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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

健康診断の再検査受診率向上に取り組み、従業員の健康維持を目指す。松浦通運株式会社にインタビュー

人手不足や長時間労働を改善したい

ーー本日はよろしくお願いします。御社の沿革やおもな事業内容について教えてください。

出さん(以下、出):創業78年目となる、佐賀県唐津市で総合物流事業を行なっている会社です。具体的には、法人向けの貨物運送を主力事業として、その他、港湾荷役や倉庫業、クレーンリース業、通関業、不動産業などを提供しています。物流事業者でありながら不動産事業に携わるなど、幅広いサービスメニューがあることが当社の特徴です。

ーーありがとうございます。健康経営を始めたきっかけについてお聞かせください。

出:健康経営を始める以前から、人手不足やそれにともなう長時間労働の常態化が業界全体の問題だと感じていました。従業員の満足度向上や優秀な人材を確保するためにも、働きやすい職場環境を提供する必要があります。

そのなかで、2018年に健康経営優良法人の認定制度を知り、「当社の取り組みを、公的な認定制度を取得できるくらいに成長させたい」という思いから、取り組みを強化し、2020年に初めて健康経営優良法人の認定を取得しました。

ーー最初はどのような施策から取り組み始めたのでしょうか?

出:当社では週休2日制を取り入れることから始めました。これを機に少しずつ福利厚生が充実していきましたね。この業界は、人材不足やお客様との兼ね合いから週休2日制を取り入れるのが難しいですが、お客様への説明や調整を行なうことで実践していきました。

健康診断の再検査受診率の向上

ーー健康経営の取り組みを進めるなかで改善が必要だと感じていた点はありますか?

出:健康経営を始める前から健康診断の受診率は100%でした。しかし、再検査となると受診率が70%ほどまで落ちてしまいます。再検査を受診することで病気や体調不良の原因を早期に発見し、重症化を防ぐ可能性も高まりますよね。健康を維持してもらうためにも、「要治療」の判定が出た方に病院を受診してもらうための取り組みが必要だと感じていました。

ーー再検査受診率の向上に向けて、どのようなことに取り組まれたのでしょうか?

出:最初は、要再検査の従業員に所属長から受診を促してもらいました。しかし、所属長も諸業務で忙しいことから受診勧奨を徹底するのは難しい状況で、再検査受診率の向上にはなかなかつながりませんでした。そこで、再検査が必要な人を本社でピックアップし、ただ「再検査してね」と伝えるだけでなく、従業員が受診できるように所属長が休みを調整する体制に変更したところ少しずつ効果が出始めました。

また、月に一度の安全衛生委員会でも、実際に再検査を受けてない人に対して、どのような対策をとることで受診につなげてもらうかを協議したり、社内のメールマガジンや掲示板を使って、再検査の重要性を伝える取り組みも行なっています。

受診の確認として、医師に書いてもらった受診証明を提出してもらうまでフォローを続け、現在では100%に近い再受診率を達成できるようになりました。

ーー健康経営を進めていくなかで大変だったことはありますか?

出:健康診断の再検査受診について、所属長から勧奨しても「時間がないから」「プライベートの時間だから」ということで、再検査の重要性をなかなか理解していただけないケースがありました。再検査日のスケジュール調整がお客様の都合で変更することになるケースもあり、結果につながるまでは大変だと感じていましたね。

試行錯誤を続けた結果、現在では再検査の受診に対するフォロー体制ができました。今後も継続して取り組んでいきます。

相乗効果で求人の応募率が向上

ーー健康経営の取り組みによる効果や反響はいかがでしたか?

出:健康経営優良法人を取得後の採用活動においては、健康経営に力を入れていることが当社のアピールポイントの一つとなりました。これは業界に対するイメージアップにもつながったと思います。健康経営以外で当社が取り組んでいることと、健康経営への取り組みが相乗効果となり、優秀な人材の確保につながったのではないかと感じています。

社風の指標として「健康経営優良法人」の認定を受けていることはわかりやすく、求職者の方にも「従業員のことを大切にしている会社」だと伝わるのではないかと考えています。

長時間労働を減らし有休消化率の向上を目指したい

ーー健康経営についての今後の計画や目標を教えてください。

出:当社では時間外労働が多いので、今後は減らす取り組みを進めようと考えています。また、有給休暇の取得についても、当社は7割程度が取得できているのが現状ですが、9割が取得できるように新しい施策の検討などを行なっていきます。従業員が働きやすい職場環境の整備が今後も私たちの課題です。

「健康に良くない業界」というイメージを変えていきたい

ーー最後に、健康に関心のある読者の方や企業で健康経営を担当されている方へ向けてメッセージをお願いします。

出:運送業全体が、長時間労働が一般的であったり、喫煙しているドライバーさんが多かったりすることから、健康的ではないというイメージをもっている方も多いかと思います。そのなかでも、健康経営への取り組みをとおして働きやすい環境を整え、業界を良くしようと活動している会社が存在していることも事実です。当社もその一員として、健康経営に取り組むことで少しでも業界のイメージアップができればと思います。

ーー本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:松浦通運株式会社

インタビュアー:塩野実莉

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