サントリーウエルネスオンラインの健康食品・サプリメント・化粧品

企業が進める健康への取り組みを聞いてみました

100年続く企業を目指すオカネツ工業株式会社。未来の発展のために挑戦し続ける企業の健康経営とは

「企業は人なり」の精神で、従業員が心身ともに健康でいられる環境づくりを

ーー本日はどうぞよろしくお願いします。まずは御社の事業内容について教えてください。

和田社長(以下、和田):農業機械を中心に建設機械、産業機械など、BtoBで幅広い分野においてお客様のニーズに応える「ものづくり」をする会社です。日本だけでなく中国にも工場を構え、グローバルに部品や製品を供給しております。なかでも弊社の特徴は、設計から加工・組立・海外配送まで一貫生産体制であることです。

現在はOEM製品が事業の大半を占めておりますが、自社開発製品にも力を入れており、今回2機種の新製品を発表したことにより、合計で13機種の自社オリジナル製品があります。

今後の展望として、10年後には総売上の30%くらいを自社開発製品が占めるようにしていきたいと考えております。

ーー御社は「健康経営優良法人2022」の認定を受けておられますが、健康経営を始めたきっかけを教えていただけますか?

和田:「企業は人なり」。弊社で働く従業員こそが会社の資産だと思っているので、その従業員の方々が健康で、十分に能力を発揮して働ける環境をつくることこそがトップに立つ人間の責任だと考えています。

したがって、健康経営の認定取得や、SDGs、カーボンニュートラルのために何かをするという考えではなく、今まで取り組んで来た結果として当てはまっていたということです。私の目指す企業像である従業員とサプライヤーなど関係者全員の「幸福の実現」には、従業員が心身ともに健康に働ける環境の整備が必要です。そのために会社として何をしなければならないのかを考えて行動していった結果、健康経営の基準を満たせて、認定を受けることができたということです。

健康経営を始める以前から集団健康診断などは行なっていましたし、35歳以上の従業員には、より詳しい病院での検診を行なっています。そこで再検査になった人には産業医の意見を聞きつつ、一人ひとりに合わせた対応をしておりました。

フィジカル、メンタル問わず、健康面で異常がみられる場合には、しっかりヒアリングし、会社でふさわしい医療機関を紹介することもしています。そのようにして、最終的にその方が心身ともに良い状態で働けるようにする体制づくりには、これまでも特に力を入れて取り組んできました。

ーー以前から従業員の皆さまの健康に配慮した取り組みをされていたようですが、従業員の方々の健康面で改善が必要だと感じていた点はありますか?

和田:明確に申し上げれば、メタボリックシンドローム、またそれにともない血圧や血糖値の値が高いというのは、従業員に限らず私自身も抱えていた健康課題でした。

そこで、執行役員以上は、年に一回の人間ドックの結果を役員会でオープンにして、役員全員でその数値を共有するようにしました。そして、数値に異常が見られる部分に関しては、改善に向けた具体的かつ明確な指示を伝えるという形態を取っています。

トップに立つものとして部下に指示を出すためには、自分自身がまず行動で示さなければなりません。そこで、去年11月にメタボリックシンドロームに加えて、血圧と血糖値が少し高めであるとの指摘を受けてから、今年11月まで1年間、健康状態を改善するために私自身が努力してきました。

毎日運動することを目標として定め、無理のない範囲から始めて継続した結果、1年間で体重を8.5キロ落とし、胴回りも8.5〜9.0cm絞ることに成功しました。その結果、メタボリックからは完全に離脱しましたし、血圧も安定し、血糖値も下がってきています。

そのようにしてトップ自らが行動で示すことで、役員へ、そして部長クラスの従業員へとトップダウン方式で少しずつ会社全体へと浸透させていきたいと思っています。

ーーそのような取り組みをされた結果、和田社長以外の役員の方々も同じように数値を改善されたのでしょうか?

和田:執行役員のなかにもメタボリックの傾向があるものがいますので、必要に応じて医師に相談するよう勧めることもしています。そして期限を切って、3カ月ごと、半年ごとに継続して数値をチェックしているところです。

弊社は、「6S(整理、整頓、清掃、清潔、作法、躾)」を推進しているのですが、躾をするにも指導する側の人間自らが先頭に立って、改善していくべきところは改善していくことが一つのオカネツイズムになっています。そのため、役員たちも健康状態を良いものに保つため日々努力しています。

ーーこの1年間、和田社長自身も健康をかなり意識して過ごされたと思うのですが、それによりどのような変化や影響がありましたか?

