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企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

長時間労働や有休取得率を改善して健康経営優良法人に!株式会社喜多村にインタビュー

長時間労働を是正し従業員の健康を考える

ーー本日はよろしくお願いいたします。まず、御社の事業内容や取り組みを教えてください。

北村眞行さん(以下、北村):弊社は受託粉砕とフッ素樹脂潤滑用添加剤の製造・販売、この2つを主事業としています。

受託粉砕はお客様からお預かりした原材料をお客様との打合せで決定した希望サイズに粉砕・分級しお返しする事業です。フッ素樹脂潤滑用添加剤は自社で製造・販売しています。

愛知県愛知郡東郷町に本社があり、岐阜県飛騨市に主力工場の古川工場、自社製品の原料加工を行なう原料部の3つの事業所があります。

従業員数は本社と古川工場を合わせて183名、2021年に創業50周年を迎えました。

ーー御社が健康経営を始められたきっかけは何があったのでしょうか?

青木さん(以下、青木):私が入社した2000年代前半頃までは長時間労働が常態化し、有給休暇の取得も難しい、いわゆる昭和体質の会社でした。そういった状況を危惧した、当時の総務部長が計画的に有給休暇を取得する制度とノー残業デーの導入を発案。

それと同時に、50歳以上の正社員は健康診断に代わり人間ドックを受診させる制度も開始しました。このように弊社では健康経営優良法人の認定ができる以前から、健康経営的な取り組みをスタートさせていました。

ーー従業員の健康状態について、改善が必要だと感じる点はありますか?

山田さん(以下、山田):弊社が加入している協会けんぽ愛知支部から提供される、40歳以上の健診データレポートを見ると、全国平均や愛知県平均と比較して喫煙率の高さは課題に感じています。

社内で必要なことを考え働き方や健康促進の施策を展開

ーーそれでは実際に行なわれている、具体的な施策について教えてください。

青木:弊社では健康経営の認定制度が登場する以前から、社内のニーズを踏まえさまざまな施策をしてきました。

健康経営優良法人の認定要件における「適切な働き方の実現に向けた取り組み」としては、付与される有給休暇のうち70%は計画的に取得してもらう制度があります。また、消化しきれずに残った有給休暇は別途積み立てされ、ボランティアや私傷病、育児、介護など会社が認める範囲で従業員が自由に利用できる制度も導入しました。

毎週水曜日と木曜日の週2回、ノー残業デーを実施しています。この成果なのかは検証できていませんが、現在の残業時間は従業員一人あたり月10時間未満に抑えられています。

新型コロナウイルスの蔓延にともない、在宅勤務制度や時差出勤制度も導入しました。

それから勤続年数が5年・15年・25年・35年に達するとリフレッシュ休暇と金一封、10年・20年・30年・40年・50年に達すると永年勤続表彰として特別休暇と金一封が与えられます。両方を合わせると、5年ごとに何らかの休暇と金一封が付与されています。

心身の健康についての取り組みとしては、50人未満の事業所を含む全事業所でストレスチェックを実施。調子が悪い、良くないと思われる従業員を対象に、産業カウンセラーの面談を実施するとともに、対象外の従業員も数年に一度は面談機会を設けていますよ。

希望者には腫瘍マーカーによる検診を会社負担で行ない、婦人科検診も健康診断と同時に受けられるよう手配しています。

50歳以上の正社員は健康診断に代わり人間ドックを受けさせているほか、非正規の方も少ない費用負担で人間ドックの受診が可能です。健康診断や人間ドックで二次検診が必要との結果が初めて出た項目は、会社負担で再検診を受けることができます。

協会けんぽによる保健指導は会社で場所を提供、就業時間内に行なって多くの従業員が受けられるようにしています。また、禁煙外来補助や禁煙達成祝いなど、喫煙率低下に向けた取り組みもしています。

従業員の理解を得るのは大変だが必要なこと

ーー健康経営に取り組むなかで、大変だったことや課題に感じていることはありますか?

青木:健康経営は従業員本人に直接関係することがないと、関心を持ってもらえない、余計なお世話と感じられてしまうことがあると考えます。怪我や病気で休む人がいない、みんなが健康に働ける会社であるほうが生産性も高く、働きやすい職場になるはずです。しかし、全員から理解や協力を得るのはなかなか難しいと感じています。

だからといって、難しいと思っているだけでは何も変わりません。実は今年、弊社が健康経営優良法人に認定されているからと、某大学院の研究生から、研究への協力を打診され、その一環でセミナーをしていただきました。

セミナーでは会社は従業員への安全配慮義務、従業員は自己保健義務があり、従業員は自身の健康を管理して、しっかり働ける状態を作る必要があるとお話いただきました。セミナー以降、従業員の意識が少し変わってきたように感じています。

手厚い制度に従業員から感謝の声も

ーー取り組みによる効果や、従業員からの反響はいかがでしょうか?

青木:以前、人間ドックにより病気の早期発見・治療ができた事例がありました。それで、「もし人間ドックを受ける機会がなければ、こんなに早く病気を見つけられなかったかもしれない」「会社のおかげで助かった」と言ってくれる方もいました。

山田:インフルエンザ予防接種の費用を同居家族分も補助しているほか、人間ドックも従業員の配偶者が受ける場合は費用補助しています。私傷病での休職時は通常無給となりますが、金銭面の不安を軽減し治療に専念できるよう、会社で入院治療費補償・所得補償保険にも加入しているんですよ。

また、コロナ罹患時の特別休暇制度も設けていますが、本人とその家族を守るため、少し長めに設定しています。

これら従業員の家族への補助は「家族も健康でなければ、従業員が健康的に働けないという思いからです。それによる感謝の声も従業員から聞いています。

小さな積み重ねで健康経営を実践しよう

ーー健康経営について、今後の目標や注力されていくことがありましたらお聞かせください。

青木:喫煙率が高いのは気になる点です。

これまでに禁煙外来の費用補助や、自力で禁煙達成できた際にはお祝い金を出す制度の導入などをしてきましたが、個人の嗜好ということもあって、あまり強くはいえない状況です。とはいえ、世間的にも禁煙が進んでいますし、喫煙率はもっと下げたいと考えています。

これについては社長も同意見で、そう遠くない将来に事業所を完全禁煙にすると話しています。

また、弊社のストレスチェック組織分析結果は、全国平均と比較すると悪くない状況です。しかし、同じ会社のなかでも相対的に見て結果が良くない部署も……。そういった部署の結果が良くない理由を考察し、対策をしていきたいと思っています。

ーー最後に、健康に関心のある読者や、健康経営に取り組む企業の担当者に向けたメッセージをお願いします。

青木:弊社ではその時々の社内ニーズに合わせ、できることから健康経営的な取り組みを行なってきました。そうした積み重ねをしていくなかで、健康経営の認定制度が登場し、気付いたら認定要件を満たしている状況になっていました。

これから健康経営に取り組もうとしているのであれば、何が必要なのかを考え、まずできることからやってみることが重要だと思います。認定要件を見ると、難しいと思われる項目もあるでしょう。しかし、そこで諦めるのではなく「できること」と「やりたいこと」を考え、少しずつ取り組み小さなことを積み重ねることが大切です。スモールステップを積み重ねた結果、気付いたら健康経営優良法人に認定される会社になっていることもあると思います。

従業員も最初は深く理解してくれないかもしれませんが、やり始めれば意識してくれる人が少なからず現れ、協力してくれるでしょう。いきなり高い目標を目指すのではなく、スタートさせればよいのではと思います。

ーー本日はお話いただき、ありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:株式会社喜多村

インタビュアー:島田佳代子

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