
長野県に本社を置く株式会社オーイケは、コンクリート資材・製品の製造販売を行なう会社です。昭和45年の創業以来、一貫して他社にないオリジナリティを持つ製品づくりに挑戦しています。
会社の活力となる社員の健康を守るべく、健康経営に取り組み、2020年から3年連続で、「健康経営優良法人」に認定されています。
今回は同社の大池秀実さんに、健康経営の取り組みや実践後の社員の方からの反響など、お話を伺いました。
社員の健康が会社の活力になる

ーー本日はよろしくお願いいたします。まずは御社の沿革や事業内容について教えてください。
大池秀実さん(以下、大池):弊社は昭和45年に長野県で創業し、建設業や土木関係の工事、建築建設工事に使われるようなコンクリート資材製品の製造販売をしている会社です。
ーー健康経営をはじめたきっかけについてお聞かせください。
大池:もともと当社では喫煙者の数が多く、健康診断でも良くない数値がでてしまう人が少なくないことが気になっていました。役員たちの間で、社員の健康が会社の活力になっていくという話をしていたときに、健康経営の認定があることを知り、ぜひ会社で取り組んでいこうという話になりました。
バランス良く健康へアプローチ

ーー御社が行なっている具体的な施策について教えてください。
大池:まずは健康経営に取り組むチームを社員の中から集めてつくり、「イケジムプロジェクト」と名付けていろいろな取り組みを企画しました。
基本的なことではありますが、当時は喫煙に関するルールがなく、仕事中もタバコを吸っている人がいたので、喫煙時間や喫煙所を設けて分煙をすることから始めました。
他には、社員が体を動かす機会を増やすために、誰でも使えるトレーニングができる設備を設置。以前からパーソナルトレーニングを受けている役員がいたので、月に1回そのトレーナーの方に会社に来てもらってトレーニングをしてもらうこともしましたね。
社員同士のコミュニケーションの活性化も図るため、チーム制のポイントラリーの企画も実施しました。トレーナーによるエクササイズへの参加や、フットサルサークルへの参加、歩行数によってポイントを決め、合計ポイントが一番多いチームに健康グッズと懇親会をプレゼントしました。
またトレーナーの方が食事面でのアドバイスもできるということでしたので、食事管理を含めたチーム制のダイエットチャレンジ企画も実施。LINEで食事の写真を送り、アドバイスをもらいながら、3カ月間目標を決めて、ダイエットに取り組んでもらいました。参加者のなかには10kg以上痩せた従業員もいるんですよ。
健康経営がコミュニケーションの促進にも効果を発揮

ーー健康経営に取り組むなかで、大変だったことはありますか?
大池:継続性の部分と、当社は支店がいくつかに分かれているため、他支店を巻き込んで取り組みを進めていくことが難しいと感じますね。それ以外にも、一部の人は一生懸命参加してくれますが、なかなか参加してくれない人もいて、全員を巻き込むことの難しさも感じました。
ーーなかなか参加してくれない方に対しては、どのようにアプローチしていこうとお考えですか?
大池:継続的に取り組みを進めていき、「やって良かった」という声が広まっていけば自然と参加率も上がっていくのではないかと思っています。
ーー健康経営に取り組まれて、従業員の皆さまからの反響はいかがでしょうか?
大池:「ダイエットに成功して良かった」との声を聞くことができました。また課題に感じていた営業と製造の部署間のコミュニケーションが増えるよう、チームで取り組んでもらうような仕掛けづくりもしました。チームで動くことで、それも多少効果があったと感じています。
健康経営が社員と会社の豊かさを生みだす

ーー健康経営について、今後の計画や注力されていくことがありましたらお聞かせください。
大池:製造業でどうしても腰を痛めてしまう人が多いので、スポーツ選手のサポートもしている方に来てもらい、腰を痛めないための運動の指導をしてもらったことがあります。一回だけの実施でしたが、やはり腰を痛めて仕事を続けるのが難しくなってしまう従業員もいるので、今後もケアをしっかりやっていきたいと思っています。
また、全員参加型での取り組みを進めていきたいです。全員が一堂に集まるのは難しくても、オンラインでつないで一日に5分間だけも、全員で体を動かす時間をつくるような取り組みも行なっていきたいと考えています。
ーー最後に読者の方へのメッセージをお願いします。
大池:体も心も健康でないと仕事に集中できなくなり、成果もでにくくなると思います。企業が健康経営に注力することは、会社にとってプラスになるのはもちろんですが、その取り組みによって働く従業員たちがやりがいを持って仕事に取り組み、豊かな生活を送ることにもつながっていくのではないでしょうか。
難しいことは考えず、どの会社も健康経営にまず取り組んでみるといいのではないかと思います。
ーー本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
今回お話を伺った企業はこちら:株式会社オーイケ
インタビュアー:島田佳代子