
インターワイヤード株式会社は、東京都品川区に本社を置く、電線・ケーブル・ヒーター線の製造・加工・販売を行なう会社です。
従業員の健康づくりへの取り組みが評価され、2021年より「健康経営優良法人 中小規模法人部門」に認定されています。
今回は代表取締役社長の齊藤義弘さんに、同社における健康経営の取り組みについてお話を伺いました。
インターワイヤードは、豊かさと快適さをクリエイトする会社

ーー本日はよろしくお願いいたします。まず、御社の沿革や主な事業内容について教えてください。
齊藤さん(以下、齊藤):弊社は1919年に創業した電線・ケーブルの製造を行なう会社です。本年で創業104年を迎えます。近年では、マーケティングリサーチ事業がもう一つの主力事業となっています。
また、15年ほど前から企業の従業員の意識調査も事業化し、おもに上場企業からコンプライアンス、ES(従業員満足度)、ハラスメントなどの意識調査及び結果をもとにしたフォローアップ研修などを受託しています。
ーー健康経営に取り組み始めたきっかけは何かあったのでしょうか?
齊藤:弊社は2017年から2019年まで、東京商工会議所の健康づくり・スポーツ振興委員会の委員を務めました。2020年のオリンピックを控えて、スポーツを通じた地域・経済の活性化やワーク・エンゲイジメントと健康経営推進などが委員会活動のテーマでした。
その活動のなかで、「健康経営」という言葉を初めて耳にしたことがきっかけですね。さっそく東京商工会議所の健康経営アドバイザーによる「健康経営診断」を受け、弊社の健康経営への取り組みがスタートしました。
東日本電線工業健康保険組合様のご指導により、2020年に東京都から健康経営「銀の認証」、そして2022年には「金の認証」をいただきました。
これらの認証に向けて活動するなかで、「社員の健康と共に社業を発展させるために取り組むべきこと」が、明確になっていきましたね。
コロナ禍で高まった従業員の「運動不足」

ーー社員の方の健康状態について、改善が必要だと感じていた点や課題はありましたか?
齊藤:東京本社の社員が最も運動不足だと思っていたのですが、実際には車通勤、車での移動があたりまえの地方工場の社員のほうが日常ほとんど歩いていないことがわかりました。
本社は最寄りのJR大森駅から約800mありますので、本社社員は最低でも往復で1.6㎞は歩いているわけですからね。とはいえ、新型コロナ禍でリモートワークが進み、本社社員も一日の歩数が急激に減って全社的に運動不足ということがわかりました。
勤務年数の多い社員も多く、健康診断結果の有所見率の悪化に、社員が自ら生活習慣を改め、健康状態を改善するにはどうしたらいいのか。施策を検討する必要性を感じました。
そこで各サイト(本社、群馬桐生工場、岩手胆沢工場、マーケティングリサーチ事業部)から健康経営推進委員を数名ずつ選出し、四半期ごとに全体会議を開催。各サイトの日頃の健康経営への取り組みに関して情報交換を行なっています。
楽しみながら健康を維持できる施策の実施

ーーお取り組みについて詳しく教えてください。
齊藤:各サイトの健康経営推進委員会が持ち回りで「インターワイヤード健康経営メールマガジン」を毎月発行しています。創刊以来、遅延なくすべて期日通りに発刊しており、今年も2023年1月1日に発刊しました。
ストレスチェックの実施及び集団分析(各サイトに分析結果の報告)。地域のマラソン大会や近隣企業とのソフトボール大会など、スポーツイベントへの積極的参加、AED研修会の実施や社内でのヨガ教室、太極拳教室などを開催もしています。
社員が楽しみながら健康を維持できることが大切です。そのため、万歩計を支給して体脂肪率低下を複数社で競うイベントに参加するなど、さまざまな取り組みを模索しています。
それから、地域社会へも微力ながら貢献したいと考え、企業版ふるさと納税を活用して、地元カヌー場の整備や地域マラソン大会の支援も行なっています。
ーー健康経営を実践するうえで、苦労されたことや工夫されたことはありますか?
齊藤:健康情報過多のこの時代に、健康に関する正しい知識を社員と共有するにはどうしたらいいかは悩みました。結果、生活習慣向上に関する専門家を招いて、社内でセミナーを開催して、社員に正しい知識を深めてもらおうと考えました。
専門家を本社に招いて、良質な睡眠をとるための基本知識や、生活習慣病改善の食生活指導などをテーマとしたオンラインセミナーを各サイトにライブ配信し全社員で視聴したこともあります。
就寝時間の90分前に入浴すると、体内温度が上昇から低下に移り、ちょうどいい睡眠導入になるなど、私も実践してみて、健康の質の向上に役立ったと思うことも多かったですね。
ーーお取り組みによる効果や反響はいかがでしょうか?
齊藤:自社で実施した社員対象のアンケートで「社員のことを考えてくれる会社だと思う」という評価がでてきたのも、健康経営への取り組みが一つの原因なのではと思われます。
また、求職応募の理由の一つに「健康経営に取り組んでいる会社である」ということを挙げた応募者の方も何人かおりました。会社選びに給与や福利厚生以外に「働きやすい会社」「働き甲斐のある会社」という条件が重要視されてきたことを実感しています。
従業員の健康は企業の誇り!

ーー健康経営について今後の計画や、注力されていくことがありましたらお聞かせください。
齊藤:「健康経営のさらなる推進」「従業員の健康は企業の誇り、活気ある職場は従業員の健康づくりから」のスローガンを全社員に配布する経営計画書に明記して、具体的な取り組みを増やしています。
本年度はアニバーサリー休暇の100%取得や、家族(40歳以上の扶養者)の特定健診受診率アップなどを年度目標に掲げました。
社員一人ひとりが健康を意識して、自らの生活を改善することで、健康増進と仕事の生産性アップを同時に成し遂げられます。
社員の心の健康面では、仕事上でのストレスの発生原因をさぐり、職場環境を改善するために、常に社員からの意見収集を欠かさないようにしていくつもりです。
ーー最後に、健康に関心のある読者へのメッセージをお願いします。
齊藤:健康の三要素は「運動」「栄養」「休養(睡眠)」だといわれていますが、ネットにさまざまな健康情報が氾濫しており、正しい健康の知識の選択がより重要になっていると感じます。日頃から公的機関や複数の専門家による発信など、信頼に値する情報源を探しておくことが重要なのではないでしょうか。
ーー本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
今回お話を伺った企業はこちら:インターワイヤード株式会社
インタビュアー:島田佳代子
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