コミュニケーションにも注力

ーー健康経営について、今後の目標や注力されることがありましたらお聞かせください。

髙木:一番の目標は、社員のワークエンゲージメントやウェルビーイングを高めていくことです。

心の健康づくりにメンタルヘルスカウンセラーとともに取り組み始め、離職しようかと悩む人を減らせるようにしていきたいとも考えています。今はカウンセラーと一緒に社員の自己分析結果を見て、何に注力すべきかを確認している段階ですが、さらに推進していきたいと思います。

スマートフォンを活用した社内のコミュニケーションツールも積極的に活用していきたいですね。これまでは健康経営に関するお知らせなどをメールで発信していましたが、技術職の社員はメールを見ているかどうかわかりにくいため、情報を届けられているか疑問でした。今後はコミュニケーションツールを活かせるよう、使い方を模索中です。

ーー4社合同健康研究会についても、今後の展望がありましたらお聞かせください。

髙木:今ともに活動している4社にとどまらず、地域や子どもの健康などにも目を向けていきたいといった意見もあり、この研究会は健康経営のさらに先を見ていると思います。

病気と仕事の両立支援や禁煙の施策などもさらに進めていこうと活発に動いていますので、今後も協力し合って活動していきたいです。

取り組みは一歩ずつ、社員の引出しを増やせるように

ーー最後に読者の方へメッセージをお願いします。

吉田:弊社が健康経営を始めて7年経ちますが、当初はなかなか理解が得られませんでした。社員に参加してもらうには継続が大切で、諦めずに続けてきたことでコミュニケーションの増加や体調不良者の減少につながったと感じています。

髙木:吉田が言うとおり、健康経営は諦めずに一歩ずつ進めるしかありません。単純に健康だけを取り上げるのではなく、健康を取り巻くさまざまな話題を巻き込んで推進していきたいと思います。

会社存続には本業の業績を上げることがもちろん重要です。ですが、「生産性を上げろ」「売上を伸ばせ」と言うだけでは社員が付いてきてくれませんし、新しい働き手も集まらないでしょう。

健康経営を含め、さまざまな取り組みへのチャレンジをとおして社員の引出しを増やし、地域に展開する。それがまた仕事につながるという好循環を生み出せればと思います。

ーー本日はお話いただき、ありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:高木建設株式会社

インタビュアー:青柳和香子

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