
株式会社テルミックは、愛知県で製造業を営む会社です。健康経営の取り組みとして、外回りをしない営業体制の構築など、従業員が働きやすい職場環境を目指して活動しています。
今回は、2021年より2年連続で健康経営優良法人認定を取得した同社で、健康経営を担当している石井さんと江崎さんにお話を伺いました。
愛知県に設立した株式会社テルミック
ーー本日はよろしくお願いします。御社の沿革やおもな事業内容について教えてください。
石井さん(以下、石井):弊社は1990年2月に愛知県刈谷市で創業し、今年で33周年を迎えました。1997年の2月に有限会社設立後、2001年に株式会社の商号に変更しました。
事業内容は、治具部品加工全般です。例えば車の部品でいうと、部品自体を作るのではなく、部品を作るための部品を作っているというイメージですね。2022年1月時点で海外子会社を含めて146名の従業員が在籍しており、そのうち約7割が女性従業員です。
ーーありがとうございます。健康経営をはじめたきっかけについて教えてください。
石井:もともと、働きやすい職場環境の整備に力を入れており、従業員の健康について配慮している会社でした。当社で健康経営の取り組みを強化するようになったのは、2020年頃に社長が健康宣言を行ない、健康経営優良法人の申請へと動きだしたことがきっかけとなりました。結果として、2021年に健康経営優良法人の認定をいただくことができ、認定後は取り組みをより良くしていこうと、さらに意識が高まったように感じます。
ーー従業員の健康状態で改善が必要だと感じていた点はありますか?
石井:喫煙率がなかなか減少しないことです。当社はそこまで喫煙率が高いわけではありませんが、今後は喫煙者数を5人以下まで減らしていきたいと考えています。また、内勤者が多いため、デスクワークが中心となり座っている時間が長く、運動不足も課題の一つです。
働きやすい職場環境を目指して
ーー実際の施策について詳しくお聞かせください。
石井:働きやすい職場環境の整備には以前から力を入れていました。例えば営業職だと一般的には外回りや出張など体を動かすイメージがあるかと思いますが、当社では営業が社内で完結できるように環境を整えてきました。見積りを出すときに当社独自の生産管理システムを活用するなど、ITとの連携によって内勤営業という働き方が構築され、妊娠中の従業員や車の運転が苦手な方でも営業の仕事を続けることができます。
働き方についても見直しており、コロナ禍では電車通勤の従業員の多くが通勤時の満員電車を避けるため、時差出勤をしておりました。テレワークなども導入し、新型コロナウイルスの濃厚接触者の方など、体調には問題ないが出勤できない従業員に協力していただき、少しずつですがテレワークも実施しております。
歩数アプリの導入で運動機会の提供を目指す
ーー運動促進について取り組まれていることはありますか?
石井:「あいち健康プラス」というアプリを導入し、社内で歩数を競う「ウォーキングイベント」を開催しました。以前は、歩数が多い上位1〜3位の方に景品を渡していましたが、上位のメンバーはいつも同じ方々でした。そうすると、4位以下の従業員はモチベーションが下がってしまいますよね。解決策として、社長よりも歩数が多い人にはギフト券をプレゼントするようにしました。社長は毎回10位前後にランクインしているので、以前と比べて景品をもらえる人が増えたことが、モチベーションの維持につながっているとうれしいです。
コミュニケーションが増える独自の福利厚生

ーー社内のコミュニケーション促進について、何か取り組まれていることはありますか?
石井:テルミック独自の福利厚生、「Eat In Telmic」や「テルミックくらぶ」という制度があります。仕事終わりに社員食堂で社内のメンバーと食事をする場合や、休みの日に社員同士でご飯や遊びに行く場合に、1人あたり1,500円を会社から補助してもらえるという制度です。みんなで焼き肉をしたり、いちご狩りに行ったりすることができるので、異なる部署の方ともコミュニケーションが取れるのが魅力だと思います。
健康に対する意識向上を目指して
ーー健康経営の取り組みを進めていくなかで大変だったことはありますか?
江崎:従業員の平均年齢が若いこともあり、健康への意識が薄い従業員がたくさんいるため、健康を意識してもらうことが大変でした。毎月健康に関する情報を従業員向けに配信したり、運動習慣を増やすためにアプリを導入したりするなど、取り組みを工夫してきました。
ーー取り組みによる効果や従業員の皆さんからの反響はいかがでしょうか?
石井:歩数アプリをいれたことによって、歩く人が増えたと思います。「家でご飯食べたあとにトレッドミルなどを使って歩く」という従業員の声も聞きましたね。また、いままで共通の話題がなくて話す機会がなかった人とも、歩数アプリをきっかけにコミュニケーションを取っているという話も聞きました。単純に歩く量が増えたというだけでなく、社内でコミュニケーションが増えたこともうれしい反響です。
今後はブライト500の取得が目標

ーー健康経営について今後の目標や計画をお聞かせください。
石井:禁煙の促進については、また会社でイベントなどを実施したいと思っています。従業員の健康のことをもっと考え、健康経営にも力を入れていきたいという想いがあるので、今後はブライト500を目標に取り組んでいきます。
当社は、現在20代の従業員が多く勤務していますが、10年、20年と時間が経ち、歳を重ねても働きやすい職場環境を整えていきたいですね。
ーー最後に、健康に関心のある読者の方や企業で健康経営を担当されている方へ向けてメッセージをお願いします。
江崎:従業員に健康を呼びかけるだけでは、響かない従業員が大半だということが健康経営に取り組むなかでわかりました。ほかの企業の真似をするだけでなく、自分の会社や従業員に合った取り組みを見つけていくことで、健康の取り組みが事務的なものではなくなり、社員一丸となって取り組んでいけると思います。当社も模索しながら新しい取り組みを実施できるようにがんばります!
ーー本日は、お話いただきありがとうございました。
今回お話を伺った企業はこちら:株式会社テルミック
インタビュアー:塩野実莉
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