和田:良い食習慣が身についたと思っています。カロリーの摂り過ぎに注意したり、夜に炭水化物を摂らないようにしたりというのは自然とできるようになりました。運動習慣の面でも、継続して無理のない程度で運動を毎日欠かさずすることがこの1年で習慣になったので、今日現在まで続けてこられました。

11月に健康診断の結果が出て、医師からも「ここまでよく頑張られましたね」というお褒めの言葉をいただいたので、それも継続するモチベーションにつながっています。

トップ自ら手本を示すトップダウン方式

ーー社内全体で取り組まれている、ほかの具体的な施策についても教えていただけますか?

和田:従業員の健康診断はもとより、インフルエンザ予防接種や新型コロナワクチン接種の徹底をしています。もちろん接種は強制ではありませんが、職域接種の場を設けて、希望者はみんな受けられるように取り計らっています。

また、ほかの中小企業や大企業と比較しても弊社の喫煙率は高く、40%を超えていました。今は全従業員の人数が増えているために、喫煙率40%は下回っているのですが、それでも高止まりをしております。

この点に関しては、私自身も50年近く喫煙しておりますので、禁煙をしなさいと強制することはしていません。ただ、これから3年後に新社屋を建てる計画があり、工場再編をやっている最中でもあるので、それを機に敷地内では禁煙を推奨していくなどの取り組みをゆっくりと進めていこうと考えています。

ーー健康経営の取り組みを進めるにあたり、大変だったことはありますか?

和田:ありがたいことに大変だと感じたことは、今のところありません。自らも随時やれることをやりながら経営管理、従業員の健康づくりに寄与できてきたと感じております。

例えば、突然に社内を「全面禁煙」にするとなると従業員にとっても、私自身にとっても大きな壁になってしまうと思いますが、私自身がそのような壁をつくりたくないという考えでいます。

社員に圧力をかけてなにかができるというものではありません。従業員の方から「社長のいうとおりだね、自分たちもやってみよう」と、私自身が行動で示すことによって自然に浸透していくことが私の希望です。

ーー会社のトップが自ら手本を見せることが会社のイズムとしてあると思いますが、健康経営をやってきたなかで社内での良い変化はありましたか?

和田:一般社員の方々まではどうかわかりませんが、部長クラス以上の社員は私が啓発すると、その人なりの判断をしながら、自ら改善し継続していこうという意欲があると感じています。

その結果、「これだけ痩せました」「今、自分こんなことを頑張っています」などの声が聞かれるようになってきているので、会社全体として意識の変化が起こってきているのではないかと思っております。

社長自らが従業員一人ひとりの声に耳を傾ける

ーー今後の展望として、注力していきたい計画や目標はありますか?

和田:コロナ禍に入る前までは、340〜350人の全従業員を6人ずつ集め、私との昼会食をしていました。2回目が終わり、3回目の途中でコロナ禍に入ってしまい、この3年は中止しています。

この昼会食の目的は従業員一人ひとりのストレスの状況、不平不満などを社長が直接聞いて、素早く対応することによって、ストレスチェックをしつつ、ストレスの緩和につなげたいというものでした。

ベテラン社員から新人社員に至るまで、全員に対して「あなたが肉体だけなく精神的にも健康で、本当の意味で一生懸命仕事ができる環境づくりをするためには、なにが必要ですか?」ということを尋ねる場でもありました。3年間、実施できていないので、これをまた再開したいというのが当面の目標です。

その他、過度の残業を抑制することや、眠れないなどの問題を抱える従業員に対して産業医にも関わってもらいながら根本の問題を一つずつ解決していくことで、従業員の健康管理を徹底して行なっていきたいです。

そのようにして「健康経営優良法人」と呼ばれるに値するだけの会社に仕立てていきたいと思っています。

ーー最後に読者へのメッセージをお願いいたします。

和田:仕事だけでなく日常生活を送るにしても基本は体が健康であることが大切です。フィジカルの健康ももちろんですが、「病は気から」といわれるので、メンタル面の健康維持も注力していくことで、心身ともに健康体であれるような職場環境にしていきたいと思っています。

そこでまず、自分が健康であり続けるためには今なにをするべきなのかに気付いてもらい、それを実行して継続してもらうことが重要です。それが会社のためにもなり、当然ご家族のためにもなり、ご本人のためにもなります。

弊社の従業員は現在、40代の者が多いのですが、私自身がそうであったように40代の頃というのはとかく健康を軽視してしまう傾向にあります。しかし、今の年齢になって初めて、40代の頃からこうしておけば良かったという自分なりの後悔もあります。健康がいかに大事なものかを従業員にも早い段階で気付いて欲しいです。したがって、全体朝礼も含め、ことあるごとに従業員には健康の大切さを伝えるようにしています。

ーー本日はどうもありがとうございました。

今回お話を伺った企業はこちら:オカネツ工業株式会社

インタビュアー:朝本麻衣子

商品を探す

健康食品・サプリメント

スキンケア・ヘアケア

健康グッズ